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建築・建材展 2016 | 2016年3月8日(火)〜11日(金) 東京ビッグサイト

住宅販売、ネット駆使、コスト抑え営業効率化――住友林業、トヨタホーム。

住友林業 現場見学会と連動

トヨタホーム 3D空間に展示場

 戸建て住宅各社がインターネット上の3次元(3D)仮想空間を活用した営業に力を入れ始めた。トヨタホームは6月にネット上にバーチャル展示場を開設。住友林業は今年からネット上で同社の住宅づくりを紹介する取り組みを進めている。各社とも建設・維持管理コストのかかる住宅展示場を減らす傾向にあり、仮想空間の活用で営業力の下支えをめざす。

 6月、トヨタホームがネット上に東京23区をイメージした3D仮想都市「トヨタメタポリス」に同社の"住宅展示場"がオープンした。ここにアクセスすると、同社のポスト団塊ジュニア世代向けの住宅新製品「LQ」の中を実際に歩いて見て回っているような感じを味わえる。

 キッチンやリビングなどの内外装の色や水回りの設備を瞬時に変更、比較検討しやすい。「(仮想空間に登場する自分に見立てたキャラクターの)アバターを自分の身長と同じ縮尺にすることで、実際の室内の広さも分かりやすくした」(営業企画室の松井志夫商品販促グループ長)という。

 6月26日にネット上で開いた開設イベントには想定の2倍近い1350人が参加、同社の担当者を驚かせた。「次回は8月のお盆明けに仮想空間で営業イベントも実施したい」(松井氏)。今はネット上で実際の展示場や商談の予約までを受け付けているが、次回は営業マンの制服をきたアバターを登場させ、そこで商談に応じる取り組みも検討している。

 住友林業も今年に入って同社の住宅づくりをネット上で紹介する「WEB住まい博」を始めた。2月に開催した1回目には約20日間の期間中、1万4104件のアクセスがあった。サイト内に入るには、会員登録が必要だが、実際のサイト訪問者は5650人にのぼった。

 会員登録を求めたのは「本当に住宅を検討している人に訪問してもらいたいから」(営業推進部の磯村敦副部長)。サイト訪問者には営業担当者らがメールなどできめ細かくフォロー。その結果、訪問者のうち「10人に1人は商談に入っている」(磯村氏)。これは実際に会場を借りて実施するイベントと遜色(そんしょく)ない数字という。

 現在は太陽光発電システム搭載住宅などを紹介する2回目の「WEB住まい博」を開催中。今回は、すまい博と並行して実際の完成現場見学会、設計相談会を実施する。「バーチャル」と「リアル」の両方のイベントを絡めることで、営業面での相乗効果を狙う。

 仮想空間はコスト面での利点も大きい。たとえばトヨタホームの場合、1棟分の3D開発費は150万〜200万円。実際に展示場を建てるのに比べ、50分の1程度で済むという。

 低コストというメリットから、工務店関連にも動きが出てきた。独自工法の木造戸建て躯体(くたい)を全国の工務店などに供給するエヌ・シー・エヌ(NCN、東京・港)は、このほど住宅ブランド「重量木骨の家」を全国各地で販売する工務店の施工例を3D化して見て回れる「バーチャルタウン」を開設した。

 田鎖郁男社長は「既存の住宅展示場の効率は毎年落ちている」と指摘、ネット重視の姿勢を鮮明にする。

 住宅の主要購買層である20代後半から40代の所得は減少しているが、同世代はネットの利用にはたけている。今後は営業効率化だけでなく、強化策としても、各社のネットや仮想空間の活用の巧拙が問われそうだ。(井上孝之)

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