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階段材、ウッドワン(広島県廿日市市)――製材から一貫生産体制、品質こだわり加工に工夫。

[ 2017年9月15日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 広島県廿日市市に拠点を置く木製建材メーカーのウッドワンは、戸建て住宅などに使われている階段材のトップ企業だ。林業、製材業にルーツを持つ強みを生かした製材からの一貫生産体制や、品質にこだわった製品作りで、後発組ながらも業界でトップシェアを持つ会社に上り詰めた。

 同社の起源は林業に始まる。創業者の父、中本与一氏が大正時代初期に旧吉和村(現廿日市市吉和)で林業を営み、その息子である勇氏が1935年ごろ製材事業を始めた。戦後の52年、勇氏は有限会社中本林業(ウッドワンの前身)を設立、社長に就任した。57年からは床材、壁材など住宅建材製造に乗り出した。

他社と差異化

 原爆の被害があった広島は終戦後、住宅不足が深刻で木材が飛ぶように売れたが、乾燥が不十分な粗悪な製材なども多く出回っていた。ウッドワンは当時から木材の乾燥技術を磨き、質の高い製材の供給を続けてきた。

 この品質にこだわる社風がシェアトップに至る原動力となった。80年には廿日市市に板を同一繊維方向に積み重ねて接着した高強度木材、LVL(単板積層材)の工場を建設。LVLを基材とする階段材や周辺部材の生産に着手した。当時すでに競合他社が多く、同社は後発組だった。他社製品との違いを出そうと、加工方法や表面素材に工夫を凝らした。

 LVL階段材は、基材となるLVLの表面に単板を貼り付けて作る。他社製品では主に厚さ0・25〜0・3ミリメートルの単板を使用していたのに対し、同社の製品は約2倍の0・6ミリメートルのものからあった。人が毎日上り下りする中で表面がすり減り、基材が露出するのを防ぐためだ。

 単板の張り方にもこだわった。効率性を重視するなら単板を張った後に基材を分断し、側面に単板を張るのが一般的な手法。しかし同社は基材を分断してから一つ一つの部材に側面、表面の順に単板を張り付ける手法を採用した。側面から張ることで単板めくれ防止につながる。現場での施工作業の負担を減らすため、工場で部材を加工するプレカットシステムもいち早く導入した。

コストも抑制

 「一見、他社との違いが分かりにくいかもしれないが、長年使っていくなかで(品質の高さを)実感してもらえる」(川戸宏之取締役)。この考えを軸に競合他社とは一線を画す製品を開発。また競合他社の多くはLVLを輸入していたが、同社は基材から自社で一貫生産していたことで、高品質かつコストを抑えた高付加価値製品を提供し後発ながらも業界内での地位を固めていった。

 現在はドアやキッチン、収納棚など住宅建材全般に事業を拡大している。国内の新築住宅は少子化の影響で縮小が見込まれ、今後は「国内ではリフォームや非住宅分野、DIYを強化し、海外ではアジア圏において新たな成長戦略を実践していく」(川戸取締役)としている。

(広島支局 佐藤亜美)

〈会社概要〉 
▽本 社 広島県廿日市市木材港南1の1  
▽設 立 1952年 
▽社 長 中本 祐昌氏 
▽売上高 663億円(2017年3月期) 
▽従業員 1373人(17年3月末時点)

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