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ワールドHD、注文住宅を全国展開、買収企業活用、低価格商品を軸に。

[ 2017年8月19日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 ワールドホールディングス(HD)は戸建ての注文住宅事業を全国展開する。買収した札幌市のハウスメーカーが持つ低価格商品を軸に、東北から九州にかけて順次売り込む。事業売上高は現在の85億円から早期に100億円規模を目指す。既存のマンション、建売住宅に注文住宅を加えた幅広いラインアップで、立地条件に応じた柔軟な不動産開発を進める。

 同社は人材・教育、不動産、情報通信の3分野を柱としている。不動産事業は主に首都圏で「レジデンシャル」ブランドのマンション開発を中心に展開し、連結売上高(2016年12月期で943億円)の約36%を占める。

 戸建ての注文住宅分野では、1月に札幌市エリアでトップシェアという豊栄建設(札幌市)を買収。豊栄建設は建物本体価格を999万円に抑え、居住空間を自由に設計しやすくした「チャレンジ999シリーズ」を看板商品としている。

 ワールドHDはこれまでマンション開発で仕入れながら使い切れなかった土地などを、あらかじめ設計が決まった建売住宅にして売り切るケースが多かった。今後はマンションや注文住宅、建売住宅を組み合わせて様々な条件の土地を開発しやすくなる。

 注文住宅の販売エリアは、まず東北に広げる。ワールドHDは12年に仙台市の破綻企業の事業を引き継いで建売住宅に参入した。現在は子会社のワールドアイシティが東北圏に営業網を築いており、豊栄建設の商品を販売していく。

 豊栄建設の注文住宅は断熱性の高さなども特徴で、札幌と同じ寒冷地の東北でも受け入れられやすいと判断した。戸建て住宅の販売増で建設資材の調達力を高め、利益率も改善したい考えだ。

 ワールドHDが注文住宅を拡大するのは、「地方都市には根強い戸建て需要がある」(高井裕二副社長)とみるためだ。土地の仕入れから物件引き渡しまで平均2〜3年かかるマンション開発に比べ、戸建て住宅は1〜2年で投資回収しやすい利点もある。

 国土交通省が発表した1〜6月期の新設住宅着工戸数は前年同期比2%増の47万3206戸と回復傾向をみせた。ただ、東京五輪や震災復興関連の建設需要が続くなか、全国的にはマンション価格の高止まりが続く。

 同社は「建設コストの上昇で、土地の安い地方都市ではマンションが戸建てより割高になるケースが出てきた」(同)として、戸建て住宅事業に商機があると見込んでいる。

 ワールドホールディングス 東証1部上場で、持ち株会社の傘下に人材派遣のワールドインテックなど連結子会社29社がある。伊井田栄吉会長兼社長が1981年に始めた不動産のみくに産業(現ミクニ)が祖業で製造請負や携帯電話ショップなど多角化路線で成長。福岡市、北九州市の2本社体制を敷き、中国・上海と台湾にも拠点を持つ。3月に開業した北九州市の競技場で「ミクニワールドスタジアム北九州」の命名権契約を結んだ。

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