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会場レポート

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住宅・店舗・ビル用の各種建材をはじめ、設備機器やソフトウエア、設計・工事、関連サービスなどを幅広く紹介する「建築・建材展2015」(東京ビッグサイト/東5・6ホール)が3月3日から6日まで開催された。今回の開催規模は、出展者数288社・団体、出展小間数643小間。主な見どころは、デザイン性にも優れた新しい住環境・商環境づくりの提案をはじめ、「耐震・制震・免震」など3つの集中展示ゾーンと特別企画「グッドデザインゾーン」。また、近年のリフォームニーズに応え新設した「住まいのリフォームゾーン」だ。注目度の高いテーマに関するセミナーも実施(全セミナー受講無料)され、会期中の来場者数は昨年を上回る102,908人(「建築・建材展」と「JAPAN SHOP」の合計)だった。本レポートは、会期中に興味深い出展者ブースを取材して、それらの内容を要約したものである。

(ライター・西村弘志)


●堅調なリフォーム需要に応える製品や技術

 ここのところ住宅の新築着工棟数が減少を続けるなか、リフォーム需要は穏やかながら市場が拡大傾向にあるようだ。こうした社会背景を勘案して、本展でも今回から「住まいのリフォームゾーン」を新設。マンションの日本住宅管理組合協議会をはじめとする団体や企業が出展した。

○安全性と衛生面の向上を図るリフォーム技術

 ナックエンジニアリングの「スリップ・ガード・システム」は、石材やタイルの床面に塗布することで滑りを防止する特殊液剤。化学反応により床材に浸透するため、素材の質感や美観を損ねることなく効果を発揮する。施工も簡単で低コストだ。「クロスガード・エコTi」は、ビニールクロス、石膏ボード、コンクリートいずれの仕上げでも上から塗布するだけなので廃材が出ない。しかも、光触媒酸化チタンと銀イオンを含むため、消臭・殺菌・抗菌、防カビ・防ダニ効果を発揮し、耐久性にも優れている。

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ナックエンジニアリングのブース(左)と異なる素材で滑りの違いを体感できるデモ。

○窓を取り換えることなくパーツ交換で対応

 千六屋は、交換部品が廃番になっていても、戸車、クレセントなどの金物、ATゴムなどの各種気密ゴムの豊富な在庫や代替部品を用意し、場合によればオーダーメイドで対応する窓の専門店。修理したいサッシの写真とメーカー名などの情報をEメールで伝えると、ベテランの担当者がパーツを探し出してくれる。サッシごと取り換えることなく、元通りに使えるため経済性に優れ、しかもエコだ。

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千六屋のブース(左)と修理に欠かせない取替用のパーツ。

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●木造住宅にとって欠かせない地震対策

 この3月11日で「東日本大震災」から丸4年。地震対策は日本の建築業界にとって永遠の命題である。今回の「耐震・制震・免震ゾーン」では、木造住宅を対象とした最新の制震技術が紹介され、人気を博していた。

○取付サイズの適用範囲が広く施工しやすい

 清水建設から独立したアイディールブレーンは、そのノウハウを生かしてこれまでに様々な地震対策の技術を開発してきたが、今回出展した「ミューダム」は金属流動という現象を利用した制震ダンパー。コストを抑えることにより1棟に多く設置できるため安全性がより向上する。コンパクトなので、断熱材の充填に支障をきたすことなく、軽量なので1人でも施工可能だ。在来工法用と2×4工法用がある。

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アイディールブレーンのブース(左)と断熱材を充填した壁に施工した制震ダンパー
「ミューダム」。

○制震と耐震の機能を併せ持つシンプル構造

 長方形のアルミの制震フレームとX形の鉄製アームが一体となって耐震壁としての機能を発揮するホリーの「WUTECH-SF」。国土交通大臣認定の壁倍率2.6も取得し、30~40坪程度の木造在来工法の住宅で4基設置すれば、効果を発揮するという。配置に関しては、平面図と立面図をもとにして同社が提案するので安心。デザイン性に優れているため、スケルトンにして見せる設置例もある。なお、2×4工法用は今夏に発売予定だ。

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ホリーのブース(左)と耐震・制震壁「WUTECH-SF」。長方形のアルミ製制震フレーム
とX形の鋼製パイプのシンプル構造がよくわかる。

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●環境負荷の少ない素材で付加価値を高める

 エコなだけでなくサスティナブルで、しかも地域経済の活性化という点でも注目されている木材の有効利用。今回の展示でもこうしたニーズに応え、「国産材・地域ブランド材ゾーン」が設けられた。また、地域の産物や特性などを生かした自治体による共同出展でもこうした傾向を意識した製品・技術が目立った。

○形状安定化の技術により木の変形を抑える

 針葉樹の木材の細胞壁に安全で特殊な薬剤を注入した「KSウッド」。島崎興産では、木が本来持っている調湿性や木質感を失うことなく、歪んだり割れたり反ったりすることのない形状の安定した木材の開発に成功した。複数枚継ぎ合わせても形状が安定しているため、家具などのインテリア部材はもちろん、壁材となるパネル、床暖房にも対応したフローリングに利用できる。

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島崎興産のブース(左)と形状安定木材「KSウッド」。家具だけでなく、壁材や床材とし
ての用途も増えているという。

○塗布するだけで木の耐久性を向上させる

 木材の耐久性向上を図る技術を提案しているイングス。木材表面に厚さ0.5mm程度のセラミック層を形成することで、木材の劣化を防止するとともに表面強度をアップさせる技術「セラミックシェルカバー」は、すでに腐食した木部でも上から塗布することで交換することなく修復できる。液体ガラスを素材とした「クリスタルウッド」は、素材の表面を塗装によりコーティングすることで防腐や防蟻効果を発揮し、紫外線による色あせを防ぐ。いずれも無機質なので安全性にも優れている。

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イングスのブース(左)と「セラミックシェルカバー」。カラーバリエーションが豊富なので幅広い用途が期待
される。

○快適な室内環境を安全に省エネで実現する

 大村塗料が開発した「キトサンエイト」は、調湿性、抗菌性・抗ウイルス性、防カビ性、消臭性を発揮する内装用塗料。鳥取・境港で大量に廃棄されるカニの殻から得られる成分であるキトサンを利用しているため、環境負荷が少なくシックハウス症候群の心配がない。換気装置のように電気エネルギーを必要とせず、24時間365日快適な室内環境を維持することができ、住宅だけでなく病院や学校などでの実績が多数ある。

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キトサンが持っている機能を発揮する
「キトサンエイト」を提案している大
村塗料のブース。鳥取県産業振興機構
のメンバーとして出展した。

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●外装材だけでなく内装材や浄化機器にも利用される光触媒

 太陽光のエネルギーを利用した発電や給湯は、以前から研究開発が進められていたが、光により分解力や親水性を発現する光触媒の技術が実用化されるようになったには比較的最近のこと。とはいえ、目に見えないものだけに......。そこで、十分な性能を証明するPIAJ認証制度が光触媒工業会によって設けられた。

○テント素材そのものが光触媒機能を有する

 従来の光触媒は、一般的な外装材などの表面に別途コーティングする必要があったが、太陽工業の光触媒テント「ピュリファイ」は、空気清浄化や防汚といった光触媒の機能を有する素材だ。そのため、一般のテント素材と同様に公共施設、プラットホーム、広場などの屋根、ビルや工場などの壁に用いれば、コーティングという工程なくして効果を即座に発揮する。

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光触媒ゾーンの核となる光触媒工業会のブース。
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太陽工業のブース(左)と光触媒テント「ピュリファイ」を紹介するコーナー。

○難しいとされてきた屋内でも効果を発揮する

 光触媒によるセルフクリーニング、抗菌、空気浄化機能は、光のエネルギーの強い屋外ではすでに実用化されていた。日本曹達の「ビストレイター可視光タイプ」は、光が弱い屋内でもこれらの効果を発揮する最新の光触媒技術。酸化チタンに代わる原料とはがれ落ちない薬剤化の技術改良により実現した。今後は、病院や老健施設などでの需要が見込まれる。

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難しいといわれていた可視光タイプの光
触媒を開発した日本曹達のブース。

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●逸品にこだわるニーズに応える製品・技術

 建材に限らず、モノ選びの判断基準として「低価格」は重要なファクターとなっている。近年のデフレ傾向の経済状況の影響ではなおさらと思われがちだが、こだわりの逸品として少々高価でも選ばれる製品・技術は少なくない。

○オーダーメイドのナノテク研磨技術にこだわる

 東京ステンレス研磨興業のハンドワークによる研磨技術はまさにアートだ。よく手入れされた鏡のように光り輝く鏡面仕上げはもちろん、ヘアーラインを巧みに施して幻想的な表情をつくり出すナノテク研磨技術は、家具・インテリア業界からも高く評価されている。同社のアート製品はすべて受注生産。価格は従来の単板の3~10倍と決して安くないが、その熟練の技は海外でも注目されており、受注も増えているという。

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優れた研磨技術によるアートな製品例を展
示するステンレス東京ステンレス研磨興業
のブース。

○浴室グレーチングにもこだわり高級感を演出

 段差がなくて滑りにくく、耐久性・デザイン性に優れていることで定評があるシマブンの樹脂製/ステンレス製の浴室用グレーチング。今回は、上質なバスライフを演出する高級感たっぷりのグレーチング「RAFFINE」の2シリーズを提案した。足裏で踏んだときに温もりと心地よさを感じる「RAFFINE[Wood]」は、無垢のウォールナット製。木質感を損ねないごく薄い塗膜による防カビ処理が施されている。金沢箔で装飾を施された「RAFFINE[Stainless]」は、排水蓋に従来のパンチングによる丸穴ではなく、スタイリッシュなデザインを採用。いずれもこだわりを感じさせる仕上がりとなっている。

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シマブンのブース(左)に展示されている木製グレーチング(右上)と金箔を施したステンレス製
グレーチング。

○オーダーメイドの浴槽でこだわりのバスライフ

 風呂好きの日本人にとって、湯に浸かるための浴槽にはこだわりを持っている人が少なくない。徳毛レジンは、加工の自由度が高いFRPの特性を生かして、ハンドレイアップ成型によるオーダーメイドの浴槽を製造。メンテナンスが楽で衛生的だ。介護施設や宿泊施設での需要のみならず、ユニットバス化することでこだわりの浴室ニーズにも対応している。
 石や木を用いたオーダーメイドの浴槽をというニーズに応え、アステックが開発したのがデザイン浴槽「ERN Series」。浴槽外部に防水性・耐久性の高いFRPを採用し、浴槽内部には十和田石を貼り、框部にはヒノキまたは御影石を用いた本格仕様だ。部材は工場生産するので、現場での施工は短時間で済み簡単。最近では、宿泊施設からのオーダーが増えているという。

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徳毛レジンのブース(左)と加工の自由度が高いFRPの浴槽。ユニットバスとしても販売されている。
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アステックのブース(左)と工場生産されるデザイン浴槽「ERN Series」。

○無垢の一枚板にもこだわりの藍染めを施す

 住宅資材の総合商社ヤマガタヤ産業では、近頃海外でも人気の藍染めをテーブル天板などの家具素材となる無垢の一枚板に施した新シリーズ「藍染」を提案した。店舗や商談スペース、ショウールームでの需要を見込んでいるという。すべて受注生産で納期は約3週間。木目がはっきりとした樹種や部位が美しく仕上がるそうで、フローリング材にも同様の加工を施せる。

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ヤマガタヤ産業のブース(左)と需要が期待される藍染めのフローリング。

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●グッドデザイン賞を受賞した「よいデザイン」の製品やサービス

 特別企画「グッドデザインゾーン」の「特設展示エリア」では、2014年度グッドデザイン賞のうち住宅・建材関連で受賞した商品を展示、「受賞企業エリア」には、歴代グッドデザイン賞受賞企業のブースが出展した。一堂に会しているので、短時間で「見る」「知る」ことができ、タイトなスケジュールの来場者にはありがたい配慮だ。

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特別企画「グッドデザインゾーン」には2014年に受賞した23製品がずらりと並んだ。

○軽く触れて押す、引くだけのワンアクションで開閉

 産業機械・設備用金物ならびにガラス・インテリア金物の製造販売に特化したジョー・プリンス竹下が開発した室内扉用ハンドル「PPP(プッシュ・プル・プレート)」は、レバーハンドルによるトラブルや不都合を解消するために開発された金物だ(2014年受賞)。軽くてワンアクションの操作性とシンプルなフォルムに加え、コンパクトな構造で出寸法が小さく廊下の有効幅を広く使えるのが特徴。現在、新築マンション500世帯で使用されており、リフォームにも対応している。

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受賞企業エリア内にあるジョー・プリンス竹下のブース(左)と受賞の対象となった室内
扉用ハンドル「PPP(プッシュ・プル・プレート)」の機構がわかるサンプル。従来のレバー
ハンドルを取り付けることも可能だ。

○将来を担う子どもたちを育てる取り組み

 ものづくりというプロセスを通じて、子どもたちを啓蒙するとともに、大工職人が地域活動に参加する機会を提供できるという点が評価された、成匠の「ちびっこ上棟式」。実際の木造住宅で使用する構造材を用いて、子どもの背丈ほどのサイズの家の構造体を作るミニチュア棟上げ作業を、大工職人と一緒に行う大工体験プログラムだ。大工職人の仕事を理解してもらい、将来の職人養成も見据えている。

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ちびっこ上棟式の完成キットと関連資料などを展示する
成匠のブース。

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●情報をデジタル化して業務を効率化するソフトやサービス

 大規模な建築物の設計施工では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が導入されるようになっているが、中小規模でもデジタル化は確実に進んでいる。設計段階では3D機能を持ったCADとCG、施工段階では施工の進捗状況の把握、営業には素早い積算と見積もり、竣工後も各工程のデータの管理などを行うソフトの開発やサービスの提供だ。

○アプリケーションなしでスマホでプレゼン

 あらかじめ用意された何種類もの生活シーンをリビングやダイニングといった空間の3D データにまるごとコピーしてコーディネートする室内パース作成ソフト「マイシーンデザイナー」を提案している安心計画。このソフトで書き出したデータをEメールで送ると、PCだけでなくスマホやタブレットでもアプリを使わずに3D画像を好きな角度に回転させてプレゼンできる機能を昨年までのバージョンに追加した。QRコードにも対応しているので、パンフレットなどにかざして同様のことができる。

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「マイシーンデザイナー」だけでなく、「ウォークイン
ホーム・プラス」や「カンタン見積計画」などの便利な
ソフトのプレゼンテーションを行う安心計画のブース。

○工務店の経営全般を支援するサービス

 ダイテックサンズと福井コンピュータアーキテクトが開発した、工務店に必要な業務を統合したトータルシステム「クラウドコンピューティングサービス」。見積書、工事台帳、図面登録、掛仕入、営業推進台帳、工程表・スケジュール、実行予算・利益管理をはじめとする煩雑な作業がクラウドを使って処理できるワンストップのサービスだ。

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ダイテックサンズと福井コンピュータアーキテクトの共
同出展ブース。CAD開発のノウハウとサーバー管理の実
績を生かした工務店向けのサービスを紹介した。

○施主と工事関係者が情報を共有できるサービス

  工程表の作成、図面や工事写真の保存・整理、施工報告書など建築現場の管理に欠かせない作業がウェブを使って効率よくこなせる機能を提供するサービス「ゲンバアイ」(販売・保守の社名もゲンバアイ)。データを施主に随時公開できるだけでなく、工事関係者間で共有することもでき、工事をスムーズに進めることができる。竣工後のデータはメディアに保存または、サーバーに残してリフォームなどで継続して利用することも可能だ。

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ゲンバアイのブースでは、実際のプロジェクトを想定し
たデモを行い、使いやすさを訴求した。

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●省エネであることは製品・技術選びの重要な要素

 2020年までにすべての新築住宅を対象にして、新たな省エネルギー基準への適合が義務付けられる。そのため今まで以上に増えているのが、高い省エネ性能をうたった製品や技術の開発ならびに提案。今回の出展者の中にも、省エネ性能を前面に掲げた展示が少なくない。
 積水ナノコートテクノロジーの「スマート窓クール」は、ナノ金属コーティングを施したネットを窓ガラスに装着すると遮熱効果により、室内の気温上昇を抑える(夏で2℃)効果を発揮。網状になっているので、窓枠に取り付ければ網戸がわりになり風を通し、エアコンに頼らず省エネ快適を実現する。
 サワヤの「冷えルーフ」は、工場や倉庫などの金属製折板屋根の上に施工する遮熱シート。光を遮るとともに、シートと屋根の間に空気層・通気層を生み出し屋根をクールダウンする。また、冬は空気層が断熱材の役割を果たすので寒さ対策になるという。
 ルーバーテックの「ソーラートラッカー」は、既存の電動式角度可変ルーバーの角度を太陽の位置に応じて自動制御する太陽光追尾装置。従来のセンサーは面で光を感知していたが、本システムではライン状のセンサーで感知し機構がシンプルなのでコストダウンを図ることができた。

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積水ナノコートテクノロジーのブース(左)では、窓枠にワンタッチで
取り付けるだけで遮熱効果を発揮するフレーム付きのタイプも紹介した。
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サワヤのブースでは金属製折板屋根の
実物大模型を展示し、遮熱をはじめと
する「冷えルーフ」のメカニズムを紹
介した。
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電動ルーバーと連動させる太陽光追尾装置を開発したルーバーテックのブース(左)。光の変化をとら
えるセンサー(中)とその情報をもとにしてルーバーを制御するシステムを紹介した。

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●「新しい素材」を求めている来場者の期待に応える

 本展示会では、これまであまり注目されていなかったもの、参考出品では見かけたものの認可に時間を要したもの、安定して生産化するのがむずかしかったものなど、磨けば光る玉のような新たな素材や待ちに待った製品・技術がしばしば登場する。
 太陽工業の「ETFE」は、ガラスに代わるフッ素樹脂フィルム。可視光透過率は90%を超える透明性ながらもガラスのように衝撃で割れる心配がない。超軽量で地震に強く、耐光性に優れ、複層ガラスと同等の遮熱・断熱性能を発揮。商業施設や公共施設のフィルム膜構造の壁や屋根などへの使用が期待されている。
 チヨダウーテの「AQUAPANEL」は、石膏ボードが使えない水まわりでも使えるセメントボードの不燃材料。乾式工法で工期が短く、現場でR=1000mmの曲面加工が容易なことから、プールや老健施設の浴室、商業施設などの厨房やトイレでの実績が多い。また、タイルや石材を直接貼り付けることも可能だ。
 ウイングの「パリトーン」は、吸水率ゼロの結晶化ガラス。水を吸わないためトイレの小便器の下に貼る汚垂石としてよく見かけるはず。硬くてガラス素材なので、外壁に用いる窓と同時に清掃できる。カラーバリエーションが豊富で光を透過することから、デザイン性の高い利用方法が期待されるところだ。
 イープロセスの「DRボード.JP」は、火力発電の際に出る灰(フライアッシュ)を素材とした建材。軽くて耐火性に優れ、表面に印刷できることから大理石調のデザイン性を発揮する。素材自体に遠赤外線効果もあるため、暖房器具と併用することでより暖かく快適な空間を省エネで実現することが可能だ。

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新開発のフッ素樹脂フィルム「ETFE」
を大胆に用いた太陽工業のブース。
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チヨダウーテのブース(左)では、曲面にも施工できる不燃下
地材(セメントボード)のわかりやすい展示が行われた。
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ウイングのブース(左)で展示されている「パリトーン」。便器
との組み合わせを見ると誰もが知っている素材だと気付く。
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イープロセスのブースでは、遠赤外線
効果に優れたフライアッシュ建材の特
性を生かして、コンパクトなサウナも
設けた。

 

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●「百聞は一見にしかず!」で集客に繋げる実演

 近頃ではウェブを使って情報を入手することが容易だ。そのため、来場者は展示会場に来なくては感じられないものを求めるようになっている。ナレーターによるプレゼンテーション、モニターでエンドレスに流れる動画、法被を羽織っての呼び込みなど、各ブースで集客に工夫を凝らしているが、「実演」のインパクトは絶大だ。
 例えば、女性が高い足場に載り鏝を使って塗り壁を仕上げるオンザウォール、型枠と一体化させる基礎づくりを手際よく進める司コーポレーション、発泡したウレタンフォームを瞬時に固化させ壁に充填する日本アクア、粘土を使って鬼瓦を形作っていく三州瓦、カナダツガ材に打ち込んだ釘が容易に引き抜けないことを体感させるCANADA WOODといったブースでは、来場者も思わず足を止めて見入ってしまう。

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女性でも簡単に塗れることを見せる
オンザウォールのブース。
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基礎と型枠を一体化させて施工する様子を
見せる司コーポレーションのブース。
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硬質ウレタンフォームを発泡さ
せて充填する様子を見せる日本
アクアのブース。
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瓦職人が粘土で鬼瓦を作って見せる三州瓦
のブース。
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カナダツガ材に打ち込ん
だ釘を来場者に引き抜い
てもらい、簡単には抜け
ないことを体感してもら
うデモを行うCANADA
WOODのブース。

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●注目度の高い各種セミナーを実施

 専門家を講師として招いたセミナーが4日間で計7回開催され、毎回多くの受講者で賑わった。プログラムは以下のとおりだ。

  • 日経ホームビルダーセミナー 「築古賃貸物件を満室に」
  • 「グッドデザイン賞から考えるこれからの住まいのデザイン」
  • 先進的なリフォーム事業者表彰・シンポジウム 「ベストプラクティスから見るリフォームビジネス拡大の展望 ~先進的なビジネスモデルを駆使したリフォーム産業のあり方~」
  • 「健康・省エネ住宅最前線」
  • 光触媒工業会(PIAJ)セミナー 「光触媒の建築への応用について」
  • 日経アーキテクチュアセミナー 「ストック時代の建築の新しい仕事」
  • 「インテリアの素材活用と幅広い表現手法を探る」
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3月6日(金)に開催されたセミナー「インテリア素材を効果的に魅せる最新照明のツボ」(会議棟7F/10:15~
11:00)の様子。河原武儀氏(ライティングコンサルタント、インテリアコーディネーター)による照明に関す
るレクチャーを受講者は熱心に聴きいっていた。
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