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水道管、老朽化に商機、積水化学、管内点検の速度3倍、クボタ、設計から建設まで。

[ 2017年2月4日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 水道管メーカーが老朽化が進む水道管の保守・運営事業に商機を見いだす。積水化学工業は水道管内の点検時間を従来の3分の1に短縮できる技術を開発。クボタは自治体に代わって水道管の更新計画作りを請け負う。高度成長期に敷設した水道管は更新期を迎えているが、財政難の自治体の対策は遅れている。点検や業務の効率化に役立つノウハウを生かし、事業拡大を狙う。

 積水化学が開発したのは、水道管内部の老朽度合いを効率よく検査する装置。搭載するセンサーの感度を向上させ、検査速度を従来の3倍に高めた。今春に本格稼働を始める。

 樹脂製の水道管や下水管の補修用樹脂を手掛ける積水化学は自治体から管の定期点検や住民からの問い合わせ業務を受託してきた。すでに大阪府河内長野市とは水道インフラの5年間にわたる運営受託契約を締結済み。新しい点検装置を武器に2019年までに10自治体からの受注を狙う。

 鉄製の水道管を提供してきたクボタは水道管の整備計画の策定を請け負う事業に乗り出す。管や施設の老朽化状況を調べながら、地区や管路ごとに更新スケジュールを作る。施設の設計から建設まで一手に担うことで、新たな収益源に育てる。

 群馬県東部3市5町で構成する事業体から水道施設の建設管理業務の優先交渉権を獲得した。明電舎などと組んで浄水場改修から約40キロメートルの水道管の新設までを手掛ける。事業規模は300億円程度とみられる。この案件を皮切りに自治体向けの営業活動を強化、19年度までに5件の受注を目指す。

 高度経済成長期に全国に張り巡らされた水道管の法定耐用年数は40年とされ、多くの施設や管路が更新期を迎えている。だが人口減などを背景に自治体が更新費用に回してきた住民からの水道料金収入が減少。全国の約半数の自治体が税金で穴埋めしながら運営しており、設備更新まで追いついていないのが実情だ。

 一方で下水管の老朽化による陥没事故は年間約4000件発生しており、対策は急務。政府も15年に下水道法を改正して自治体の下水管点検の強化を求めている。

 水道インフラの更新費用は20年代半ばに年1兆円を超える見通しで、国民1人当たりの負担額が年1万円と現在の2倍に膨らむとの試算もある。積水化学は設計から施工、維持管理までを複数年でまとめて請け負うことで自治体のコストは2割減らせると見る。民間の効率的なノウハウに期待する自治体も増えており、今後も事業参入する企業が出てきそうだ。

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