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生コン、1年半ぶり上昇、取引価格、東京、五輪工事本格化で、建設コストの増加も。

[ 2017年6月20日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 主要な建設資材である生コンクリートの取引価格が東京都内で約1年半ぶりに上昇した。2020年の東京五輪競技施設や都心の再開発案件など大規模工事が本格化し、出荷量が持ち直している。需要回復を背景に、値上げ要請を総合建設会社(ゼネコン)が受け入れた。建設コストの増加につながりそうだ。

 主要品種である建築用生コンの東京都内の特約店販売価格は1立方メートルあたり1万3800円前後。前月に比べ200円(約1・5%)前後高くなった。都内の生コンの値上がりは15年11月(同50円前後)以来だ。

 東京都心の生コン製造会社でつくる東京地区生コンクリート協同組合(東京・中央)は14年6月から1立方メートルあたり1000円の値上げを決定。都心再開発や東京都中央卸売市場・豊洲新市場向けの需要が伸び、15年秋までに800円程度浸透していた。

 豊洲市場の工事完了などで出荷が一巡。16年度の東京地区生コン協組の出荷量は276万立方メートルと過去最低水準に落ち込み、生コンを販売する特約店とゼネコンとの値上げ交渉も難航していた。

 今春以降、風向きが変わった。新国立競技場や選手村など東京五輪・パラリンピック関連施設の着工で、同協組の出荷量の対前年増加率は4月は約19%、5月は約18%と2ケタを記録した。

 五輪関連の引き合いに加え、「大規模な再開発工事が多い中央区や港区、千代田区などで需要が多い」(特約店)との声も目立つ。東京生コン協組では、17年度の出荷量を前年度実績比1割強の310万立方メートルと予測している。

 工事量の増加を背景に「値上げに応じない場合、出荷量を絞り込まざるを得ないとの要請を特約店から受けた」(大手ゼネコン)。生コンの確保を優先したい建設会社が、ここにきて値上げを受け入れ始めた。

 生コンの価格上昇は主要な建設資材であるH形鋼の市中価格の反発とあわせ、ビルなどの建設コストの押し上げ要因になる。

 原料のセメントや骨材(砕石や砂)の値上げにつながる可能性がある。生コンメーカーにコスト増加分の転嫁余地が出てくるためだ。既に住友大阪セメントなど大手が、燃料の石炭の価格急騰でセメントの値上げを検討中だ。

 骨材でも需要増を見越し、首都圏の主要な供給元の栃木県内の砕石会社が相次ぎ販売価格の引き上げを表明している。

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