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建設業の生産性向上(3)AIやARで作業効率化(よくわかる)

[ 2017年6月20日 / 日経産業新聞 ]

 ゼネコン各社が建設現場で人工知能(AI)や拡張現実(AR)技術の導入を進めている。省人化や作業効率化で生産性向上につなげる狙いだ。

 大林組はマンションの内装工事の管理にAIを活用する。作業員が撮影した工事現場の写真を分析し、進捗度合いを自動判別する。建設会社の大きなプロジェクトでは、現場事務所で日々の作業の進捗状況を管理している。大林組はこれらの仕事の一部を、AIに任せられないか実験を始めた。

 作業員が専用アプリを入れたタブレット(多機能携帯端末)で内装工事の写真を撮影。写真は同社の技術研究所(東京都清瀬市)のサーバーに送信され、AIが自動分析する。写真を撮影して1秒後に、施工中か施工後かを回答する。

 現時点では写真を撮影する人手が必要だが、ドローンやロボットにカメラを付けて部屋を巡回させたり、作業員のヘルメットにカメラをつけたりすることも検討する。工事の進捗を素早く判別できれば、「次の工事の担当者の手配がしやすくなり、現場の効率化につながる」(同社)と見る。

 大成建設はAIを活用した無人化施工システムを開発する。建設機械が自律走行する制御システムと、作業員との接触を防止する検知システムの開発に着手した。2018年度にも盛り土を固める建設機械で検証する。

 接触防止システムは建設機械にカメラを取り付け、AIが画像データから人か障害物かを検知できるようにする。体の向きから作業員が移動する方向を予測でき、危険回避につながる。基本的なシステムは開発済みで、ノウハウを今後蓄積する計画だ。

 建設現場で現実空間の画像に様々な情報を重ねて表示するAR技術の導入も進み始めている。

 清水建設はARを活用し、地中の水道管やガス管をタブレット上に容易に映し出す技術を開発する。事前に埋設物の図面データを登録しておけば、衛星電波を利用して埋設物の位置を特定できるという。埋設物の形状を把握できると施工管理もしやすくなり、作業の正確さも増す。

 これまで埋設物の位置を調べるには、現場で図面を広げて確認するのが一般的だった。清水建設はすでにタブレットのカメラで捉えた実際の画像に、埋設物の位置を特定する技術を開発済みだ。年内にこれをより臨場感のある3次元画像で表示できるようにする。

 AR技術は三井住友建設や大林組も活用を始めた。AIやARは建設業の生産性向上の切り札として期待されており、今後、ゼネコン各社の技術開発が本格化しそうだ。

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