建築・建材展

建築・建材展 2019 | 2019年3月5日(火)〜8日(金) 東京ビッグサイト
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建設、産業構造に新風――3D活用広がる、ビル設計・管理省力化(マンスリー編集特集)

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催をにらんだ都心再開発の動きが活況だ。ゼネコン各社は最新技術を駆使して建設現場からビルの管理まで活躍の場を広げている。高齢化による人手不足の逆風下で各社は最新のロボット技術を活用した現場の工場化を急ぐと共に技能労働者の処遇改善も推し進めて、産業構造を進化させようとしている。

 コンピューター上に3次元(3D)の構造物を再現し設計や施工に使う「ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)」の活用が広がっている。ゼネコン各社が一斉に採用を始めた「BIM元年」とされる2009年から10年。現在は施設管理まで活用の場が広がる。

 BIMは柱や壁、配管などの詳細な3次元モデルを組み合わせて仮想のビルを作り、実際の設計に利用する技術だ。平面的な従来の2次元図面に比べて、建築現場や本社などでイントラネット上で情報を共有できることから使い勝手が良い。

 竹中工務店は施設管理を手掛ける子会社のアサヒファシリティズ(東京・江東)と共にBIMを使い、バルブの影響範囲や配管状況、電源回路などの建築設備の管理や運用に必要な情報を見える化する技術を開発した。配管から漏水したときにどこのバルブを閉めればいいのか、影響範囲という属性をバルブに与えて可視化することで、緊急時に迅速に対応できる。

 建築設備の管理・運用では従来、数多いバルブやスイッチの場所、影響範囲、操作手順などを把握した上で、作業に当たる必要があり、2次元の図面からこうした情報を読み解くのに膨大な手間がかかっていた。影響範囲はBIM上で色分けされ瞬時に把握できる。

 BIM活用の幅を広げているのは竹中工務店だけではない。大林組は自社で施工を手掛け、グループ会社が保有する東京都千代田区のオフィスビルの「oak神田鍛冶町」で、維持管理履歴など建物に関するあらゆる情報をBIM上に集約するプラットフォーム「BIMWILL(ビムウィル)」を初めて実装した。

 ビムウィルは建物の完成時のBIMモデルに設備機器の稼働情報や建物の修繕履歴、地図や天候情報などを集約。利用状態に合わせて仮想空間であるBIMモデル上の情報が更新され、現在の建物の状況が再現される。建物で不具合が発生した場合、仕様書、点検記録や修繕履歴などを確認する必要がなく、画面上で必定な情報を得られる。

 ビムウィルと同時に建物管理のプラットフォーム「WellnessBOX(ウェルネス・ボックス)」も実装した。建物に搭載した人感センサーやカメラ、照明や空調などの設備稼働データを使い、最適な環境を制御する。2つのプラットフォームを活用して次世代のビル管理のノウハウを蓄積し、国内外の案件への実装を提案していく。

 大成建設は18年10月、BIMを使って作図業務を集中管理する組織「デジタルプロダクトセンター」を約60人規模で発足させた。センターの池田宏俊エグゼクティブ・フェローは「図面の電子化は人工知能(AI)やデータを活用する土台になり得る」と述べ、BIMのさらなる可能性に期待を寄せる。

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