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人手不足で長時間労働是正、大林組や清水建、建設現場「4週で8日休」、物流は運転手拘束短く。

[ 2017年9月21日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 長時間労働の是正が遅れていた建設・物流業界が働き方改革を進める。大林組は10月から4週間に8日休む「4週8休」のモデル工事現場をつくり、日本通運は11月からトラック運転手の拘束時間短縮を荷主に要請する。両業界は時間外労働の上限規制の適用除外業種。しかし、働き方改革関連法案の施行後には規制が適用されるのを先取りし、職場環境の改善で人手不足の解消につなげる。

 大林組は協力会社の技能労働者も含む現場全体を対象に、4週8休を導入する。10月から2018年3月まで、全国の土木工事現場12カ所をモデルに指定し、試行中に技能労働者の賃金水準を確保する手法などを検討する。18年度から全現場に対象を広げる。

 清水建設は4週8休の土木のモデル現場を9月上旬に約20カ所設けた。21年度までに4週8休を全現場に広げる。手当なども充実させ、日給制の技能労働者の収入を維持しやすくする。竹中工務店は8月から、技能労働者も含め4週間に6日休む「4週6休」の取り組みを30カ所のモデル現場で始めた。

 総合建設会社(ゼネコン)35社の労働組合が加盟する日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)によると、16年11月時点では「4週4休」の現場が43・3%と最多だった。「4週8休」の回答は7・5%にとどまる。

 運転手が不足する物流業界も改善に動く。日本通運は11月から、荷主企業にトラック運転手の拘束時間の短縮を求める。運転手が荷主側の施設で荷物の積み下ろしのため一定時間待たされた場合には、超過料金を請求する。荷主に作業の迅速化を促し、運転手の長時間労働を是正する。

 国土交通省が11月に運賃契約のひな型となる「トラック運送約款」の改正版を施行するのに合わせ、荷主に運転手の働き方改革への協力を求める。約款の改正で荷物の積み下ろしに伴う待ち時間に「待機時間料」を定められるようになる。契約更改時に、荷主に料金の設定を求めていく。

 宅配最大手のヤマト運輸は9月から、退社から次の出社まで10時間以上空ける「勤務間インターバル制度」を導入。佐川急便は多様な働き方ができるよう、今年から週休3日制を一部導入した。

 建設業と運輸業の労働時間は他の産業に比べ長い。厚生労働省によると、16年の建設業の実労働時間(月間)は171・3時間で運輸業・郵便業は171・2時間。製造業の162・8時間を上回る。

 建設と運輸は時間外労働の上限規制の適用除外の業種だが、働き方改革関連の法案が成立し施行されれば5年後には規制が適用される。関連法案は衆院解散が固まったことで臨時国会への提出が見送られる見通しだが、人手不足に直面していることもあり改革を先行させて採用増につなげる。

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