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住宅、冷暖房使わず快適に、ミサワホームが設計支援ツール、風・光の量、数値化、省エネ提案しやすく。

[ 2017年8月9日 / 日経産業新聞 ]

 ミサワホームは、住宅内を最適な温度に保つために必要な自然光や風の量を数値化するツールを開発した。家の間取りや窓の場所などの情報を入力すると、冷暖房なしでも快適に過ごせる時間数を割り出す。同社は住宅周辺の気候などを分析し、自然の力を利用して快適な室内環境を作る設計手法「微気候デザイン」を提案している。新ツールを活用し、販売拡大につなげる。

 開発した新ツール「Vikiなび(ビキナビ)」では、これまで可視化できなかった戸建て住宅内に入る風や光の量を5段階評価で数値化。快適な室内温度を維持できる設計プランを提案する。建築予定の住宅の立地などの情報といくつかの設問に答えることで、一般的に快適に過ごせると言われる22〜27度の室内温度を保てる時間を一般住宅に比べてどれだけ増やせるか計算する。

 全ての営業担当者のパソコン端末に導入する。戸建て住宅の仕様を希望者から聞き取りながら、窓の大きさや設置場所などに関連した30個の設問に対し、採用するか採用しないかで答える。答えが集計されると「(室内で)空気の流れをつくる」、「日射を遮る」、「日射を取り込む」など6つの項目に置き換えられ、5点満点評価でグラフとして表示される。

 周囲の住宅の密集具合や家の形や大きさ、対面する道路の規模などによって快適に過ごせる住宅のデザインは違ってくる。ただ、室内環境の良しあしを明確に示す数値基準がなかっため、営業経験の浅い社員は住宅の設計提案に苦戦していた。ビキナビを活用すれば省エネ性能を高める設計をより明確に伝えられる。

 同社製品の強みをより分かりやすく伝えるとっかかりにもなる。例えば、建物を上下に間切り、1階部分の下に「蔵」と呼ばれる広い収納スペースを設けるデザインでは、間切られた部屋の上部分に大きな窓を設置する。窓から入る日光は光が入りにくい「蔵」にも届き、室内全体の温度が一定に保たれるようになる。

 ビキナビが提案する設計を全て取り入れると、冷暖房なしでも適正温度を保てる時間を、一般住宅に比べ最大で年間約1300時間延ばせるという。

 経済産業省は20年までに新築注文戸建ての過半数をエネルギー収支を実質ゼロにする「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」にする方針を掲げる。新設着工戸数の減少を受けて、住宅大手もより単価の高いゼロエネ住宅商品の販売を強化している。ミサワホームはビキナビを他社の省エネ住宅製品との違いを分かりやすく示せるツールとしても活用する。(高木雄一郎)

【表】「Vikiなび」の主な評価項目 
▽空気の流れを作る 
地域の主風向を考慮する 

▽日射を遮る 
屋根面の日射熱の影響を和らげる

▽日射を取り込む 
夏は日射熱を遮り、冬は日射熱を取り込む 

▽温湿度を保つ 
上階からの冷気流入を防止する 

▽設備で補助する 
空気の流れを促す 

▽半屋外空間を活用する 
緑化する

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