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連載コラム

環境に配慮した建材 WPRC (木材・プラスチック再生複合材)

[ 2012年5月16日 ]

標準化委員会 WPRC部会

1.WPRCとは

 WPRC(Wood Plastic Recycled Composite:木材・プラスチック再生複合材)は、環境に配慮し、持続可能な資源循環型社会の実現を目指して開発された建材である(図1参照)。
 WPRCの主原料は、①廃棄物として発生した木質原料(例えば、住宅建築解体廃材、工場廃材、未利用間伐材等)を粉砕微粉化したもの、②産業廃棄されたプラスチック原料(例えば、熱可塑性プラスチック端材、家電リサイクル材、容器包装リサイクル材等)である。これらを加熱複合化し、用途に応じた様々な形状に成形して用いる(図2参照)。

図1 持続的資源循環型社会実現のイメージ図1 持続的資源循環型社会実現のイメージ

図2 様々な断面形状のWPRC例図2 様々な断面形状のWPRC例

2.WPRCの特徴

 WPRCは、木材とプラスチックの性質を合わせ持っている。JIS A 5741「木材・プラスチック再生複合材」に適合するものは、次の特徴を有する。
 1)高い環境性能
  ・主要な原材料は、リサイクル材
  ・使用後は、繰り返し原料として使用可能(多回リサイクル性を持つ)
  ・省資源化、廃棄物削減に寄与し、間伐材の利活用により、森林保全、炭素固定等に役立つ
 2)高い安全性
  ・ホルムアルデヒド放散量、有害物質溶出量等に関する安全基準を満たした安全素材
 3)安定品質による高い信頼性
  ・環境配慮性、強度、耐久性、安全性等をクリアし、且つ押出し成形による安定した性能を   持つ工業製品素材
 4)メンテナンス容易な経済的製品素材
  ・天然木材と比較して、寿命が長くトータルライフサイクルコスト削減可能な製品素材

3.WPRCの施工実績例

 WPRCは、主にエクステリア分野における住宅、学校教育施設、公共施設用デッキ、公園施設用パーゴラ、ベンチ、遊具、建築壁面用ルーバー等々多様なニーズに対応できる(下図参照)。

図3 屋上テラス図3 屋上テラス

図4 デッキ材図4 デッキ材

図5 学校廊下図5 学校廊下

図6 壁面ルーバー 図6 壁面ルーバー 

4.WPRC部会の発足と普及広報活動

 我が国の環境志向とリサイクル志向を機に、2000年以降原材料にリサイクル材を用いたWPRCが開発され、屋外用製品素材として市場の注目を集めた。しかし、WPRCは原料がリサイクル材であるとの理由から品質等の疑義が払拭できず、信頼性の確保が最大の課題となった。
 このような状況を打開し、環境配慮型製品素材の普及促進に資するとの観点から環境JISとしてWPRCをJIS化する必要性が生じた。そこで、素材としてのJIS原案作成支援並びに制定された後の素材JISのフォロー、引き続き取り組むことになった試験方法JIS化、製品JIS化等の活動を関連業界が支援するため、国のバックアップを得て2005年に本建材・住宅設備産業協会内にWPRC部会を設置し、JIS化支援活動を開始した。2006年4月には主として環境配慮性を規定した素材のJISとしてJIS A 5741「木材・プラスチック再生複合材」が制定され、引き続き2010年4月にはJIS A1456「木材・プラスチック再生複合材の耐久性試験方法」が制定された。更に、2011年からは、3年計画で製品JIS化事業がスタートした。
 現在当部会は、17社の会員企業及び大学・研究機関等からのアドバイザー等で構成され、WPRCの標準化、適正な市場形成ならびに業界の健全なる発展の為に広範な情報交換の場を提供すると共に、当該製品の普及・啓発活動を通じて、持続的資源循環型社会の実現に寄与することを目的に活動している。

【活動成果例】
○JIS化支援活動
  ・JIS A5741「木材・プラスチック再生複合材」制定及び改正
  ・JIS A1456「木材・プラスチック再生複合材の耐久性試験方法」制定
  ・木材・プラスチック再生複合材 製品JISの開発
○会員企業のJIS認証取得支援
○経済産業省委託事業「カーボンフットプリント制度試行事業」への対応
○当該製品の適切な使用方法を普及するための「製品ガイドライン」の策定
○政府広報活動への対応(テレビ広報番組、霞ヶ関夏休み子ども見学デー等への参加)
○環境教育の一環として小中学校、大学等での出前授業の実施

【問い合わせ先】
(一社)日本建材・住宅設備産業協会  標準化委員会 WPRC部会  事務局 神代圭輔
TEL:03-5640-0901 FAX:03-5640-0905   E-mail : kojiro@kensankyo.org


(一社)日本建材・住宅設備産業協会より〜建材業界の最新動向
執筆者:(一社)日本建材・住宅設備産業協会

(一社)日本建材・住宅設備産業協会は、昭和24年に(社)日本建設材料協会として発足し、 昭和63年に建材産業全般に関わる企業・団体を横断的に広く関係を取り持つ役割を担うべく、(社)日本建材産業協会 (経済産業省認可)へと改組・改名しました。そして、平成17年(社)日本住宅設備システム協会の事業を引き継いだ際、(社)日本建材・住宅設備産業協会へと改名し、平成24年4月1日に一般社団法人へ移行しました。協会独自の自主委員会による事業に各種補助・委託事業を加え、調査統計、技術動向の情報収集、建材の標準化、品質保証、省エネ・環境など各種事業を行っています。

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