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ゼロエネ住宅、屋根に勾配、積水化学が特殊パネル、発電効率向上、日本人の好みに対応。

[ 2017年7月19日 / 日経産業新聞 ]

 積水化学工業は光熱費が実質ゼロの「ゼロエネルギー住宅」(ZEH)で、傾斜が付いた屋根の住宅を売り出す。これまでは太陽光発電パネルに効率的に光があたる平面な屋根を中心に扱ってきたが、日が当たる面を増やす特殊構造で発電量を増やす。勾配屋根を好む日本人の要望に応えることで、ゼロエネ住宅の一段の普及につなげる。

 「スマートパワーステーションGR」を28日から売り出す。京セラと共同開発した太陽光パネル一体型の新しい屋根部材を活用。屋根の一番上の部分は平面にし、それを斜めになった4つの屋根で囲むようにする。

 そのうえで、北側を除いたすべての屋根に新部材を敷き詰める。通常の勾配屋根よりも日が当たる面が増え、太陽の高度にかかわらずに効率的に発電できるという。

 これまでのゼロエネ住宅は平面な「フラット屋根」が中心だった。太陽光パネルが敷き詰めやすく、発電量が増えるためだ。新たな住宅は電力の生産性の高いパネルを使うため、通常の勾配屋根の住宅にパネルを設置するのに比べて2倍の電気がつくれるという。

 例えば延べ床面積が約142平方メートルの住宅の場合、使用電力の約4割を太陽光発電で賄える。蓄電設備を併設すれば、商用電力を使う割合をさらに削減できる。「理論上は『エネルギー自給自足100%』も可能」としている。

 コストにも配慮した。勾配屋根は必要となる部材が多いうえ、住宅の規格によって資材の大きさが異なる。工場生産が難しく建築現場で作ることが多かった。新商品は住宅の大きさにかかわらず、2種類のパネルを組み合わせて屋根を作る。

 規格が統一されているため、工場でのライン生産も可能になった。1坪(3・3平方メートル)当たりの価格は74万円台から。フラット屋根モデルよりやや高いが、従来の勾配屋根では平均的という。

 積水化学によると、戸建て住宅の購入者のうち、勾配屋根を選ぶ人が66%いるのに対して、フラット屋根は3%にも満たないという。「日本人にとって戸建て住宅といえば勾配屋根というぐらいなじみが深い。購入時に自然と選ぶ人が多い」という。同社もフラット屋根を多く手掛けてきたが、改めて市場ニーズに応える商品を送り出す。

 積水化学は新築の戸建て棟数に占めるゼロエネ住宅の割合を、2020年度までに大幅に引き上げることを目指している。新商品の初年度の販売目標は700棟。新たな発想でゼロエネ住宅への関心を高めることにより、全体の販売を底上げしたい考えだ。

(高木雄一郎)

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