建築・建材展

建築・建材展 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 東京ビッグサイト
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飯田グループホールディングス社長西河洋一氏――住宅市場低迷、利益どう確保、規模生かし土地購入費下げ(焦点インタビュー)

 飯田グループホールディングス(GHD)は土地と建物をセット販売する低価格の建て売り分譲住宅を主力とする住宅メーカーだ。積水ハウスなどと比べると知名度は低いが、戸建て販売棟数は年間約4万1千戸と国内勢首位につける。少子高齢化で先細りが避けられない住宅市場。消費者心理を冷やす恐れがある消費税の10%への引き上げも迫っている。住宅市場の現状や今後の成長戦略などについて西河洋一社長に聞いた。

 ――足元の住宅市場はどのような状況ですか。

 「リーマン・ショックで住宅需要が落ち込み、その後も消費増税で消費者心理が冷え込んだ。市場全体の調子は良くなく、『中の下』といったところではないか」

 「当社の分譲住宅も売れ残る在庫が増え、値引き販売などで採算性が悪化した。ただ足元ではグループ各社でスケールメリットを生かし、土地の情報を共有して購入費用を下げ、値引き販売も抑制。利益水準は改善しつつある」

 ――消費税率が5%から8%に引き上げられた際は駆け込み購入はありましたか。

 「分譲住宅より総じて価格が高い注文住宅では駆け込みが顕著だった。一方、分譲住宅は初めて家を買う若い世代が中心顧客だが、所得の伸び悩みもあってか駆け込みは乏しかった。税率が10%に上がる際も駆け込み需要は期待しにくい」

 「今後は高齢化に伴う労働力人口の減少と人手不足が進む。若い世代の賃金が上がれば住宅の購入意欲が高まる。賃上げにつながる政策にも期待したい」

 ――2013年秋に同業6社が統合して飯田GHDが誕生し、2年が過ぎました。統合効果は出ていますか。

 「統合前は6社が競合して仕入れる土地の値段もつり上がっていた。統合後、半年くらいで各社の土地などの仕入れや販売の情報を共有できるシステムを作った。営業所別の利益率も分かり、スケールメリットを生かした戦略を立てやすくなった」

 「6社が競うように大都市圏に出していた営業所も、機能が重複したり収益性が低かったりするものを減らして効率化している。まだ営業所を出せていない県もあるので、4〜5年以内に全国進出を完了させたい。社内の人事評価制度は各社で統一できていないので、同じ物差しで評価する仕組みづくりを急ぐ」

 ――消費者との接点拡大や知名度向上にはどう取り組みますか。

 「傘下各社が建てた膨大な数の分譲住宅を一括検索できるサイト『すまいーだ』を昨秋に開設した。また、テレビコマーシャルに歌舞伎俳優の市川海老蔵さんを起用して『分譲住宅、日本一』などのキーワードを訴求し、知名度の向上を目指している」

 ――海外事業については。

 「同業大手に比べて遅れていた。国内が少子高齢化で縮む中で成長のために海外は重要だ。米国やロシア、中国、インドネシア、フィリピンで住宅の建築・販売などを手掛けていく。日本の工法は強度や工期の短さで優れており、世界で通用する。傘下各社が分担して進出し、現地企業のM&A(合併・買収)を進め、平均的な所得層が無理なく買える住宅を提供したい。今後約5年で海外売上高1千億円超えを目指す」

 「ロシアでは建材加工工場を年内にも設ける。強度に優れた木材を安定調達する狙いで、まず日本で使う。今もロシア産材は別ルートで輸入して使っているが、新工場ができれば輸送にかかる時間や費用を大幅に圧縮できる」

(聞き手は大林広樹)

 にしかわ・よういち 現在は飯田GHD傘下に入っているアーネストワンに99年入社。00年社長、13年会長。同年11月から飯田GHD社長。芝浦工大院修了。神奈川県出身。52歳。

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