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パナソニック、スポットライト型プロジェクター――ライティング機器ビジネスユニット主務山下昌巳氏(この会社この商品)

[ 2017年5月25日 / 日経産業新聞 ]

景観壊さず映像投映 映す方向自在/光源、瞬時に点灯

 パナソニックがスポットライト型のプロジェクター「スペースプレーヤー」の販売を伸ばしている。高級店や美術館に設置しても、さりげなく壁や棚、床などに映像を投映できる。2016年11月には機能を拡張した機種も投入し、新しい需要を掘り起こそうとしている。ライティング機器ビジネスユニットの山下昌巳主務に戦略を聞いた。

 ――開発の経緯を教えてください。

 「パナソニックは室内照明の国内最大手で、どうすれば室内や展示物を美しく照らせるかという知見を蓄積してきた。調光の研究を進めるなか、映像も映しだせればより多彩な演出ができるという考えにたどり着いた。当社はプロジェクターも製造・販売している。2製品をかけあわせた他社にない独自商品として、14年7月に発売した」

 ――商品の特徴は。

 「従来型の大きくて四角いプロジェクターを空間演出に使う場合、景観を損なわないよう黒い布などで覆っていた。スペースプレーヤーはスポットライトと同じ形状のため、あえて見せる置き方ができる。ケーブルを見せないなどデザインは特にこだわった」

 「美術館や店舗でスポットライトの送電に使う一般的な配線ダクトに工事なしで設置できる。映す方向もスポットライトのように自在に変えられる。水平を保つ必要がある従来のプロジェクターの弱点を克服した。イベント開催時などのレイアウト変更にも柔軟に対応できる。光源にレーザーを採用し、2万時間の長寿命を実現した」

 ――どのような使い方を想定していますか。

 「商品や展示物に映像を直接、映して目立たせる演出ができる。壁に商品情報などを投映することで販促にも活用可能。ある店舗は地下の部屋の壁に窓のようなフレームを映しだし、そこから太陽光が差しこんだり、木々が揺れたりする映像を流すことで店内を明るく演出している」

 ――昨年11月に新機種を発売しました。

 「明るさを2倍の2000〓に高めた。最大の特徴は時間を把握してスケジュールを管理できることだ。室内照明と無線で協調し、朝・昼・夕方など時間の経過に応じて明るさや色、流す映像を自動で変えられる。複数台のスペースプレーヤーの連動も可能で、広い範囲に映像を映せる。それぞれの照らす範囲内を魚や動物が横切っていくような表現もできる」

 「新しい演出の仕方も加えた。光源を瞬時に点灯・消灯できる。サプライズで映像を流すときにもタイミングを柔軟に計れる。映像の一部に円状の空白を設けることで、商品をスポットライトのように強調する機能も加えた」

 ――今後はどう販売を拡大していきますか。

 「顧客と直接やりとりするなかで、思いつかなかった使い方が生まれることがある。映像コンテンツも制作して機器と一体で提供するサービスもあり、飲食業や小売業、公共機関を中心として、顧客の要望により柔軟に応えていく。18年度に年間10億円の売り上げを目指している」

記者はこう見る
高付加価値品
ニーズ把握を

 パナソニックの照明事業の2016年度の売上高は3079億円。このうち約15%が住宅向け、約45%が店舗など非住宅の施設向けだ。同社は非住宅分野を成長戦略の柱の1つに据え、「スペースプレーヤー」のような高付加価値品を多く投入していく。

 足元では既設照明の発光ダイオード(LED)への切り替え需要の獲得競争が激しくなっている。同社は高付加価値路線で価格競争に対抗する方針だが、汎用品よりも顧客層が絞られるため、ニーズを正確に把握する必要がある。顧客のメリットをはっきりと打ちだせれば、事業拡大の余地は広がる。(上田志晃)

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