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鋼材、東北・関東に照準、アイ・テック、福島・相馬に新工場、五輪需要で「受注好調」。

[ 2017年6月6日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 鉄鋼商社・加工のアイ・テックは福島県相馬市で物流・加工の拠点となる新工場の建設に着手した。東北地域への販売を強化するほか、東京五輪・パラリンピックで鋼材需要が高まる関東地方への供給をにらむ。2018年5月に稼働する予定。既存の工場と合わせ、関東圏全域をカバーする体制を整える。

 同社は船舶が接岸する岸壁の隣に加工・物流拠点を設け、1次加工をして取引先に納入する方式に力を入れている。陸送を経ないので輸送費が節約できるうえ、大規模な受注にもスムーズに対応するのが強みだ。

 現在は静岡県の本社と千葉県、富山県の合計3カ所に専用岸壁併設の工場を持つ。相馬工場は相馬港に隣接しており、4カ所目となる。敷地面積は約4万平方メートル。福島県と相馬市からの誘致を受けて設立を決めた。投資額は約40億円。H形鋼などを切断・穴開けし、取引先に発送する。加工と物流の両方を担う工場は東北地方では初めて。

 東北地方では仙台市、福島県郡山市、青森県八戸市の3カ所に営業拠点を展開する。現在190社ほどの取引があるが、資材を千葉や富山から輸送していたため、スケールメリットで費用を抑えられる大規模な受注がほとんどだという。

 相馬工場が完成すればこれまで取り込めていなかった遠方や小規模の事業者にも販路拡大を想定する。

 2020年までには、東日本大震災の復興支援道路として相馬福島道が全線開通する予定だ。今後の高速道路網の整備が進むことを見据え、東北地区だけでなく北関東地方にも迅速に資材を供給できるとみている。

 新工場と既存の3工場でカバーするエリアを組み合わせると「関東を抱え込みできる」。相馬工場のプロジェクトを担う海外事業部の山部剛史次長はこう話す。「東北地方で比較的関東に近い福島などで、五輪需要にからんで建材加工メーカーなどからの受注が好調」といい、相馬市の地の利を生かして、東北地方と関東地方の両方の需要を取り込む考えだ。

 アイ・テックの17年3月期の連結売上高は674億円だった。相馬工場は稼働後3年で年間売上高60億円を目指す。(安芸悟)

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