日経メッセ > 建築・建材展 > ニュース > マンション高値、バブルに迫る、昨年首都圏新築、27年ぶり水準、大手寡占、供給は停滞 (ビジネスTODAY)

日経の紙面から

マンション高値、バブルに迫る、昨年首都圏新築、27年ぶり水準、大手寡占、供給は停滞 (ビジネスTODAY)

[ 2018年1月23日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 首都圏の新築マンションの価格上昇が止まらない。不動産経済研究所(東京・新宿)が22日発表した2017年の平均価格は前年比7・6%高い5908万円と、バブル最盛期以来27年ぶりの水準となった。高級物件を扱う大手7社のシェアが10年前の20%台から5割近くに急伸。全体の供給が停滞するなか、人気エリアへの集中と強気の値付けが目立つ。

 1都3県の平均価格はバブル期の1989年や91年を上回る過去2番目の水準で、史上最高値の90年に215万円差まで近づいてきた。ただ、郊外も含めあらゆる物件が急騰したバブル期とは異なり、足元で価格上昇が目立つのは都心や主要駅の駅前再開発などの限られた物件だ。

 価格上昇の背景には、そうした物件の開発を担う住友不動産や大京といった大手7社の寡占が強まってきたことがある。08年のリーマン・ショックで中小のマンション開発事業者の倒産が相次ぎ、02年に390社あった事業者数は足元で122社に減った。リーマン前に20%台だった7社のシェアは46%に上昇。資金回収を優先し在庫を安値で売り出す中小業者が減り、価格競争が起きにくくなっている。余裕のある大手にとっては適温ともいえる状態だ。

 今の買い手の中心は家計に余裕のある共働き世帯。需要堅調な都区部ではホテルなどとの用地獲得競争も激しく、体力のある大手でなければ手を出せない。三井不動産レジデンシャルの山田貴夫取締役は「マンション開発は参入障壁の高いビジネスに変わった」と話す。

 大手は都心の高級物件の開発を積極化し、17年には1億円以上する億ションの発売戸数が前年比52・4%増の1928戸と90年以来の高水準になった。東急不動産は18年3月期に六本木や永田町などで4つの億ションを発売。大隈郁仁社長は「来期以降も年1〜2件は継続的に供給していきたい」という。

 ただ、都心の高級マンションを購入できる層は限られる。特に若いファミリー層は低調で、全体の発売戸数は3万5898戸とピークの00年の4割弱に停滞したままだ。初月契約率は0・7ポイント低い68・1%となり、好不調の目安とされる7割を2年連続で下回った。「新築は駅前再開発や大規模物件に集約され、供給戸数はどんどん減っていく」(大手首脳)との指摘もある。

 今後は19年秋の消費増税前の駆け込み需要が見込まれ、調査会社トータルブレインの久光龍彦社長は「在庫消化の好機とみて各社が売値を下げてくる」とみる。だが、不動産大手は「ゼネコンの労務費や資材価格をみれば下がる状況ではない」(三菱地所レジデンスの宮島正治専務執行役員)、「前回の増税時と同様に影響はほとんどない」(住友不動産の小林正人副社長)となお強気の構えだ。

 とはいえ、大手も行き過ぎた価格上昇に懸念を感じ始めている。価格上昇が続けば売れ残りも増え、収益の圧迫要因になりかねない。野村不動産ホールディングスは価格抑制のため、20%台だったマンションの想定粗利益率を19%台に下げ、18年3月期に減益を見込む。ゼネコンからは「不動産大手からの値下げ要求が強まっている」(長谷工コーポレーションの辻範明社長)との声も出ている。(加藤宏一)

首都圏、中古も高値
昨年2.9%上昇、2000年代最高

 東京カンテイ(東京・品川)が22日発表した2017年の中古マンションの平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は、首都圏が3577万円と16年に比べて2・9%上がった。上昇は4年連続で、2000年代としての最高を2年連続で更新した。新築マンションの価格高止まりを背景に、中古でも高値で売却される物件が目立っている。

 東京都の平均価格は4825万円と1・3%上昇。1994年以来、23年ぶりの高値を付けた。都区部を中心に新築時より高い価格で売り出される住戸も多い。ただ、上昇率は16年(12・0%)から大幅に縮小した。17年までの5年間で3割高と急騰して手が届かない消費者が増え、最近は成約数も伸び悩んでいる。

 近畿圏の平均価格は2118万円と4・0%上昇し、1999年以来の高値を付けた。大阪市は2861万円と1・6%上昇。築年数の浅いタワーマンション住戸が高値で売り出される例も目に付く。中部圏は1711万円と5・2%上がり、1997年以来の高値を記録した。

ニュースの最新記事

PAGE TOP