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建設業の生産性向上(2)ゼネコン、ロボ開発競争(よくわかる)

[ 2017年6月19日 / 日経産業新聞 ]

 建設現場の生産性向上のために、ゼネコン各社が注力する分野の1つがロボットだ。ロボットに人手がかかる建設作業の一部を代替させて省人化につなげる狙いだ。様々な分野で開発が相次ぐ。

 竹中工務店はレンタルのニッケン(東京・千代田)と共同で、建設現場や工場などで人に自動追従する資機材運搬用ロボット台車「かもーん」を開発した。レーザー距離計を応用したセンサーが台車に最も近い位置にいる人間を先導者として認識し、時速4・5キロメートルで追従する。

 台車は障害物を回避する機能を備え、安全装置として非常停止スイッチと接触停止センサーを装備。1台で最大600キログラムの荷物を運搬できる。柱・梁(はり)・床の工事が完了した現場で使用。最大4・5度の勾配や3センチメートルの段差も走行し、複数台が間隔を空けて同一方向に走る機能もある。資機材移動に必要な作業員の省人化につなげたい考えだ。

 大成建設はマンションやビルなどの建築現場で働く掃除ロボットを開発した。ロボットは縦横が50センチメートルで高さが70センチメートル。粉じんや木くず、クギを本体に取りつけたブラシでかき込んで集める。ロボット掃除機の「ルンバ」と同様、センサーで障害物までの距離を計測し、近づきすぎると後退してよける機能もある。

 従来は約100平方メートルの現場をほうきなどで掃除する場合、40分ほど時間がかかっていた。ロボットを使えば、夜間や休憩中に掃除ができ、建設作業の省力化と効率向上につながる。2017年度中の実用化を目指す。

 鹿島は横河ブリッジ(千葉県船橋市)と、柱や梁の鉄骨を工事現場で溶接するロボットを開発した。溶接する部分の長さや方向を設定すれば、ロボットが自動で往復して溶接する。これまでは技能工が溶接機を持って、自分が移動しながら溶接する必要があった。

 1人の作業員が複数のロボットを同時に操縦できるのも特徴だ。すでに16年に2現場で採用し、熟練の溶接技能工が施工した場合と同等の品質を確保できたことを確認した。操縦者が2台のロボットを使い、同時に2カ所の溶接を手がければ、必要な技能労働者が1人分減る。鹿島はロボットを操縦できる人材を育成し、活用する現場を増やしていく。

 建設現場のロボット導入は1990年前後にも一度盛り上がったが、当時の機械は汎用性に乏しかったこともあり、その後に機運が停滞した。現在のロボット技術の進歩と深刻な人手不足を受け、作業を代替しやすい分野では自律型や汎用性の高いロボットの導入が本格化するとみられる。

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