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建築・建材展 2008 会場レポート1(3月4日)~社会的に関心の高い安全・安心建材~

第14回「建築・建材展2008」(東京ビッグサイト・東3・5・6ホール)が、3月4日(火)に開幕した。出展社数311社、出展小間数698小間は過去最大の規模で、天候に恵まれ、来場者の出足も好調。まず初日は、毎年来場者からのニーズが多い「安全・安心建材」を中心に、キャンバスに関する国内初の専門ビジネスショーである、特別企画展「キャンバス・ジャパン2008」に関してもレポートしてみた(会場レポート2もご覧ください)。


■ガラスの機能を幅広くかつわかりやすく紹介


建築のプロはもちろん一般消費者に対しても、機能ガラス製品(安全ガラス、防犯・防災ガラス、省エネガラス、ミラー等)の認識を高め普及拡大を図る板硝子業界7団体を束ねる『機能ガラス普及推進協議会』。今回は、(1)ひと目でわかるエコガラスの性能実験、(2)全国約1,400店のガラス業者を検索できるWebsite「ガラス屋さん検索」の告知、(3)日頃あまり目にすることがない、用途や部位に応じてカスタマイズされた強化ガラスや合わせガラスなどの実物展示を行っている。様々なガラスに関する情報を偏りなく収集できるのがありがたい。


機能ガラス普及推進協議会のブース。


エコガラスの性能実験。


強化ガラスや合わせガラスの実物展示。


■乾式のシートやタイルとして商品化された漆喰


日本はもちろん、世界中で古来から建築材料として用いられてきた漆喰(しっくい)。熟練の左官職人の技が必要なため、職人不足の近年では施工コストがアップし、いまやクロス貼りがほとんどだ。今回『トクヤマ』が開発した「漆喰ルマージュ」は、塗り壁(湿式)という漆喰の概念をくつがえすシートタイプとタイルタイプ(乾式)の漆喰。シートタイプは厚さ0.4mmと紙のように薄く、平面だけでなく曲面への施工が容易。施工後のクラックや隙間が生じなく、クロス感覚でソリッド感を表現できるのが特長。一方のタイルタイプは、厚さ1mmのデザインタイルで、日本の伝統色15色をラインナップとし、日本の伝統文化を巧みに表現できる。いずれも、漆喰本来のアルカリ性により表面にカビが発生することなく、優れた吸湿性によりホルムアルデヒドを吸着することが確かめられている。なお、この商品は4月発売予定で、今後は海外への普及にも力を入れるという。


漆喰を施工したパイプ状のオブジェで人目をひく『トクヤマ』のブース。


光源の異なる色温度により、美しいグラデーションを描くシートタイプの「漆喰ルマージュ」。


味わい深い日本の伝統色を揃えたタイルタイプの「漆喰ルマージュ」。


■ヒートアイランド対策として期待されている屋上緑化システム


得意としている建物関連において、環境に配慮した独自商品も手掛けている『大和リース』。今回出展しているのは、工場や事務所をはじめとする折板屋根に設置できる緑化システム「ecoヤネ」。積載荷重30kg/m2と軽量であるため、多くの既存建物への設置が可能で、しかもユニット式で簡単迅速な施工(1人1日50m2程度)を実現。ローコスト、ローメンテナンスにより普及が期待されている屋上緑化システムである。なお、同製品は1/30以下の屋根勾配であれば、折板屋根でなくても施工ができるため、集合住宅などでも採用が可能だという。


折板屋根緑化システム「ecoヤネ」を展示している大和リースのブース(東3ホール)。


実際の設置をイメージした「ecoヤネ」の施工サンプル。


■リサイクルやリユーズもできる「アルミルーバー」


近年、アルミの建築やインテリアブランド「ecoms」で新しい分野を開拓した『SUS』。今回は、得意としているアルミ押出技術と元機械メーカーとして培った技術を駆使して開発した「アルミルーバー」に特化した展示を行っている。工場などの高所に設置する大型の電動式をはじめ、戸建て住宅の外構にも設置できるタイプまで幅広く提案。軽量で施工性に優れ、モダンな表情のアルミ素材を存分に活かし、リサイクルやリユースが可能なエコロジー製品である。


多彩なアルミルーバーを展示する『SUS』のブース。


工場などに設置される大型の電動式ルーバー。


■壁紙・障子紙に用いられている自然素材「月桃」


沖縄で自生するショウガ科の植物「月桃」の茎の繊維をパルプ化して作られる「月桃紙」。『日本月桃』では、この月桃紙を壁紙や障子紙として製造・販売している。自然素材であるため、安全性に優れていることはもちろん、調湿性を発揮し心地よい室内空間を創出。50mの長尺商品なのでフレキシブルな施工が可能で、改正基準法の「防火種別1-3」に認定されており防火性に優れている。類似したものとしてケナフ(一年草)が挙げられるが、月桃は多年草で成長が早いため必要に応じて収穫でき、資源を浪費しないエコロジーな製品でもあるといえよう。


自然素材「月桃紙」を貼った日本月桃のブース外観。


落ち着いた雰囲気を醸し出す「月桃紙」のサンプル。


壁紙だけでなく障子紙(右)にも「月桃紙」を用いたブース内部。


■防犯・防災に加えUVをカットするガラスフィルム


ガラスの表面に貼って、機能や性能を高めるガラスフィルム。防犯、飛散防止、遮光・遮熱など用途に応じた製品が数多く開発されているが、『PVJ』がイスラエルから独自に輸入している「セキュアグリップ」は、ポリエステルフィルムをラミネート接着剤で積層した防犯・防災用窓ガラスフィルム。用途に応じて準防犯タイプや、より防犯性能の高いCP防犯タイプが選べるほか、UVカットと飛散防止効果が標準仕様となっている。安全性の向上と共に、遮熱効果による省エネ効果が期待できる一石二鳥の製品といえよう。


防犯・防災用ガラスフィルムを展示する『PVJ』のブース(東3ホール)。


同社の主力商品である「セキュアグリップ」シリーズ。


■ウインドウフィルムで赤外線を大幅にカット


省エネが叫ばれている昨今、太陽の恵みがもたらす熱が建物内部に及ぼす影響は大きく、開口部の大きな商業施設などではガラスの遮熱性能の向上が急務だ。ウィンドウフィルムの販売・施工を手掛ける『アネスト』では、V-Kool社が開発した「IQueスパッタリングフィルム」(反射型)を展示。ステルス戦闘機の開発技術を応用した多層構造のフィルムが赤外線を大幅にカット。優れた遮熱効果を展示会場での実演で体感することができる。すでに、葛西臨海水族園をはじめとする公共施設をはじめ、既築のマンションや戸建て住宅でも採用されているという。なお、同製品は同社が責任施工するため10年保証もついているので安心だ。


ウィンドウフィルムを展示し、その効果を実演する『アネスト』のブース。


フィルムを貼った窓ガラスで遮熱効果を実際に確かめられる。


 ライター・西村弘志

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