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清水建設、大型木造建築、独自技術で、耐火木材、梁や柱で認定、公共施設に的。

[ 2017年5月10日 / 日経産業新聞 ]

 清水建設は独自技術による大型木造建築物の建設を始める。自社開発の耐火木材で、国から1時間は燃え切らない梁(はり)としての認定を受けた。すでに柱で同様の認定を得ており、木造で4階建てまで建てられるようになった。建築物への木材利用を促す法律も後押しして木造の公共施設が増えており、耐火性能や施工性の高さをアピールして受注につなげる。

 同社と菊水化学工業が共同開発した耐火木材「スリム耐火ウッド」で、国土交通相から梁に使う認定を受けた。2015年には柱で同じ認定を得ており、柱・梁構造の建物を自社技術だけで施工できるようになった。建築基準法では1時間の耐火部材を使えば、木造で4階建てまで建設できる。

 スリム耐火ウッドは部材表面の「燃えしろ層」と耐火材料部分の「燃え止まり層」、建物の荷重を支える「芯材」で構成。燃え止まり層を強化石こうボードと耐火シートの二重にしたのが特徴だ。

 加熱により発泡して膨らむ耐火シートが断熱効果を発揮。強化石こうボードによる吸熱・断熱効果もあるため耐火性能が高い。燃え止まり層や燃えしろ層の厚さを薄くできることから部材が軽くなり、施工も比較的容易になっている。

 すでに2時間まで燃え切らない部材も技術開発を終えており、17年度中に認定を取得できる見通し。2時間耐火になれば、14階建てまでの建物に使うことができる。

 木造と鉄骨造や鉄筋コンクリート造を組み合わせやすくする技術も開発した。柱と梁を接合する部分に工場で生産した鉄筋コンクリートの部材を使える。柱と柱の距離を20メートル近くまで広げることが可能になるなど、デザインの自由度も増す。

 国は国産木材の利用拡大などを目指して、10年に公共建築物木材利用促進法を施行した。最近では地方自治体などが学校や体育館など木造の公共施設を増やしており、14年度に着工した公共建築物の木造比率は10・4%と、10年度より2・1ポイント高まった。

 この動きを受けて、大林組や竹中工務店などゼネコン各社が耐火木材の開発を競っている。見た目に美しい木造建築物はコスト面の課題を解決できれば、民間を含めてさらに普及する可能性があるとみているためだ。

 ただ、現状では各社とも技術開発が先行しており、建築実績は多くない。清水建設も耐火木材を使った大型建築物の建設実績は無い。独自技術をテコに、17年度中に1号案件の受注を目指す。(岩野孝祐)

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