日経メッセ > 建築・建材展 > ニュース > 家具デザイナー藤森泰司さん――「働き方改革」家具で支える、内田洋行のプロジェクト。

日経の紙面から

家具デザイナー藤森泰司さん――「働き方改革」家具で支える、内田洋行のプロジェクト。

[ 2017年6月7日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 4本の細く長い脚が大きな1枚の天板を支えるシンプルなデザインが特長のテーブルシステム「LEMNA(レムナ)」。意味は浮草だ。「テーブルが床面から浮遊し、根のような細い脚でオフィスを漂っているイメージ」を表現した。

 オフィスで「働く」「学ぶ」「集う」「くつろぐ」など人のあらゆる行動に適応できるテーブルの製品群を内田洋行との協働で発表したのは2009年。8年たった今期、フルモデルチェンジした。「働く環境のめまぐるしい変化に対応するため構造を変え、システムをコンパクトにし、コストを落とす工夫を凝らした」

 「働き方改革」を推進し働きやすい環境を目指す企業の希望に合わせ、構造、製作過程、材料、製品展開から形状、色彩まであらゆる箇所を見直した。

 座りっぱなしによる腰痛の予防や仕事の効率アップなどを考慮し、立って仕事ができる高さ95センチの「スタンディングテーブル」も加えた。カスタマイズを意識し、天板にはメラミンとアクリルの2種類の化粧板や突板、国産材の杉、脚はアルミダイカスト素材で白、黒、シルバー、鏡面のアルミなどを用意した。

 学校生活を共に過ごす机には地域や社会とのつながりが実感できるものをと、内田洋行と奈良県吉野町立吉野中学校でのプロジェクトにも参画。「地域産材で作る自分で組み立てる机」は15年度の「グッドデザイン賞特別賞/未来づくりデザイン賞」に輝いた。

 長く使えるスチール製の脚部、地域の吉野ヒノキ、天板部分は生徒本人だけのものとして入学時に自身で組み立て、卒業時に外して持ち帰ることの3点にこだわった。「天板部分は自立した家具として使える。成人したら一人膳のように日本酒でも飲んでほしい」

 「学童家具を単なる共同消耗品から、地域を理解し大切に使いこなす道具へと昇華させた」と高い評価を得た。「次は小学校のプロジェクト」と意気込む。

(ホームファッションコーディネーター 堀和子)

 ふじもり・たいじ 1967年埼玉県生まれ。91年東京造形大学卒業後、家具デザイナー大橋晃朗に師事。92〜98年長谷川逸子・建築計画工房。99年藤森泰司アトリエ設立。家具デザインを中心に建築家とのコラボレーションやプロダクト・空間デザインを手掛ける。武蔵野美術大学や多摩美術大学などの非常勤講師も務める。

ニュースの最新記事

PAGE TOP