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建築・建材展 2005 会場レポート2(3月3日)~人気の高い「健康建材」「エコロジー建材」

「建築・建材展2005」(東京ビッグサイト・東5ホール)をはじめとする8つのイベントが、今回初めて東京ビッグサイトの東西全館10ホールを使用して同時開催されたこともあり、3月2日までの2日間の来場者は累計97,148人(昨年は92,402人)。3日目を迎えた今日3月3日(木)も、開場の朝10時から大勢の来場者が訪れ終日賑わい、同イベントへの関心の高さが感じられた。前回のレポートでは、近年ニーズの高い「リフォーム」にかかわる建材や建築技術、ならびに特別企画をフィーチャーしたが、今回は「一般建材」とは別にゾーニングされた「健康建材・エコロジー建材・関連製品ゾーン」をメインに、年々注目度がアップしている「防犯」や初めて開催された「国際オーニングフェア」についてもレポートしてみた。


■健康に配慮した自然素材の新たな提案


これまで「一般建材」との区別がつきにくかった「健康建材・エコロジー建材」の展示ブース(26社・団体)が、今回はまとめてゾーニングされ回遊しやすくなった。これらのゾーンに出展されているのは、シックハウス対策をはじめとする健康的な暮らしを意識したものや、地球環境に配慮したエコロジー&省エネ型の商品や技術。自然素材はもちろんのこと、化学物質の発生をいかに抑えるか、また製造時ならびに廃棄時の環境負荷をいかに減らすことができるかが評価のポイントとなる。シックハウスを引き起こす恐れのある有機化合物を含まない自然素材が注目されているが、強度や施工性の問題から従来のものはどこにでも用いことができるというわけではない。その点、セラミックでありながら粘り強い性質の「Moiss」(トステム)は強度に優れた内装仕上げ材として評価が高い。また、耐震性、耐火性、施工性にも優れ、湿度調節機能やホルムアルデヒドを吸着する作用により、室内の清浄な空気環境を維持。廃棄後も土に還るので地球環境にもやさしいのが特徴だ。一方、日本の文化に欠かせない木の新たな提案として興味深いのが「スペースウッド」(吉野町商工会)。吉野で産する杉や檜は、これまで塗装などの加工を施さない白木として出荷されてきたが、フローリングやピーリングに自然塗料「オスモ」でカラーリング(杉7色・檜5色)を施すことにより、和空間だけでなくマンションやモダンな住宅、店舗やオフィスにもマッチする。また、専用のアルミ製機能パーツを用いて棚や吊り箱などを自由に取り付けることもできる。


サステナブル建築素材「Moiss」を展示しているトステムのブース。
加工性の実演には多くの人が関心を持って集まる。


木という自然素材とアルミを融合させた壁床システム
「スペースウッド」を提案している吉野町商工会のブース。


■クリーンなエネルギーを有効に利用する


エコロジーを進めるには、太陽光や地熱などのクリーンエネルギーの有効活用が不可欠。日本は太陽光発電システムの普及率が世界一だが、非住宅での普及はまだまだ。「アモルファスフラット」(三晃金属工業)は、従来型がセルに結晶シリコンを用いているのに対してアモルファスシリコンを用いることで、軽量性、湾曲性、長尺性、意匠性を生かせるのが特徴。かまぼこ形の体育館の屋根でも施工が可能だ。同社が進めている屋根緑化システムと組み合わせれば、省エネ+環境共生効果が期待できる。地中の温度は年間を通じて変化が少ないことは知られているが、それを巧みに利用するのが「エクセルエコ」(三菱化学産資)。健康建材・エコロジー建材ゾーン外での出展だが、エコ関連商品ということで取り上げてみた。地下100m以上の深さに樹脂製のチューブを埋め込み不凍液を流し、冬は地中から採熱、夏は冷房時に発生した熱を放熱することで、暖冷房効率を高めることができるというシステム。暖房時には、温泉水を利用したり、床暖房だけでなくロードヒーティングもできる。イニシャルコストが大きいため、施設などでの利用が期待される新しい技術だ。

 
「ソーラー発電屋根」「屋根緑化システム」により、
省エネとエコロジーを同時に提案している三晃金属工業のブース。


地中熱を利用する「エクセルエコ」は、三菱化学産資ならではの
ポリエチレン製造のノウハウを生かした技術。


■トータルにセキュリティを提案する


年間約27万件発生している侵入盗による犯罪。年々手口が巧妙になり、戸建て住宅や集合住宅はもちろんのこと、オフィスや店舗においても、これらの防犯対策が重要な課題となっているのが現状だ。同イベントでも、「SECURITY SHOW」として独立したセキュリティ・安全管理総合展が開催されているほか、「建築・建材展」でも複数のブースで「防犯」をテーマにした建材や設備機器の展示が行われ、多くの来場者が説明を熱心に聞いている。なかでも、建築物への侵入口となる開口部の防犯対策を提案しているブースが人気。「合わせガラス」「室内固定面格子」「面付錠」「戸先錠」「セキュリティサムターン」などの窓やドアを直接守る建材・部品のほか、万一の侵入を知らせる「センサー」や「通報機」(以上トステム)などをトータルに用意すると共に、新築だけでなくリフォームでも対応できるよう配慮されたセキュリティ商品も見受けられる。このほか、ガラスを強化することにより侵入を防ぐ技術もある。防犯対策ウインドウフィルム「ルミクール」(リンテック)は、<防犯性能の高い建物部品目録>(警察庁での官民合同会議)にも型番登載されている商品。リフォームなどの後付だけでなく、合わせガラスより低コストで軽量化が図れるため、新築時から採用されるケースもあるという。なお、同様の商品・技術として、ルーマーテクニカルアンドロジスティックス社、ベガルト アジア 東京支社も出展している。


面格子や錠、センサーなど新築・リフォームに対応した
セキュリティ商品をトータルに提案しているトステムのブース。


防犯対策ウインドウフィルム「ルミクール」の
防犯性能を実演しているリンテックのブース。


■ブラインド&シャッターで遮光・遮熱+防犯


省エネの基本はエネルギーの使用量を減らすことだが、そのためには夏場の遮光・遮熱により室温の上昇を抑えることが重要だ。日本では、プライバシーの保護や断熱効果を兼ねてカーテンを使用するケースが多い。しかし、デザイン性や通風性に適したブラインドの需要が伸びている。とはいえ、従来のブラインドで通風を行うには窓を開けなくてはならず、防犯面に問題がある。そこで、防犯対策を施したのが「サンシャデイ」(オイレスECO)シリーズのブラインドシャッターやブラインド面格子。遮熱・遮光効果のみならず、通風性や防犯性にも優れた新しいタイプのブラインドだ。また、ビルには窓の外に取り付ける「エコシェイド」や内側に設ける「インナーシェイド」もあり、大幅な省エネを実現している。


住宅用のブラインドシャッターに加え、
ビル用のシェイドを提案しているオイレスECOのブース。


■関心が高まる日本のオーニング


窓の内側に取り付け遮光・遮熱を図るブラインドに対して、外部から覆うようにして光を遮るのがオーニング。今回、同イベントで初めて独立開催された「国際オーニングフェア」(西3ホール)では、こうしたオーニングに関するノウハウや商品のプレゼンテーションが行われ、建築関係者以外にも多くの来場者が説明に聞き入っていた。なかでも、珍しかったのが新素材「シャガール」(NI帝人商事)。ペットボトルを原料としたポリエステル原着系素材(短繊維)としては世界で初めて実用化された商品で、従来の染色したポリエステル素材に比べ退色しにくく、ペットボトルをリサイクルできるのが特徴だ。また、風が強い日本の気候を考慮して簡単に開閉できる構造を持つ「カシオペア」(タカノ)などの提案も見られた。さらに、同社とタイアップしてオーニングのパースを作成できるCADシステム「RICK CAD 21」(リック)のデモンストレーションも行われており、今後日本でもオーニングが普及する兆しが感じられた。


ポリエステル原着系素材「シャガール」を提案しているNI帝人商事。


風が吹いても即座に開閉できるオーニング
「カシオペア」の実演を行うタカノのブース。


オーニングの意匠だけでなく開閉などの様子をCGで
確かめることができるリックのプレゼンテーション。


以上、「健康建材・エコロジー建材」「防犯」「オーニング」に関する商品や技術を紹介したが、これ以外の建材としてデザイン性に優れたものをいくつか紹介しよう。

アクリルにかわる新素材として期待されているオレフィン系樹脂による透光性化粧板「L-wave」(イビデン)は、衝撃に強くキズが付きにくいのが特徴。照明により行灯のような効果を演出できるため、店舗のディスプレイのほかオフィスのパーティッションとしての需要も多いとか。


透光性化粧板「L-wave」(イビデン)


無垢の木の温もりや色合い、そして香りには癒しの効果があると言われ、金属や樹脂にはない魅力がある。フランス産の無垢のフローリングやパネル材(ウッドハート、ジーピーエル)は加工性やデザイン性に優れ、とくに店舗用として人気が高いという。


フランスのボルドーパインのフローリング材をメインに
展示しているウッドハート、ジーピーエルのブース。


(ライター・西村弘志)

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