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会場レポート1(3月3日)~安全・安心・機能性に優れた製品や技術~

第15回「建築・建材展2009」(東京ビッグサイト・東5・6ホール)が開幕した。今年の展示規模は、出展社数278社、出展小間数606小間。また、「JAPAN SHOP」など同時開催展と「にぎわう街も安全・安心・快適に」を共通テーマに掲げている。では、例年ニーズの高い「安全・安心建材」をはじめ、「機能性に優れた製品」を紹介していこう。

(ライター・西村弘志)

「耐震・防災建材ゾーン」より、安全で安心な街づくりに向けて

耐震性に優れ、二次災害を引き起こさない耐震工法

天井下地材として用いる鋼製薄板は、溶接を施すと部材に穴が開いたり錆やすくなり、十分な強度が得られない。また、現場での溶接作業は、火災や有毒ガスの発生など二次災害の危険性が増す。そこで『オクジュー』が考案したのが、耐震改修用の金物を用いて固定することにより、溶接を必要としない「NWD工法」。同社が取り付け現場を調査したうえで設計提案し、さらに責任施工する。多くの部材を工場で切断・加工するため、精度が高く安定した強度を維持し、優れた耐震性を発揮するという。

「NWD工法」を提案する『オクジュ』のブース。
「NWD工法」を提案する『オクジュ』のブース。

ハンガーガード、ワンタッチグリップ、ブレースなどの金物で固定し、耐震性に優れた天井下地を作る。
ハンガーガード、ワンタッチグリップ、ブレースなどの金物で固定し、耐震性に優れた天井下地を作る。

5つの特徴を発揮する汎用性の高い免震技術

建築資機材の製造販売事業を行っている『岡部』が提案するのは、木造の戸建住宅に適した「OKABE免震システム」。<転がり支承>の採用と独自の<十字形組み上げ方式>により、「震度3程度の、比較的小さな地震から免震効果を発揮」「地震の周期と共振しない」「設計対応力に優れている」「地震後は自力で元の位置に戻る」「建物がねじれない」という特徴を実現。システムの提供だけでなく、躯体を支えるフレーム製作のアドバイスも行っている。

「OKABE免震システム」を提案する『岡部』のブース。
「OKABE免震システム」を提案する『岡部』のブース。

縦横にスライドして免震効果を発揮する「VP免震支承」。
縦横にスライドして免震効果を発揮する「VP免震支承」。

戸建て住宅の免震化を可能にした独自の技術

ビルやマンション用に開発された免震装置は、軽量な戸建て住宅ではうまく作動しない。そこで、『THK』が開発したのが「THK免震システム」。同社が世界に先駆け製品化した「LKガイド」を十字型に組み合わせた<直動転がり支承>が、住宅の荷重を支えながら、地震の水平方向の揺れに合わせて360度自由に動き、「ボールねじ」を使用した<減衰装置>で衝撃を吸収し、さらに<復元用ゴム>で建物を元の位置に戻すというメカニズムだ。これらの装置を基礎と鉄骨床梁(土台)との間に設置すれば、地下室の有無にかかわらず、木造、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造の免震化が可能となる。なお、同社では免震装置の選定・配置のほか、鉄骨床梁の設計にもかかわるので専門知識がなくても安心だ。

「THK免震システム」を提案する『THK』のブース。
「THK免震システム」を提案する『THK』のブース。

「THK免震システム」のしくみを表した基礎部分の模型。
「THK免震システム」のしくみを表した基礎部分の模型。

水槽の液体の揺れ具合で免震効果がよくわかる。
水槽の液体の揺れ具合で免震効果がよくわかる。

外装をリニューアルしながら耐震補強

旭硝子とトステムの外装事業が統合して生まれた『旭トステム外装』。それぞれの長所を活かして開発したのが窯業系サイディング材を使用した外装材による「AT-WALL耐震補強工法」だ。躯体の内側からの工事を必要とせず、胴縁に専用のビスで固定するだけで、構造用合板と同等の耐震性を発揮。外装のリニューアルを行いながら耐震補強ができるため、従来の工法に比べて工期はもちろんコストを削減できるのがメリット。住まいながら施工できるため、居住者に負担をかけない。4月末発売予定。

外装材による「AT-WALL耐震補強工法」を提案する『旭トステム外装』のブース。
外装材による「AT-WALL耐震補強工法」を提案する『旭トステム外装』のブース。

胴縁にサイディングをビス止めするシンプルな耐震補強工法だ。
胴縁にサイディングをビス止めするシンプルな耐震補強工法だ。

機能性に優れた製品・技術で快適な店・街づくり

樹脂、ガラス、金属の特性を巧みに活かした建材

優れた化学技術を活かした建築材料を提案している『三菱樹脂』。プラスチックを金属シートで挟み込んだ積層複合材「アルポリック」は、軽量で剛性が高く平滑性に優れ、しかも不燃材であることから、天井材をはじめ、内外装材として用いられている。金属板に樹脂フィルムを積層した「ヒシメタル」は、塗装では表現できないエンボス柄なども表現できるオーダーメイドの内外装材。オフィス用間仕切りとして定評のある「ダイアパーティション」では、ガラスとPETフィルムの間に液晶ポリマーを挟みんだ構造の「透遮光パネル」がおもしろい。電圧を加えるとポリマーが一定方向に配列して透明に、電圧を加えないと曇る仕組みで、シチュエーションによってガラスとパーティションを使い分けられる。

ビルの天井材、オフィス用間仕切りなどを提案する『三菱樹脂』のブース。
ビルの天井材、オフィス用間仕切りなどを提案する『三菱樹脂』のブース。

表面が平滑な「アルポリック」に凹凸のあるタイプが新たに加わった。
表面が平滑な「アルポリック」に凹凸のあるタイプが新たに加わった。

樹脂フィルム積層鋼板「ヒシメタル」は、表面に貼るフィルムにより質感がかなり変わる。
樹脂フィルム積層鋼板「ヒシメタル」は、表面に貼るフィルムにより質感がかなり変わる。

特殊なアクリルポリマー製造技術を活用した工法

屋根塗膜防水材、外壁化粧防水材、低臭性塗り床材、無溶剤系ライニング材など、建物の資産価値の維持・向上に寄与する『東亞合成』が提案するのは、鉄筋コンクリート造におけるタイル張り仕上げ外壁の改修新工法「クリアウオール」。割れたタイルをなるべく張り替えることなく、下地処理とクリアウオールを塗布することにより、割れたタイルや目地からの雨水や炭酸ガスなどの浸入を防止し、タイルの剥落を予防する工法。タイル本来の風合いを損なわず、クリアで重厚な仕上がりを長期間に渡って維持し、建物を保護する。

特殊なアクリルポリマー製造技術による「クリアウオール」を提案する『東亞合成』のブース。
特殊なアクリルポリマー製造技術による「クリアウオール」を提案する『東亞合成』のブース。

和紙の質感を活かして用途を広げる工夫

『トーキン』が提案するのは、越前手漉き和紙をコーティングではなく、含浸させてガラス化した新性能和紙「硝紙(GARASHI)」。耐水・撥水・難燃性能により、壁材はもちろんのこと、床材にも応用でき、和紙ならではの質感を活かして皿などの器としても使用できるなど、用途が一段と広くなった。また、石川・七尾市の田鶴建具工業協同組合とタイアップして、GLASIS加工を施した障子なども開発。和紙と異素材とのコラボレーションも図っている。今後は、防火性能を持たせて和紙の使用に新しい可能性を見出したいという。

新性能和紙「硝紙」を提案する『トーキン』のブース。
新性能和紙「硝紙」を提案する『トーキン』のブース。

突板と異素材とのコラボレーション

家具や建築内装材の化粧板製造で培った合板技術を駆使して、突板とガラス、ポリプロピレン、アクリル、アルミなどの異素材を組み合わせた新製品を提案している『アサヒ突板工業』。突板とガラスを貼り合わせた装飾合わせガラス「LATO PIALLACIO」は、バックライトを用いることでガラスの裏側に施したカッティングシートの模様が、木目の表面に浮かび上がる仕組み。ポリプロピレンシートに突板を貼った素材<ピアラシオフィルム>。この素材を三角形のピースにし、自由に組み合わせて作る照明「木星」、またこの素材を照明のシェードとした「4lights」(1/4 design storeとのコラボレーション)なども出展されており、突板の新しい可能性を感じさせる。

突板の新たな可能性を追求する『アサヒ突板工業』のブース。
突板の新たな可能性を追求する『アサヒ突板工業』のブース。

バックライトで模様が浮かび上がる「LATO PIALLACIO」。
バックライトで模様が浮かび上がる「LATO PIALLACIO」。

パズルのように楽しめる照明「木星」と、ペンダントライトなどの「4lights」。
パズルのように楽しめる照明「木星」と、ペンダントライトなどの「4lights」。

温もりと上質さを感じる新しい素材感

デコラニットの品番を引き継ぎ、『住友ベークライト』が新たに80アイテムの高圧メラミン化粧板「デコラ」を発表した。なかでも興味深いのが、新ブランド「デクア」。濡れたような深みのあるグロス感を追求した「グラッシーシリーズ」と、木目はもちろん、錆や布地のようなテイストを表現した「ナチュアシリーズ」は、いずれも上質な素材感を実現している。さらに、これらの化粧板をより引き立てているのが、新製品のサインディスプレイ用導光板「サンロイド ルミキング」。LEDによる内照式の面発光する光源だ。

「サンロイド ルミキング」を用いた電飾看板を掲げる『住友ベークライト』のブース。
「サンロイド ルミキング」を用いた電飾看板を掲げる『住友ベークライト』のブース。

艶やきらめきにこだわった「デクア グラッシーシリーズ」。
艶やきらめきにこだわった「デクア グラッシーシリーズ」。

高品質で落ち着いた意匠の「デクア ナチュラシリーズ」。
高品質で落ち着いた意匠の「デクア ナチュラシリーズ」。

天然木の質感や暖かみを巧みに表現

印刷インクメーカーならではの色彩技術を活かして、建材の分野でも多くの製品を提案している『DIC』。「DIC Acrysta G」は、ヨーロッパのトレンドである鏡面仕上げを施した化粧板。「DIC Acrysta M」は、割れない、軽い、加工しやすい、まるで鏡のような化粧板で、今秋発売予定。「Decor21」は、天然木突板の質感や暖かみを表現した木目柄の化粧板。新しく15種類の色柄を用意している。「DIC フネン ソリッドカラー」は、DICカラーガイドに対応した38色の豊富なカラーバリエーションを持つ単色不燃化粧板。いずれも基材はF☆☆☆☆なので安心して使える。

優れた色彩技術を活かした内装材を提案する『DIC』のブース。
優れた色彩技術を活かした内装材を提案する『DIC』のブース。

鏡のような鏡面仕上げの「DIC Acrysta M」。
鏡のような鏡面仕上げの「DIC Acrysta M」。

DICカラーガイドに対応した「DIC フネン ソリッドカラー」の豊富なバリエーション。
DICカラーガイドに対応した「DIC フネン ソリッドカラー」の豊富なバリエーション。

使いやすさにこだわった金物や機構部品

建築金物や機構部品で定評のある『スガツネ工業』。本展示で興味深いものがいくつかあったので紹介しよう。フロアヒンジがなく丁番だけで65kgまで吊ることができる「大型ガラスドア用スイング丁番」は、シンプルな構造・デザインで風が吹いてもばたつかないのが特徴。「Vitrisガラスショーケース引戸システム」は、専用工具で戸車を簡単に脱着でき、レイアウト変更できるレールシステム。昨年登場した「マルチモフラット」では、新たにガラス扉仕様も加わりラインナップが充実した。いずれも、見えにくい部分に傾注し、使いやすさにこだわったスガツネ工業らしい提案だ。

興味深い金物や機構部品を提案する『スガツネ工業』のブース。
興味深い金物や機構部品を提案する『スガツネ工業』のブース。

フロアヒンジがない「大型ガラスドア用スイング丁番」。
フロアヒンジがない「大型ガラスドア用スイング丁番」。

レイアウト変更が容易な「Vitrisガラスショーケース引戸システム」。
レイアウト変更が容易な「Vitrisガラスショーケース引戸システム」。

RUSTICを意識したプレゼンテーション

クールモダンの洗練されたデザインから、自然の風合いを取り入れたエコなデザインへと変わりつつあるRUSTIC(伸縮性や柔軟性)を意識して、『イビデン建装』が新たに提案する「イビボード×<ダイノック>フィルム」。表面に凹凸感を施し、木肌のような自然なテイストを表現するなど、樹種と風合いの組み合わせによる豊富なバリエーションを実現している。

イビボード×<ダイノック>フィルムを提案する『イビデン建装』のブース。
イビボード×<ダイノック>フィルムを提案する『イビデン建装』のブース。

RUSTICを意識したカラーやテイストによるプレゼンテーション。
RUSTICを意識したカラーやテイストによるプレゼンテーション。

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