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マンション大手、共用住宅で稼ぐ、分譲不振で賃貸特化型に力、大京、シェアハウス年4棟、東急不、初の学生寮を都内に。

[ 2017年2月15日 / 日経産業新聞 ]

 マンション大手が共用住宅事業に力を入れる。大京は首都圏で年4棟のペースでシェアハウスの開発を進める。東急不動産は学生住宅事業に参入した。分譲マンション販売が振るわないなか、賃貸特化型住宅は高い入居率を確保しやすく、安定収益が見込める。同分野は開拓余地があるとみて、各社とも住宅事業の多角化を急ぐ。

 共用住宅とは住人同士で食堂をシェアする住宅のことで、シェアハウスや学生住宅などがある。シェアハウスは居住者同士の交流ができ、学生住宅は1人住まいよりも安全だとして人気を集めている。

 大京はマンション大手で初めて、シェアハウスに大規模に取り組む。建設費は1棟(50戸程度)あたり5億円を見込む。

 2年ほど前に1号物件を開発した経緯があるが、シェアハウスの市場が本格的に拡大すると判断。このほど2号物件(総戸数52戸)を東京都世田谷区に完成させた。

 大京のこれまでの主力事業は分譲マンション開発だが、同事業の市況が低迷していることもあり、住宅事業の多角化が不可欠と判断。シェアハウスといった賃貸住宅の開発にも力を入れることにした。

 2016年の首都圏の分譲マンション発売戸数は、業界全体で24年ぶりの低水準になった。一方、シェアハウスの供給戸数は全国で2万戸以上あるとみられ、市場は急拡大している。

 大京はこれまで専業会社に運営を委託していたが、今後は自社グループで担うことも検討する。

 一方、東急不動産は学生寮の開発を進める。東京都豊島区で第1弾の開発を始めた。事業費は約20億円。地上5階建てで総戸数は167戸。18年に完成予定だ。

 月7万〜8万円の家賃は相場と同じだが、別料金ではあるが食事を提供するなどして他の住宅との違いを出す。20年度には年5棟の学生住宅を開発できる体制にする。

 シェアハウスや学生住宅はワンルームマンションと同様、戸当たりの専有面積が10平方メートル台と小さい。通常のマンションよりも1棟あたりの部屋をより多く確保しやすいことから、収益力も高まりやすい。

 さらに快適な居住環境が求められる分譲住宅とは異なり、賃貸住宅は開発可能な用地の幅が広いことも特徴だ。

 各社は分譲住宅で培ったノウハウを、共用住宅の開発にも活用する。大京は防災機能を高めたマンションが売り物で、これをシェアハウスにも生かす。東急不動産も分譲仕様の品質を提供する。

 住宅事業の主力はなお分譲マンションだが、用地不足などから以前のように大量供給は難しい情勢だ。東急不動産の住宅事業売上高は16年3月期で約1200億円。20年度には学生住宅の売上高だけで最低でも100億円を計上する計画だ。(岩本圭剛)

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