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担い手確保、魅力高める――研究や研修拠点充実、環境技術実証、技能も伝承(マンスリー編集特集)

[ 2017年6月29日 / 日経産業新聞 ]

 ゼネコン各社が施工能力を高めるための研究施設や研修センターの充実に力を入れている。環境意識の高まりや施工の複雑化などで、新たな技術や技能伝承の仕組みへの期待も大きくなる。好調な業績を背景に今後も積極的な投資が続きそうだ。

 大成建設は横浜市の技術センターに「風騒音シミュレータ」と「床衝撃音実験施設」を設置した。風で生じる騒音を実物大の建材で実証できるほか、床の衝撃音を評価できる。居住性など付加価値を高めて受注拡大につなげる。

 風騒音シミュレータは大型の吹き出し口から多様な風向きや速さの風を送り出し、手すりなど建材にあてて発する音を測る。床衝撃音実験施設は一般的な集合住宅の構造の建物で、振動を低減できる床と通常の床の2種類を設置。衝撃音を比較することで、新たな床仕上げ材や天井仕上げ材など音対策技術の開発につなげる。

 戸田建設は技術研究所内に新しい環境実証棟を完成させた。建物の省エネルギー化が注目されるなか、太陽光などを使ってエネルギーを自給自足する「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」などの環境技術を実証できる。今年度以降には、巨大地震を想定した実験ができる棟や大空間を利用した施工実験を担う施設も追加で設けていく方針だ。

 清水建設は昨秋、東京木工場(東京・江東)内に2階建ての「ものづくり研修センター」を設けた。実物大の構造物に触れながら工事の基礎知識や、品質検査の手法などを学べる。構造物は現場で発生しやすい間違いや不具合のほか、関東や関西で異なる型枠の組み方を再現した。

 建築技術は複雑化・高度化が進み、工法も多様化している。これまでのように現場での先輩から後輩への指導や研修だけでは、基礎知識も習得しにくくなっている。本格的な研修施設を新設し、建築工事全般に必要な基礎知識や技術を指導する体制を整える。

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