連載コラム

グリーン建材普及促進基盤構築調査事業への取り組み

[ 2013年5月29日 ]

国際委員会 グリーン建材普及促進委員会

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会(以下、建産協)では経済産業省産業技術環境局基準認証政策課より平成24年度国際エネルギー使用合理化等対策事業(省エネルギー等普及基盤構築支援調査事業)を受託し、平成24年度から25年度の2ヵ年事業としてグリーン建材普及促進基盤構築調査事業に取り組んでいる。

事業の目的と目標

本事業は、地球温暖化抑制等の環境保護の一環として注目度が高く、また、市場成長性も高いエネルギー分野において、省エネルギー、新エネルギー領域に関する日本の良質な建材製品(グリーン建材)を、成長著しいASEAN諸国及び中国、韓国に普及・展開するための基盤構築を目的とする。
窓関係製品規格及び遮熱・断熱性能評価方法に関して、中国及び韓国の国家標準化機関、試験・認証機関などに対して、各国の国家標準案の策定に向けた支援、その国家標準案に基づく適合性評価を適正に実施するための技術協力支援、並びにこれらの国家標準案及び適合評価制度を各国の省エネルギー政策に活用させるための協力を実施する。また、省エネルギー等の性能の優れた良質なグリーン建材を普及するために、対象国のグリーン建材に関する基準認証制度に関する取り組み、現状を把握することにより、日本のグリーン建材を普及させるための課題を抽出し、具体的対応策を提言としてまとめる。
これら事業遂行のため、建産協 国際委員会のもとに「グリーン建材普及促進委員会」を新たに設け、「窓協力分科会」及び「基盤調査分科会」を設置した。「窓協力分科会」では、窓関係の性能評価試験等実施のため、独立行政法人建築研究所との協力関係で進めることとし、「基盤調査分科会」では、調査委託機関として株式会社野村総合研究所の協力を得た。

事業概要1:窓関係製品規格及び遮熱・断熱性能評価方法の規格化プロジェクト

 日本では、遮熱性能計算法についてはISO 15099(Thermal performance of windows, doors and shading devices-Detailed calculations)をベースとしたJIS原案を作成し、JIS化及びISO化(ISO改正の再提案)を目指した受託事業を建産協ですでに実施中である(平成23年度から3年間)。また、断熱計算法では、ISO 10077(Thermal performance of windows, door and shutters-calculation of thermal transmittance)をベースとしたJIS化(JIS A 2102:窓及びドアの熱性能 - 熱貫流率の計算 - )は既に完了している。
一方、中国及び韓国においても日本と同様の評価試験装置を導入することに積極的であり、韓国では、窓関係規格においてJIS規格を積極的に取り入れ、韓国規格(KS)化する動きが盛んである。この規格化の動きは、日本の関係機関の協力により、窓の遮熱性能評価装置開発がすでに始まっている。
本事業では、既に国内において進められている標準化の動きと同調して、JIS規格、ISO規格に関する相手国の標準・認証機関、建築関係技術機関、省エネ政策機関等の理解をさらに深め、本規格に基づく各国の規格化を推進するとともに、試験認証機関に対する技術的協力を通じて、本規格の試験等を適切に実施できるようにする。


【 平成24年度活動内容 】

1. 第1回ワークショップ 平成24年11月30日(金)~12月3日(月)  中国(北京)
1) 参加者
中国建築科学研究院(CABR)、韓国建設技術研究院(KICT)、建産協 グリーン建材普及促進委員会(窓分科会)委員、建産協 窓の遮熱性能計算・試験方法JIS原案作成委員、他
2) 実施内容
ワークショップ国際会議、施設視察(中国建築科学研究院、中国国際門窓城)
3) 目的
(1) 各国の窓関係規格及び測定法等の現状紹介と相互理解を深める
(2) ISO策定に向けた統一規格策定のための意思確認と課題検討




2. 第2回ワークショップ 平成25年1月29日(火)~2月1日(金)  韓国(ソウル)
1) 参加者
中国建築科学研究院(CABR)、韓国建設技術研究院(KICT)、建産協 グリーン建材普及促進委員会(窓分科会)委員、建産協 窓の遮熱性能計算・試験方法JIS原案作成委員、他
2) 実施内容
ワークショップ国際会議、施設視察(韓国建設技術研究院、Zero Energy Dream Center、Window Exhibition Center)
3) 目的
(1) 中国の規格及び測定評価方法等の現状紹介
(2) 日韓両国のラウンドロビンテスト結果の照合




3. 技術研修・交流会 平成25年3月6日(水)~3月9日(土)  日本(つくば)
1) 参加者
中国建築科学研究院(CABR)、韓国建設技術研究院(KICT)、建産協 グリーン建材普及促進委員会(窓分科会)委員、建産協 窓の遮熱性能計算・試験方法JIS原案作成委員、他
2) 実施内容
個別議題審議、光源の分光スペクトル測定実習及び分光スペクトルセミナー、施設視察(建築研究所、LIXILショールーム)
3) 目的
(1) 光源分光スペクトルの重要性認識のための測定実習とセミナー
(2) ISO提案に向けた取り組みの合意
(3) 中国の遮熱測定規格案及び中国で主に使用されている計算ソフト(MQMC)紹介
(4) 日韓ラウンドロビンテスト結果



【 平成24年度のまとめと今後の展望 】
日本・韓国・中国間のワークショップ国際会議を通して、(1) 各国規格化状況、測定装置の実態等の相互認識を得るとともに、JIS規格をベースとした日本の規格や方式に基づく共通化に向けた共通認識が得られたこと、(2) その結果、ISO規格への提案を行う3ヵ国合意が得られた。
今後は、これらの経験を活かし、中国・韓国とも連携をとりながら、ISO提案の具体化に向けた取り組みを進め、提案を行う予定である。

事業概要2:ASEAN各国のグリーン建材に関し、JIS規格を浸透普及するための現状調査と提言


日本の高性能なグリーン建材をASEAN諸国に普及するに際し、各国の対象製品の規格等の現状、認証制度、環境基準等の実態を把握し、日本製品の普及拡大に向けた課題と展開についての基礎調査活動を実施するとともに、新たな基準認証制度普及の協力に関する方法も含み、その足がかりとなる取り組み方を提言する。
具体的には、ASEAN諸国に対し、対象製品の規格、認証制度、環境基準の実態を把握し、日本製品の普及拡大に向けた課題と展開のための基礎調査活動を実施するとともに、日本製品の普及拡大の足がかりとなる取り組み方を提言する。
(1) 調査対象国 :ベトナム、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア
(2) 調査対象商品 :窓、遮熱塗料、断熱部材、水回り製品
対象商品に応じた規格、認証制度等の国別実態把握と個別品目の深掘調査を行い、対象国、対象商品を絞り込んだ上で、ワークショップ活動等を含む次年度活動につながる足かがりを得る。
【 平成24年度活動内容 】
対象国としてインドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアの5ヵ国を選定し、海外現地調査を実施すべく、グリーン建材規格に対する各国のニーズ、規格情報、規格制定プロセス、規格関連機関及び建築情報等の収集を行った。その結果、更に詳しく調査を行うため、インドネシア、タイ、ベトナムの3ヵ国で現地調査を実施することとなった。
1. 第1回海外現地調査 平成24年11月28日(水)~12月4日(火)
1) 参加者
株式会社野村総合研究所
2) 訪問国と調査対象機関
ベトナム :ベトナム建築材料研究所(VIBM)
タイ :タイ工業製品規格局(TISI)
インドネシア :インドネシア工業省(MOI)、インドネシア塗料工業会(APCI)、インドネシア貿易省(MoT)、インドネシアセラミック製品工業会(ASAKI)、等
2. 第2回海外現地調査 平成25年2月19日(火)~2月22日(金)
関係機関(企業・団体)のニーズ調査と第1回海外現地調査結果を踏まえ、当該委員の同行により、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、深掘調査及び相互交流会を実施した。
1) 参加者
基盤調査分科会関係委員等、株式会社野村総合研究所、現地日系法人(JETRO他)、他
2) 訪問先
ベトナム :ベトナム建築材料研究所(VIBM)
タイ :タイ工業製品規格局(TISI)
インドネシア :インドネシア工業省(MOI)、インドネシア塗料工業会(APCI)

【 平成24年度のまとめと今後の展望 】
一連の調査活動と現地訪問・交流を通して、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールのグリーン建材に関する規格・試験認証等の現状が整理された。さらに、グリーン建材規格整備に向けた取り組みが進んでおり、日本製品や建材規格に関心が高いベトナムとの間で、(1) 窓の遮熱性能に関する規格共通化の取り組み、(2) 塗料試験方法に関する高日射反射塗料の規格及び試験方法の整備、(3) グリーン建材認証制度導入に向けた取り組み、についての覚書締結の合意に至った。このうち、「窓の遮熱性能に関する規格共通化の取り組み」については、既に進めてきた日中韓の活動と関連づけた活動も検討していく必要がある。
今後は、このような成果をもとに、ベトナムを主体に、タイ及びインドネシア等の関係国の参画も視野において、相手国関係機関との協力関係の構築等を進めるとともに、さらなるニーズ掘り起こしを行い、JIS規格の展開を行う予定である。

(一社)日本建材・住宅設備産業協会より〜建材業界の最新動向
執筆者:(一社)日本建材・住宅設備産業協会

(一社)日本建材・住宅設備産業協会は、昭和24年に(社)日本建設材料協会として発足し、 昭和63年に建材産業全般に関わる企業・団体を横断的に広く関係を取り持つ役割を担うべく、(社)日本建材産業協会 (経済産業省認可)へと改組・改名しました。そして、平成17年(社)日本住宅設備システム協会の事業を引き継いだ際、(社)日本建材・住宅設備産業協会へと改名し、平成24年4月1日に一般社団法人へ移行しました。協会独自の自主委員会による事業に各種補助・委託事業を加え、調査統計、技術動向の情報収集、建材の標準化、品質保証、省エネ・環境など各種事業を行っています。

バックナンバー

PAGE TOP