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災害VS.技術、命守る闘い――災害に強い住宅人気、シェルター完備、水も電気も自給(マンスリー編集特集)

[ 2017年8月30日 / 日経産業新聞 ]

 2016年の熊本地震に17年7月の九州北部豪雨。災害が少なくない日本では防災力の高い住宅商品に対するニーズは高い。住友林業はあらゆる災害を想定した実質消費エネルギーがゼロになる「ゼロ・エネルギー・住宅」商品を販売。ミサワホームのシェルター機能がついた住宅商品も好調だ。

 住友林業は16年から防災力を高めた「ビーエフエスアイ レジリエンス プラス」を販売している。断面積が広い柱材を使った「ビッグフレーム構法」の住宅商品で、あらゆる災害に対応する設備を持つ。

 太陽光発電システムを屋根上に設置した上で、室内に壁掛け式の蓄電盤を使う。万が一、ライフラインが遮断されても、冷蔵庫や照明スタンド、液晶テレビを3時間稼働するために必要な265ワットは常にためておける。容量の大きい屋外型の蓄電池を置けば半永久的な電力供給が可能。120リットルためられる雨水タンクで水も確保でき、生活に必要なエネルギーはほとんど住宅内でまかなえる。

 災害時に住宅の被害を最小限に抑えるデザインも特徴的だ。住友林業が開発した備え付け家具を施工段階で壁などに組み込む。広々とした部屋のスペースを確保できると同時に、建物が揺れても家具が倒れない。

 ミサワホームは自社製品の特長を生かした防災住宅が好調。同社の住宅の特徴の1つである、建物を上下に間切り、1階部分の下に広い収納スペースを設けるデザイン「蔵」を避難用のシェルターとして使うことを提案。「蔵」は約2週間分の非常食を備蓄できる。

 複数の避難経路を想定した間取りも提案する。避難はしごや外部階段をつけることで、家が半壊しても逃げ道を確実に確保できる。

 地震だけでなく、豪雨などの水災害にも備える。住宅周りの外壁部分に収納式の止水板を搭載し、有事の際に引っ張り出せば浸水を防げる。また、住宅の基礎となるコンクリートの枠組みの間に金属製のはりを入れることで、地面がぬかるんだ時に建物が均等に地盤沈下するようにした。家が傾いても災害後に迅速に住宅を復旧できる。

 大和ハウス工業も、巨大地震後に繰り返し余震が襲っても新築時の耐震性能を維持する住宅「ジーヴォシグマ」の販売が好調だ。筋交いと柱の接合部分に揺れに合わせて動く「Σ(シグマ)」形の金具を組み込み揺れを抑える耐力壁が特徴となっている。

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