建築・建材展

建築・建材展 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 東京ビッグサイト
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パナソニック、住設開拓に系列店パワー、1000店先陣、後続に支援厚く(針路解剖)

 2013年3月期まで2期連続で7500億円を超す最終赤字を計上したパナソニック。収益力の改善を目指して家電中心の会社から脱皮し、住宅や自動車関連製品に成長を見いだす方針を打ち出した。それに伴い、これまで家電販売を下支えしてきた全国1万8500の系列電器店はどうなるのか。

 大阪市の都心部からで電車で約30分。大阪府枚方市の住宅街にあるパナソニック系列の電器店「ローズ電化」の店先には「太陽光発電・リフォームご相談承ります」と書かれたのぼりが立つ。

 コンビニエンスストアほどの広さの店内にはテレビや白物家電に加え、太陽光パネルの見本やキッチンを展示。「9月は売り上げの半分ぐらいがリフォーム関連」と平垣内勉代表は話す。塗装やトイレの改修の依頼が相次ぎ舞い込むという。

 デジタル家電の販売が振るわないなか、リフォームや太陽光関連商品はパナソニックが最も力を入れている商材だ。地域の住宅を熟知した系列店はこうした商品を売るのに適しているとみて、パナソニックは12年から、リフォームなどに力を入れる系列店を「ネットワーク&エコハウス(N&E)」として分類。通常の系列店よりも販促物の提供や研修などで優遇する施策を始めた。

 1万8500ある系列店のうちN&Eは現在、約1000店。もともと系列店のなかで有力だった電器店も多く、13年3月期は全体での販売額が前の期比10%減だったのに対し、N&Eの店だけでみると2%減にとどまった。

 パナソニックの系列店は1983年のピーク時には2万7200店あったが、家電量販店の成長や後継者不足で店舗数は右肩下がり。同社の系列店に限らず、地域の電器店も減少傾向は同じだ。11年の地上デジタル放送移行を機に地域に密着した電器店の役割は見直されつつあるが、量販店やネット通販との競合で経営環境は厳しい。

 パナソニック子会社、パナソニックコンシューマーマーケティングで系列店向けの施策を担当する高橋秀典氏は「N&Eは地域店が目指すべき姿だ」と断言する。「N&Eを目指す系列店にはもっと手厚く支援する」といい、工事の技術アップなどで支援し、16年3月にはN&Eを2000店に増やす目標だ。

 もっとも、リフォームなどの住宅分野では家電とは別の競争が待ち受けている。家電では圧倒的な商品群を持つパナソニックだが、住設関連ではLIXILグループやタカラスタンダードのような別のライバルが存在するためだ。

 メーカーの競合が進むのと同時に、家電量販店最大手のヤマダ電機が住宅メーカーのエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)を子会社化したり、エディオンがLIXILグループの出資を受け入れたりするなど、量販店も住宅分野に活路を見いだそうとしており、必ずしも地域店が優位な状況とはいえない。

 大阪府内にあるパナソニック系列店オーナーは「パナソニックには使いやすいキッチンなど他社にはない製品を出してほしい」と話す。別のオーナーは「もっと安い価格でリフォーム用品を仕入れられるようにしてほしい」と訴える。

 パナソニックは今後の成長戦略の柱として、19年3月期までに太陽光やリフォームなどの住宅関連事業を13年3月期比約7割増の2兆円に拡大する目標を掲げた。系列店はこれを実現するうえで欠かせないルートになりそうだ。

 どうすればより多くの住宅関連商品を系列店経由で売り、かつ系列店の繁栄にもつなげられるか。販売や施工の現場で動き回る店の声にもっと耳を傾ける必要もありそうだ。

(岩本健太郎)

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