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DIC、蓄熱材、シートで加工簡単、床下用、冷暖房の省エネに。

[ 2017年7月11日 / 日経産業新聞 ]

 DICは建築現場で自在に加工できる蓄熱建材を開発した。蓄熱材を塩化ビニール樹脂に分散させてシート状にすることで、切ったり曲げたりネジ止めしたりできるようにした。これまで蓄熱建材の多くは液体をラミネート包装していたが、サイズ変更が難しく作業もしにくかった。今後は住宅建材以外にも販路を広げる。

 潜熱蓄熱材である有機化合物パラフィンを独自の技術で塩化ビニール樹脂に混ぜ、均一に配合してシート状に成形した。厚い膜になるように塗工成形する技術により、熱と圧力をかける射出成型に比べ蓄熱材料の劣化と漏れ出しを抑えた。

 潜熱蓄熱材は物質が固体と液体の間で状態変化する際の温度特性を利用して吸・放熱する。氷が溶けて水になるときに氷水の状態でセ氏零度を一定時間で保つのと同様、パラフィンも固体と液体の状態変化が起きる融点の温度を一定時間保つ。人間が快適に過ごせるセ氏20〜23度の室温に調節するため、DICは融点がセ氏27度のパラフィンを採用した。

 住宅の床下に設置する。屋上の太陽熱パネルからダクトを通って床下に流れる熱を蓄熱シートが蓄えることを想定。冬場は日中の太陽熱を蓄え、夜間に放熱して暖房にかかるエネルギー削減につなげる。夏場は夜間の涼しい外気を取り込み、日中の太陽熱を吸熱して室温上昇を緩和する。

 従来は液体をラミネートで包装した蓄熱建材が多く使われてきたが、建築現場でのサイズ変更が難しく、施工時の作業性が悪かったという。新開発の蓄熱シートは従来の蓄熱建材と同等の性能を持ちながら、容易に切断や曲げ、ネジ止めなどが可能。床下だけでなく、壁や天井にも施工できるようにした。

 2014年から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発」事業に参画して検証。共同で実証してきた太陽熱利用システム開発のOMソーラー(浜松市、飯田祥久社長)が7月から採用している。

 今後は太陽熱利用システムを導入しない一般の住宅向けに融点がセ氏20度のパラフィンのシートの開発を検討する。住宅以外の用途として、医薬品の定温輸送用資材や施設園芸など農業資材への展開を探る。(小柳優太)

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