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会場レポート2(3月9日)~木をはじめとする地球環境にやさしい素材~

開催2日目を迎えた、第17回「建築・建材展2011」(東京ビッグサイト/東5・6ホール/出展者数257社、出展小間数567小間)。初日は天候に恵まれ、22,546人の来場者が訪れ活況だった。今回は、特別企画展「国産材の魅力展2011」(第1回)をはじめとする木質建材や関連製品、また素材としての汎用性に優れ、しかも注目度の高い製品を中心に紹介することにしよう。

(ライター・西村弘志)

第1回目のレポートはこちら

循環型環境社会の実現に向けた木材の活用

~「国産材の魅力展2011」~

 地球環境を保全するために、循環型環境社会の実現が急務となっている昨今。木材の利用促進は、京都議定書で定義されたCO2の吸収源として取り扱うことができる、健全な森林の育成・整備といった観点からも重要である。このような背景のもと、本特別企画展では、構造材や化粧材、インテリア・エクステリア製品などの国産材製品とその関連商品を多数紹介。また、これらの製品を用いたテーマ展示として実大模型も造作するなど、建築・建材産業のビジネス面から捉えた国産材の魅力をわかりやすく展示・紹介している。

○実大模型でアピールする「国産材で創る高資産価値住宅」

「スクラップ&ビルド」を繰り返していた日本の家づくりのスタイルを改めるため、2009年6月に法制化された「長期優良住宅」。耐久性に優れ、資産価値の高い良質な住宅のストック形成、そして地産地消による国産材の使用が推進されると期待されている。
 こうした流れに対応して、『NPO法人日本リフォームセーフティネット協会』は、国産材・地域材の特徴を生かし、安心・安全な住宅というプラットホームと高耐久プロダクトハウスの標準仕様化を目的とした「国産材で創る高資産価値住宅」を提唱。本テーマ展示では、全国から募った建材メーカーのコンソーシアムにより、金物構法の採用、結露を抑える断熱仕様、屋根一体型ソーラーパネルなどを装備した、健康・快適かつエコノミー・エコロジーな暮らしを実現できる実大模型を会場に造り込み、「土に還る国産の材料を用いて、工事予算を削減できる家づくりが可能である」ことをアピールしている。今後は、セミナーを通じて全国の工務店に普及・啓蒙していくとともに、今回の来場者とメルマガを通じて情報交換を行いたいという。

ブース
太陽光発電パネルも搭載した実大模型を利用した『NPO法人日本リフォームセーフティネット協会』のブース。「国産材による長期優良化住宅の可能性を実感できた」という来場者の声があるという。

○国産無垢材と伝統技術を生かした独自工法による家づくり

 地産地消を理念とし、集成材、石膏ボード、クロスを使用せず、国産無垢材を100%使用して1,648万円の家づくりを目指している『明城』。今回は、そのこだわりの家づくりを実現するために必要な「大臣認定特殊工法」等の説明、壁倍率3.9倍(大臣認定取得)の「土壁パネル」と壁倍率1.7倍(大臣認定取得予定)の「室内専用パネル」の展示を行っている。なお、この工法技術を使用するには「NPO法人三河自然素材家づくり研究会」への加盟が必要だが、その工法技術に関するネーミングは、加盟した工務店や建築設計事務所が自由に決められるなど、日本全国に普及しやすいシステムを構築しているという。

ブース
独自工法を用いた和室の実大模型を設けた『明城』のブース。

パネル2種類組写真パネル2種類組写真
壁倍率3.9倍の「土壁パネル」(写真左)と、壁倍率1.7倍の「室内専用パネル」。

○木材の欠点を克服した地球にもやさしい保存処理木材

 木材の防腐処理技術をはじめとし、木材保存に関するノウハウを駆使して木の可能性を追求する『九州木材工業』。本展示で紹介しているのは、高耐久性保存処理木材「エコアコールウッド」。割れにくく、寸法安定性に優れ、腐れを発生しにくい木材で、世界文化遺産「広島・厳島神社」の補修工事にも採用されている。また無毒性なので、安全・安心。焼却しても有毒なガスを発生せず、地球にやさしい木材だ。

ブース
「エコアールウッド」の特徴や用途を、「広島・厳島神社」の補修工事と合わせて紹介している『九州木材工業』のブース。

○天然木材の風合いを残した不燃木材と乾燥木材

ブース
特徴的な木材の乾燥方法を行っている『ラボットプランナー』のブース。40度前後の自然に近い低温乾燥により、割れ・反り・ねじれの少ない乾燥木材を製造。さらに、その工程の前に不燃処理を施すことで、国土交通省認定の天然不燃木材も提案している。

○地震に強く健康・快適な暮らしが実現するスギの家

ブース
長さ38cmのスギのブロックを積み木のように積み上げて壁を作る、特許工法による家づくりを推進している『つみきハウス』のブース。壁倍率2.8倍の耐震性と、木をふんだんに用いた断熱性に優れた工法で、施工も簡単。新築はもちろんのこと、リフォームなどで間仕切り壁を設ける際にも利用できる。

○森林環境を維持する間伐材を使用した循環型商品

ブース
国産のスギ、ヒバ、ヒノキ等の間伐材の削り屑を使用した寝具類「フィトンの寝具」を開発・販売している『榊工業』のブース。木材が持つ消臭・抗菌・調湿・吸熱効果を生かせるだけでなく、間伐材を寝具に利用し、その後も燃料として再利用できるエコな取り組みとして注目されている。

木の特徴と先進技術を生かした提案

○豊富な森林資源による安定供給と高品質が魅力

 世界有数の森林国カナダ。その木材資源の安定供給を図るために、6つの木材関連非営利団体と関連グループが結束して設けた『CANADA WOOD』。本展示では、その団体をはじめ、そこに所属するディストリビューターや日本の代理店が出展し、構造材をはじめとする製材品や集成材、さらに二次加工製品である内外装材や木製キッチンなどを紹介している。それぞれのブースでは、個性的な展示や興味深いプレゼンテーションなどが行われており、カナダの建材事情なども詳しく知ることができる。

ブース全景
カナダの建材と建築技術などを紹介する『CANADA WOOD』のブース全景。

BC WOODなど
日本の著名なデザイナーが、ウエスタンレッドーシダーをふんだんに用いてデザインプロデュースしたコーナー。

カナダツガ
高強度の構造材E120を紹介している『カナダツガ』のブース。来場者が実際に釘の引き抜き体験もできる。

キッチン
無垢のオークのキッチンを提案する『メリットキッチン』のブース。そのよさを知ってもらうおうと、今回は人造大理石のカウンターにIHクッキングヒーターがセットされたキッチンを、かなりリーズナブルな価格で提案している。

○木材の耐水性・耐久性が向上するコーティング

 半世紀におよぶ木材事業の経験とノウハウを生かし、集成材の製造に携わってきた『マルナカウッド』。今回は、集成材にセラミック塗料のコーティングを施したオリジナルブランド「樹縁(きえん)」を出展している。特殊粒子の塗装膜により、耐水性に優れているだけでなく、長期的な耐久性を発揮し、カビや腐りなどによる劣化を防ぎ、防汚性にも優れているのが特徴だ。

ブース
耐水性、防汚性に関する実験を行っている『マルナカウッド』のブース。

撥水性
水性塗料を表面に施しているにもかかわらず、耐水性に優れており、撥水している様子がよくわかる。

汚れ落ちの組写真汚れ落ちの組写真
油性マジックなどの汚れも拭き取るだけで消すことができる(写真左)。

○生分解可能で耐久性・寸法安定性に優れた木材

 海外の優れた木材製品を選りすぐり提供してきた『池上産業』。今回紹介しているのは、オランダで開発され、すでに実績のあるアセチル化処理を施した木材「アコヤ」。酢酸の一種である「無水酢酸」を高温高圧下で木材と反応させた木材で、高い耐久性と寸法安定性が得られるのが特徴。また、木材防腐薬剤を使用していないので生分解が可能で地球環境にやさしく、また木材を扱う施工者や建築物で暮らす生活者にも負荷をかけず、安全・安心な建材だといえる。外装材などのエクステリア、木製サッシ、玄関ドア、浴室やキッチンなどの水まわり製品、橋や桟橋といった土木建設物など、その用途は幅広く、今後の日本での普及が期待されている。

池上産業のブース
アセチル化処理木材「アコヤ」の性能とその製品を紹介する『池上産業』のブース。

耐久性
シロアリを寄せ付けない防蟻性能も発揮する「アコヤ」(写真下部)。

寸法安定性
コンクリートの供試体を使った寸法安定性試験。「アコヤ」(写真手前側)以外の木材は膨張するため、円柱形のコンクリートにひび割れが生じる。

最新のデザイントレンドを意識した意匠性

○薄くて軽量で柔軟性に富んだ新製品

 日本で最初の高圧メラミン化粧板「デコラ」を製造し、今年で60周年を迎えた『住友ベークライト』。キズがつきにくく耐水性・耐熱性・耐汚染性などに優れ、色や柄が豊富なことから、飲食店をはじめとする商業施設での需要が多く、住宅のキッチンや洗面室でも使用されている。また、抗菌性にも優れているため、公共施設や医療施設での需要も多く、用途の幅広い建材だ。本展示会では、2011年7月発売予定の新製品「デコライノベア」が紹介されている。メラミン化粧板としての表面性能はそのままに、厚さを0.3mmと薄くしたことで軽量化を実現。さらに、柔軟なことから小さなアール面への施工も可能となり、単体での不燃認定(申請中)と合わせ、より用途が拡大した。

住友ベークライトのブース
「デコラ」の60年を振り返り、その歴史を紹介している『住友ベークライト』のブース。

ロール状
新製品「デコライノベア」が薄くて柔軟性に優れていることがわかる、ロール状のプレゼンテーション。

施工例
「デコライノベア」を用いた加工例を紹介しているコーナー。

○上質な空間を創る美しいデザインと高いクオリティ

 メラミン化粧板をはじめとする建築・家具用資材の製造・販売を行っている『イビデン建装』。今回紹介は、2種類のメラミン化粧板を紹介しよう。「リテクト」は、従来難しいとされていた軽量化を実現したメラミン不燃化粧板。現場への搬入が楽になり、加工性にも優れているため現場での施工能力がアップ。エンボス仕上げなどのラインナップも加わり、デザイン性も豊かになった。一方「ノシモ」は、表面に指紋が付きにくい特殊な加工を施した耐指紋メラミン化粧板。機能性だけでなく、しっとりしたマットな表情もなかなかの人気だという。カウンターなど、手が触れやすい部分などへの需要が期待されている。

ブース
トレンドのデザインにも対応した新製品を紹介している『イビデン建装』のブース。

ノシモ
ダーク調にもかかわらず指紋が付きにくく、しっとりとした質感の仕上げが特徴の新製品「ノシモ」。

リテクト
軽量で加工性に優れたメラミン不燃化粧板「リテクト」は、新しいエンボス仕上げをはじめバリエーションが豊富だ。

○リアルな素材感とオリジナリティあふれるデザイン

 約70年にわたり、ゴム・合成樹脂製品の販売・施工を手がけてきた『クリヤマ』。今回紹介しているのは、同社の建設資材部門が開発した「スーパーマテリアルズ」。セラミックタイル、ガラス、アルミ、木といった素材を、独自のノウハウと最新のテクノロジーを生かして加工したパネルの数々である。社内だけでなく、海外のデザイナーとのコラボレーションにより企画・デザインされているため、その美しく斬新なデザインは百貨店のテナントなどから高く評価されているという。

ブース
セラミックタイル、ガラス、アルミ、木を加工したパネルを展示する『クリヤマ』のブース。

商品1
セラミックタイルを加工した「スーパーマテリアルズ」。色柄や質感に変化を与えることで、豊富なデザインアイテムを生み出している。

商品2
木を加工したパネル(写真上部)、ガラスとアルミによるパネル(写真下部)など、素材を生かしたデザインが美しい。壁の一部など、アクセントとしての需要が多いという。

○パワーストーンを建材アイテムとして利用

 アクセサリー、ジュエリー、インテリアとしての用途が一般的なパワーストーン。この石を床材や壁材などに用いるプレゼンテーションをしているのが『晃瑛(こうえい)』だ。パワーストーンを床や壁面全体に限らず、アクセントとして一部に用いることで、デザイン性が高まるだけでなく、風水としての効果によりパワースポットが生まれ、心の安らぎが得られるという。これまでに、パワーストーンを建材として用いた例は、世界的にも珍しいとか。新築だけでなく、リフォームなどにも利用できる新しい建材アイテムとなるかもしれない。

ブース全景
パワーストーンを建材として使う提案を行う『晃瑛』のブース。

壁/床
照明効果と合わせて、床や壁に施工した提案例。これまでにないオンリーワンのデザインを楽しむことができそうだ。

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