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台北――らせん状マンション出現(アジアの街から)

[ 2017年8月18日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 台湾で最も地価が高いとされる信義区。高級ホテルや百貨店が立ち並ぶ大通りから小道に入ると、2重らせん状にねじれたような独特の外観の高層建築が姿を現す。「住んでみたいけど、高くて買えるわけないよ」。近くを散歩していた男性(55)はため息をつく。建設中の「陶朱隠園」は、東京を上回る高額マンションが数多い台北でも最高峰になると目されている。

 地上90メートル強、21階建て。台湾メディアによると完成は2018年1〜3月期になる見通しだ。一見不安定そうな印象を受けるが、免震構造など最新の地震対策を施す。多機能エレベーターにより玄関先まで乗用車で乗り付けることができる。既に内外の富裕層からの引き合いが殺到し、商談での価格はいずれも1戸当たり10億台湾ドル(約37億円)を超えているという。

 施工を手掛けるのは日本の大手ゼネコン、熊谷組だ。同社は完成当時に世界一高いビルだった「台北101」(508メートル)も施工。こちらも成長や出世を象徴する「竹」の節をモチーフにした独創的なデザインで知られる。

 台湾は日本が関わった建築物にこと欠かない。1895〜1945年の約50年間に渡る日本統治の歴史があるからだ。総統府は1919年に完成した台湾総督府の本庁舎を改修しながら使い続ける。南部・高雄の博物館(38年完成)は清水建設が設計を手掛けた。

 もともと古い建物や街並みを貴重な財産として保存する気質が強い。半面で老朽化による再開発の必要性も強まっており、豊富な実績を持つ日本勢の出番は今後も多くなりそうだ。

  (台北=伊原健作)

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