2019年3月6日 会場レポート

住宅・店舗・ビル用の各種建材をはじめ、設備機器やソフトウエア、工法、関連サービスなどを幅広く紹介する国内有数の建築総合展。最新の建材・関連製品に加え、建築現場の省力化・作業効率化を推進する点検・調査用のロボットやドローン活用提案。インバウンド需要にも対応した進化する建材なども紹介。今回は、「グッドデザイン賞」を受賞した建築・建材関連商品などを紹介する特別企画「GOOD DESIGN Biz ZONE」も開催中。

実際に展示会場を巡ったレポーターが、製品を体験したり、説明を聞いたりしたブースを紹介する。

【TOTO】

TOTO01

TOTO は、独自の光触媒技術「ハイドロテクト」を展示。これは、光触媒である酸化チタンの特性を引き出し、空気浄化やセルフクリーニングなど、環境に役立つ効果を生み出すもの。ブースでは、ハイドロテクトを応用した、公共トイレ向けの汚垂れ陶板「ハイドロセラ・フロア」を紹介している。

TOTO02

公共トイレは、使用頻度が多く、どうしても尿汚れが発生しがち。しかし、ハイドロテクトの抗菌効果は、臭いの原因であるアンモニアの発生を抑制。目地の汚れも低減するため、掃除も楽になるという。

TOTO03

小便器下専用の「ハイドロセラ・フロア PU(薄型)」は厚さわずか約 6mm という薄さが特徴。病院や高齢者向けの施設など、段差が問題となるトイレにも適している。

TOTO04

「ハイドロセラ・フロア PC」は腰掛便器下専用の床材。男性が立ち姿勢で使用した際に、腰掛便器下に広がる臭いや尿シミの対策に効果を発揮する。

【宮吉硝子】

宮吉硝子01

ブースの上部に 1,300 枚のガラス様のデコレーションがきらめく宮吉硝子のブースでは、マルチシステムファサード「コンシェルジュエントランス」を紹介。

宮吉硝子02

タッチパネル式のガラス一体型デジタルサイネージを用いて、自動ドアの開閉、調光、ブラインド、サイネー ジコンテンツの掲出などをタッチパネルで簡単に操作できるシステム。オフィスエントランス、共用住居エント ランスをはじめ、店舗や工場、セキュリティーゾーン、無人化・省力化店舗などでの展開が可能となっている。

【和紙来歩】

和紙来歩01

手漉和紙を扱う和紙来歩は、和紙とアクリルが融合した製品を紹介する。フランスの Dacryl 社と提携した、クリスタルのような透明度でガラスの 10 倍強度があり、重量は 1/2 というアクリル建材を紹介。植物、ミネラル、テキスタイル、金属などを内包したデザインがライトに照らされ独特の陰影を映し出す。

和紙来歩02

越前の手漉き和紙を挟んだ大型ボードからもれる明かりは柔らかく、ホテルのラウンジなど雰囲気のある共用スペースの演出にも最適。

【畳でおもてなしプロジェクト】

畳を含む日本文化を国内外へ発信する「畳でおもてなしプロジェクト」。畳業界の機械メーカーから畳店、農家までが集まり、企業ごとにさまざまな展示を行っている。

畳でおもてなしプロジェクト01

建築デザイン事務所「noiz」と明治 35 年創業の畳製品製造会社「国枝」は、ヴォロノイ畳「TESSE」を共同展示。独自開発の技術により、空間の形状や面積に合わせ、多角形の畳を組み合わせて敷き詰められる製品で、敷くスペースのサイズを問わない点をアピールしている。

畳でおもてなしプロジェクト02

畳縁の生産で国内シェア日本一の 35%以上を占める髙田織物では、1000 種以上という商品の中から、選りすぐりの商品を見ることができる。

畳でおもてなしプロジェクト03

いぐさのほかにもポリプロピレンなどを素材とした各種の畳も用途に応じて紹介している。「わんにゃんスマイル畳」はフローリングよりも柔らかく、滑りにくいため住宅のペット用スペースに最適。畳には塩ビレザーに抗菌・防臭加工も施されており、ペットと暮らす快適空間をサポートする。

【大和ハウス工業】

大和ハウス工業01

大和ハウス工業は狭少空間点検用ロボット「moogle evo(モーグル エヴォ)」を展示。住宅の定期点検や現況検査、耐震、シロアリ診断などを遠隔操作で行える「moogle」に、橋梁や高速道路などのインフラ点検に必要な機能を追加した新モデルだ。

大和ハウス工業02

光学 36 倍程度(デジタル最大 288 倍)のズーム機能を持つ高性能カメラや、150mm までの段差を乗り越えられる機動性は必見。

大和ハウス工業03

ブースでは実機デモンストレーションを行っており、カメラの映像や段差を乗り越える様子を確認することができる。すべて無線による遠隔操作が可能となっている。

(※会場レポートをpdfでご覧になる場合はこちら