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ゼネコン、建設外に収益源、五輪特需反動減に先手、鹿島、200億円で不動産開発、大林組、再生エネに積極投資。

[ 2017年5月25日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 総合建設会社(ゼネコン)が建設事業以外に収益源を広げようとしている。鹿島は国内不動産開発の投資枠をつくり、2018年3月期は200億円を充てる。大林組は再生可能エネルギー事業への投資を進める。20年開催の東京五輪関連の特需で財務が急改善しており、特需の反動減に備えた手を早めに打つ。

 不動産開発は、購入した土地にマンションやオフィスビルを建設したり、取得した既存物件を改修したりして、売却や賃貸で稼ぐ事業。主力の建設事業より利益率が高く、賃貸先のテナントから安定した収入を得られる。

 鹿島は200億円を元手に同事業を本格的に推進する。不動産会社との共同運営も視野に入れる。

 足元では五輪関連や東京都心部の再開発需要で工事採算が高まっており、前期の純利益は前の期比45%増の1048億円と過去最高を記録した。おかげで財務が急改善し、前期末の現預金は3740億円と有利子負債(3729億円)を上回る実質無借金の状態になった。

 前期の配当を年20円と8円増配したが、なお財務余力があるため「建設事業以外の収益源として積極的な不動産の取得を続ける」(高野博信取締役)。

 不動産開発の実績を積み上げており、前期は三菱地所などと共同開発した「勝どきザ・タワー」など大型マンションが収益の押し上げ役になった。バブル経済後に同事業の失敗で大きな損失を抱え込んだ経験があり、一定の投資枠を毎年設けて過剰投資に歯止めをかける。

 大林組は再生可能エネルギーの発電事業に、22年3月期までの5年間で1000億円を投じる。すでに全国で約30カ所の太陽光発電所が稼働している。今後は陸上風力や木質バイオマスの稼働を計画し、洋上風力への進出も検討する。

 前田建設工業は前期に森トラストなどと組み、愛知県にある8つの有料道路の運営権を1377億円で取得した。最長30年が条件だ。上下水道などの運営権獲得も目指し、インフラ運営事業の営業利益を19年3月期に前期の2倍の44億円にする。

 各社が建設以外に収益源を求めているのは、東京五輪関連施設やインフラの整備が終了した後の建設需要が不透明なためだ。業界には「20年以降は国内の需要減退で利益率が悪化する」との懸念があり、業績が好調な今のうちに収益の下支え役づくりに動く。

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