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技競うプレハブ住宅(1)ロボット、24時間フル生産(軌跡)

[ 2017年5月22日 / 日本経済新聞 大阪夕刊 ]

 工場で家を造る。プレハブ住宅の歴史は関西系企業が切り開き、先導してきた。これまで耐震性や省エネなどの技術を競ってきたが、今後は人工知能(AI)の活用による生産改革や、住む人の健康に配慮した「スマートハウス」化などが新たな競争の舞台になりそうだ。

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 積水ハウスの静岡工場(静岡県掛川市)。低層住宅の骨組みを製造する第3鉄工場では、127台のロボットが24時間体制で稼働し、自動化率は96%強に達した。自動化率を高めたのは人件費を抑えながら品種を増やし、設計の自由度を高めるためだ。工藤正人工場長は「積載効率を考慮しつつ、可能な限り自動化を進める」と話す。工場で生産する部材が大きくなりすぎると、施工現場への輸送効率が下がるからだ。

 1965年に日本初の住宅量産専門工場として稼働した大和ハウス工業の奈良工場(奈良市)。外壁パネルなどを製造する第1工場は2013年の建て替えにより、1人当たりの1時間の生産量を示す労働生産性が約33%向上した。「ラインの設計を変え、ロボットを増やすなど全面的に刷新した」(尾崎学工場長)

 柱、壁など主要な部材を事前に工場で造るプレハブ住宅が登場したのは1960年前後。関西系の大和ハウス、積水ハウスが相次いで参入し、今も2強の座を保っている。

 工場生産の利点は多い。まず品質が安定する。積水化学工業・住宅カンパニーの池田章事業企画グループ長は「例えばヒトによる溶接は、ロボットと比べて技能のバラツキが大きい」と語る。天候に左右される現場での施工日数を短くできることや、ロボットなどの利用で働く人の負担を軽くできることもメリットだ。

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 一方、大手プレハブメーカーの住宅は、工務店が在来工法で建てる住宅より価格が高い。プレハブ建築協会には旭化成ホームズ、ミサワホームなども加盟しており、プレハブ住宅合計の着工戸数は昨年で15万戸弱。住宅総数に占める比率は92年に18%に達したが、ここ数年は15%程度で、やはり価格の要因が大きいようだ。プレハブ大手も量的拡大が望めないなかで、低価格化より高機能化を志向している。

 編集委員 塩田宏之が担当します。

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