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にぎわい戻った高松・丸亀町商店街、次は暮らし改革、居住促す。

[ 2017年5月1日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 高松市中心部の丸亀町商店街が、周辺地域の居住者を増やそうと新たな再開発に動き出した。長年の再開発による商業施設の出店などで買い物客らの通行量が増え、商店街再興の成功モデルとして知られるようになったが、町内の人口は伸び悩んでいる。医療福祉施設やマンション整備のほか、生活利便性を高めるサービスの提供で街中への居住を促す。

 4月1日、日産自動車が無償貸与した2台の電気自動車(EV)が丸亀町商店街で走り始めた。同商店街振興組合が始めたカーシェアリングの実証実験だ。性能テストを経て組合員を対象に貸し出し、事前にインターネット上で予約すれば無料で使えるようにする。

 家族とのお出かけや商品の納品、商店街に来る高齢者の送迎などで利用してもらう。貸与期間の3年間で運用課題を洗い出し、将来は周辺住民でも利用できるサービスにする。

 都市部に比べ公共交通網が発達していない地方では、自動車によるドア・ツー・ドアの移動を想定した郊外の観光施設や店舗も少なくない。自動車を持てば生活の利便性は向上するが「駐車場料金の高さなどから中心市街地への居住を避ける人もいる」(商店街振興組合)。カーシェアの導入で自動車を所有せずに車を使える利便性を生かし、街中の居住者を増やす狙いだ。

 同組合は2001年から商店街を北から南へA〜Gの7街区に分け、再開発を進めてきた。これまでに約300億円を投じA、B、C、G街区の開発を完了。複合商業施設やホテルなどを誘致した。組合は地元地権者らと再開発準備組合を立ち上げ、17年度中にも高松市から事業計画認可を経て、総事業費約60億円の新たな再開発を始める。

 今回の再開発では南北約470メートルの同商店街を挟む大工町と磨屋町を対象に、既存の町営駐車場や店舗などを建て替え居住者の生活や健康を充実させる施設を設ける。

 計画では19年度に東側の大工町の整備が完了。地上9階建ての駐車場に加え、居住者が駐車場代を軽減できるよう50台ほどのEVを導入したカーシェアセンターも設置する。地元生産者らが供給する生鮮食品市場の誘致も想定する。磨屋町では穴吹興産も事業に加わり医療施設などを併設したマンションを21年度までに整備する予定だ。

 「かつては1000人いた」(同)という丸亀町の人口は足元では350人と低水準。これまでの再開発では買い物客や観光客を誘致しにぎわいを生み出した。新たな再開発で生活利便性を高め、未整備街区へのマンション建設などで「将来は居住者を800人程に増やす」(同)。

 商店街活性化の成功例とされた丸亀町。街中の居住を促し、都市機能を集約するコンパクトシティー化でも全国をリードしようと意気込んでいる。(高松支局 北本匠)

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