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マンション建て替え商機、関西の築40年以上、10年後3倍、大和ハウス参入、円滑化法を追い風に 。

[ 2017年7月20日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 マンション大手が関西で老朽化物件の建て替え事業に商機を見いだそうとしている。長谷工コーポレーションなどに続き、大和ハウス工業が参入した。関西2府4県の築40年以上の物件は今後10年で3倍強に増える。政府がマンション建て替え円滑化法の改正などで建て替えを後押しするなか、各社は首都圏に続き、大型市場である関西の掘り起こしに動く。

 JR神戸線の六甲道駅から徒歩3分。神戸市にある建て替え分譲マンション「プレミスト六甲道」がこのほど完成、住民に引き渡された。1981年に完成した前身「宮前グリーンハイツ」は同市が分譲したマンションだが、約4年前に建て替え推進を決議した。

 これを支援したのが大和ハウス工業だ。円滑化法に基づき住民がつくる事業主体、建て替え組合の三浦祥一理事長は「無事に終えられたのは総合的なサポートがあったから」と語る。

 相談を受けた同社は建て替え案と修繕案を用意。長期の資産価値を重視して建て替えに決まった。住民負担も発生したが、戸数を従来の36戸から69戸に増やして分譲。「収益で費用負担を抑えた」(同社の西本誠氏)

 大手は住民の合意形成や様々な手続きのノウハウが豊富なのが強み。建て替え中は仮住まいの世話などもする。大和ハウスにとっては関西で初、同社全体でも2件目の案件。同社は全国で2020年に関連売上高100億円、年間200戸を目標に掲げており、関西ではほかに3件の相談を抱えるという。

 先行するのが長谷工コーポレーションだ。関西15件を含む国内31件で建て替え済みで、今後首都圏と関西でそれぞれ年1件を手掛ける体制構築を目指す。旭化成不動産レジデンス(東京・新宿)も関西で建て替え実績がある。

 不動産情報の東京カンテイによると、関西2府4県で築40年以上のマンションは足元で2000件強。10年後は3・2倍の6500件にまで増える。しかし国土交通省のまとめでは建て替えは全国で準備中含め252件(昨年4月時点)と極めて少ない。「費用負担でもめたり高齢者が引っ越しを嫌がったりして合意形成が難しい」(不動産関係者)

 ただ新築マンションの用地は少なくなり、人口減で住宅需要の大幅な拡大も見込みにくい。政府が円滑化法改正などの規制緩和で後押ししていることも、各社の取り組み加速の背景にある。

 ▼マンション建て替え円滑化法 老朽化したマンションの建て替えを促進するために2002年に施行した法律で、住民が建て替え組合という組織をつくれば諸手続きをしやすくする仕組みを導入した。

 14年には改正法が成立。土地と建物の権利をデベロッパーに一括売却できる仕組みを取り入れた。耐震性不足の認定を受けたマンションの建て替えで容積率を緩和する特例も設けた。建て替えをよりしやすくしたが、なお住民の合意形成自体は難しいのが現状だ。

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