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会場レポート1(3月9日)~省エネ・エコロジーに優れた製品や技術~

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快適、健康、安全な住環境、商環境の実現にむけて、住宅・店舗・ビル用建材などを紹介する、第16回「建築・建材展2010」(東京ビッグサイト・東5・6ホール)が本日開幕した。今年の展示規模は、出展社数251社、出展小間数530小間。今回は、その中から特別企画展「キャンバス・ジャパン2010」(第2回)と、近年関心の高い「エコロジー」にかかわる製品・技術、さらにその取り組みについて紹介することにしよう。

(ライター・西村弘志)

キャンバスの新たな可能性を提案する

~「キャンバス・ジャパン2010」~
キャンバス(膜材)を加工したテントやオーニングなど各種製品・サービス、関連機器などを紹介する、建築・建材展2010の特別企画展。国内唯一の専門ビジネスショーとして、2回目の開催である。テーマは、「"あったらいいな!"キャンバスで みせる・描く・はばたく」。その優れたデザイン性や加工性、可動性や軽量性を生かして、キャンバスは幅広いジャンルで活躍している。例えば、「防災・生活産業」(雪囲い、イベント用テント、非常持出袋、斜行式救助袋など)、「膜構造体」(東京ドームをはじめとするドーム建築)、「省エネ・環境保全」(住宅・店舗・ビル・駅舎・プールなどの日除けオーニング)、「現在~未来テクノロジー」(スタジアム、イベントパビリオンなど)のように様々だ。

□新たな視点から生まれたドーム建築とは

~キャンバス・ジャパン2010主催者展示「A-Domeの構築と挑戦」~
「A-Dome」は、Archi-Neering Design(AND)の視点からテンポラリー・スペース(仮設空間)として創出されるドーム建築。軽いキャンバスの長所を生かして、災害時に求められる耐災シェルターや、イベントに利用される仮設空間としての用途だけでなく、今後は居住性の高い空間を実現するキャンバスの新たなデザインを模索する。

来場者の目を引くドーム建築が設けられた『キャンバス・ジャパン2010主催者展示』。
来場者の目を引くドーム建築が設けられた『キャンバス・ジャパン2010主催者展示』。

□省資源製品を素材としたオーニングで、エコな暮らしを実現する

「オーニングでSTOP温暖化」をコンセプトに掲げる『テンパル』では、NI帝人商事らが製造・販売する「シャガール」(廃PETボトルを利用)を素材として用いたオーニングを提案。従来から好評の、角度を自由に変えられる「エルパティオ・プラス」をはじめ、多用なニーズに合わせたオーニングのバリエーションを用意し、日差しを和らげエコで快適な環境の実現を図っている。

人に環境にやさしいエクステリア製品をラインナップした『テンパル』のブース。
人に環境にやさしいエクステリア製品をラインナップした『テンパル』のブース。

NI帝人商事らが製造・販売するエコ素材「シャガール」を使用した製品を展示している。
NI帝人商事らが製造・販売するエコ素材「シャガール」を使用した製品を展示している。

□楽しいホームパーティーのワンシーンをイメージさせる

ナカシマプロペラとのコラボレーションにより、「日本の庭づくりの再興」を提案する『タカノ』。手動式ワンタッチオーニング「庭の木かげ」をはじめ、紫外線を95%カットするシェードを設けた「クッキングテーブル」のセットをディスプレーするなど、ヨーロッパの日除け文化を取り入れ、「庭に出ることの楽しさ、将来に向けての庭の可能性」をわかりやすく見せてくれる展示となっている。

今にも庭でホームパーティーができそうな『タカノ』のブースのディスプレー。
今にも庭でホームパーティーができそうな『タカノ』のブースのディスプレー。

ワンタッチで簡単に開閉できるイチ押し商品の「庭の木かげ」。
ワンタッチで簡単に開閉できるイチ押し商品の「庭の木かげ」。

エコロジー&エコノミーの最新技術やアイデアが一堂に

□光触媒技術を駆使して空気を浄化する

酸化チタンによる光触媒効果を利用し、光や水の力で環境浄化を図るTOTOの「ハイドロテクト」技術。壁や床に施したハイドロテクトの光触媒層が、まず排気ガスや排煙から発生するNOxやSOxなどを分解し、空気を浄化。次に、光触媒層の親水性により表面の汚れを雨の力で洗い流してセルフクリーニング。さらに、抗菌・抗カビ、防汚、防臭効果も発揮し、環境の浄化に貢献する。このような優れた機能の中でも空気浄化機能は、光触媒工業会(PIAJ)の「空気浄化(窒素酸化物)」基準をクリアしたことから、認証第一号を取得した。ちなみにこの「ハイドテロテクト」技術を施したTOTOのタイルが、すでにインテリアタイルやエクステリアタイルのラインナップとして市販されている。今後は、フィルム、ガラス、テントなどのパートナー企業にも使用を促し、世界的な普及を図りたいという意向だ。

光触媒機能のわかりやすいデモンストレーションを行う『TOTO』のブース。
光触媒機能のわかりやすいデモンストレーションを行う『TOTO』のブース。

□優れた性能を発揮し様々な用途が期待されている素材

高機能繊維素材<ソフィスタ>とスチームジェット技術が融合して生まれた『クラレ』の特殊繊維構造体「フレクスター」。2006年に開発され、伸縮包帯として海外で普及していた素材だが、これを利用して商品化したのが今回展示している床材、間仕切り、障子などの建材。吸音性、衝撃吸収性、断熱性、透光性、通気性に優れている。将来は、これらの廃材のリサイクルも可能だという。

優れた性能を発揮する素材「フレクスター」を用いた商品を展示する『クラレ』の体験ブース。
優れた性能を発揮する素材「フレクスター」を用いた商品を展示する『クラレ』の体験ブース。

遮熱性に優れた障子「サーモバリア」。
遮熱性に優れた障子「サーモバリア」。

「スタイロフォーム」(ダウ加工)との組み合わせで断熱性に優れた畳「かるぃ匠(かるぞう)」。
「スタイロフォーム」(ダウ加工)との組み合わせで断熱性に優れた畳「かるぃ匠(かるぞう)」。

□メーカーとしてエコな再生アクリルの開発に取り組む

商業施設などのディスプレーには欠かせないアクリル板。その製造段階で発生する端材を粉砕し、再生アクリル板「プロスバン」として蘇らせたのがアクリルメーカーの『プロスパー』。新品のアクリル板のような透明感は失われるものの、そこでは表現できない新たな風合いや質感を表現。レーザー加工、特注色、R加工などの追加加工も可能だ。サイズは、現在のところ900×1,200のみだが、年内には900×1,800も販売予定。しかしなにより、再生という「エコ」がこの製品を採用する企業のイメージアップにつながると期待される。今後は、使用済みのアクリル板を回収して再生することも視野に入れているという。

照明効果でアクリルの美しさをアピールする『プロスバン』のブース。
照明効果でアクリルの美しさをアピールする『プロスバン』のブース。

新品では表現できない風合いや質感を感じさせる「再生アクリル板」。
新品では表現できない風合いや質感を感じさせる「再生アクリル板」。

□クリーンな光を集めて照明効果を発揮する

レンズ効果のあるドームで集光し、高反射率チューブを通じて屋内に光を届ける太陽光照明システム「ソーラーチューブ」。照明事業をコアビジネスとしている『ウシオライティング』が開発した製品だ。光が届きにくい部位の照明効果はもちろん、窓から差し込む光と異なり、赤外線を96%以上、また紫外線を97%以上カットし、優れた遮熱・UV効果を発揮する。用途は、住宅、店舗、工場・倉庫、オフィス、公共施設と幅広い。ちなみに、大規模施設向きの「330DS」タイプでは、その明るさは400Wの水銀灯に匹敵し、光熱費では年間約26,000円の節減になるという。

太陽光照明システム「ソーラーチューブ」を展示している『ウシオライティング』のブース。
太陽光照明システム「ソーラーチューブ」を展示している『ウシオライティング』のブース。

奇妙な形状に思わず来場者が足を止める「ソーラーチューブ」。
奇妙な形状に思わず来場者が足を止める「ソーラーチューブ」。

□ビルの外壁でも効果的に太陽光発電を

太陽光発電が脚光を浴びているが、『菊川工業』が提案する太陽電池一体型の外装材「サステナ」は、壁面も有効利用できるシステムだ。新築はもちろん、施工性に優れているためビル改修にも対応。創エネ効果だけでなく、従来の外壁の上に施工するためダブルスキン(二重壁)化による遮熱効果も発揮し、夏季の省エネにもつながる。さらに視覚効果も絶大で、ビルオーナーとしての環境対策をアピールでき、資産価値の向上も期待される。

ビルの外壁に装備した太陽光発電パネルをイメージした展示の『菊川工業』のブース。
ビルの外壁に装備した太陽光発電パネルをイメージした展示の『菊川工業』のブース。


省エネ法の改正と環境配慮型店舗の今後のあり方

~全展合同企画「グリーン・ストア2010」~
省エネ法が、平成20年5月に改正された。そのため、工場や事業場だけでなくフランチャイズチェーン展開を行っているコンビニなどの小規模な店舗でも、省エネに努めなければならない。そこで、今回は「街づくり・流通ルネサンス」の全展合同企画である「グリーン・ストア2010」が、「建築・建材展2010」の向かい側の会場である東3ホール内に設けられ、店舗のCO2削減や省エネを支援する製品・サービスを紹介し、今後の環境配慮型店舗のあり方が提案されている。この企画では、改正省エネ法の解説、流通業の先進的なCO2削減の取り組み事例などをパネル展示するとともに、オープンステージでのセミナーも開催。また、関連企業の展示ブースや経済産業省関東経済産業局の相談コーナーもある。
・後援:経済産業省関東経済産業局、東京都環境局、日本小売業協会、(財)店舗システム協会

オープンステージでは、計19本のセミナーが開催され、毎回多くの受講者が時間前から集まる。
オープンステージでは、計19本のセミナーが開催され、毎回多くの受講者が時間前から集まる。

スーパーマーケットを想定した電気設備のリニューアルを提案する『パナソニック電工』のブース。
スーパーマーケットを想定した電気設備のリニューアルを提案する『パナソニック電工』のブース。

竹炭を用いて屋根の軽量化を図る「バンブテコガーデン緑化システム」を紹介する『テラルテクノサービス』のブース。
竹炭を用いて屋根の軽量化を図る「バンブテコガーデン緑化システム」を紹介する
『テラルテクノサービス』のブース。

四万十ecoヒノキを商品だけでなく棚などの什器にも用い、「低炭素社会」「自然共生社会」「循環型社会」への貢献をアピールする『カウネット/大正町森林組合集成材工場』のブース。
四万十ecoヒノキを商品だけでなく棚などの什器にも用い、
「低炭素社会」「自然共生社会」「循環型社会」への
貢献をアピールする『カウネット/大正町森林組合集成材工場』のブース。

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