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連携、モノからサービスへ、ユニー・ファミマ、伊藤忠子会社に、IT系と協力も、実店舗武器、ネット勢に対抗。

[ 2018年4月23日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 伊藤忠商事はユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)を子会社にすると発表した。これまでは子会社化を否定し続けてきたが、ネット通販の攻勢で、モノが中心だった商社と小売りの連携の形も変化を迫られた。コンビニエンスストアをはじめ1万7千超の店舗網を武器に、親子一体でIT(情報技術)企業などとの連携につなげる狙い。その成否はユニー・ファミマ統合効果も左右する。

 伊藤忠は株式公開買い付け(TOB)により、持ち分法適用会社のユニー・ファミマHDへの出資比率を約41・5%から50・1%に引き上げる。買い付け額は1203億円になる見通しで、ユニー・ファミマHDは上場を維持する。

 伊藤忠の関与はどう変わるのか。「小売りの現場や商品開発は伊藤忠にできるわけがないので、プロに任せる」と同社幹部は話す。これまで子会社化は考えないとしてきた理由と同じだ。商品販売を中心とした実店舗の運営は引き続きファミマやユニーが担うという。

 商社とコンビニの提携では17年2月、三菱商事がローソンを子会社化した。商品力を高めるためローソンは三菱商事を窓口に食品原材料の調達を増やし、全国の食品スーパーとも地域性のある商品を開発。三菱商事が紹介した高級チョコレート店「ゴディバ」と共同開発したスイーツは累計1千万個超を売り上げるなど、成果も出始めた。

 だが今回の伊藤忠によるユニー・ファミマの子会社化は様相が異なる。「消費者にメリットを感じてもらうには少し時間がかかる」と伊藤忠の鈴木善久社長兼最高執行責任者(COO)は話す。モノを仲介とした従来の商社と小売りの関係ではなく、IT(情報技術)を持つ異業種との連携への思惑が潜むからだ。

 両社は17年9月に共同出資で金融事業の新会社を設立。スマートフォン(スマホ)によるキャッシュレス決済などサービスの開発に取り組んでいるとみられる。ただウォルマートと楽天などネット勢と小売りの提携が相次ぎ「変化のスピードに対応するには、2社では限界を感じた」(伊藤忠幹部)。

 異業種との連携も視野に入れたとき、「親と子であるか、そうでないかで外部からの見え方が違う」(鈴木社長)。ファミマの年間55億人に上る来店客はネット勢にとっては大きな魅力となる。これを武器に提携や新たなサービスの共同開発につなげていく狙いだ。

 だが「ネット通販で稼ぎたいというわけではない」(ユニー・ファミマHD幹部)。ユニー・ファミマ側はサービスを強化することで、既存店の伸び悩みが目立つコンビニや、苦戦の続く総合スーパー(GMS)への送客装置としたい考えだ。

 17年3月に伊藤忠から送られた高柳浩二社長は「コンビニの成長余地はサービス。ジムやコインランドリーもいいが、重要なのは全店でできること」と話す。「伊藤忠を使い倒す」と話してきた高柳社長にとって、サービス開発は人手不足や人件費上昇などで経営環境が厳しさを増す加盟店を支える武器となる。

 高柳社長はファミマとユニーの経営統合を伊藤忠社長時代の16年に実現した岡藤正広会長兼最高経営責任者(CEO)の信頼が厚い。17年8月にはユニー再建に向けドンキホーテホールディングスと提携した。だが、米アマゾン・ドット・コムなどネット勢の急成長に押され、小売業の競争環境は従来にない速度で変わりつつある。消費者が行きたいと思うサービスのある実店舗とは何か。ユニー・ファミマが答えを出すためにかけられる時間はそう長くはない。

【表】ユニー・ファミリーマートHD(旧ファミリーマート)は伊藤忠商事と関係を深める  
1998年2月  筆頭株主に伊藤忠商事。伊藤忠商事の持ち分法適用会社に 
2009年12月 エーエム・ピーエム・ジャパンを完全子会社化 
15年10月   ココストアを完全子会社化 
16年9月    ユニーグループHDと合併し、ユニー・ファミリーマートHDへ移行。
         コンビニエンスストア事業はファミリーマートに分割 
17年3月    社長に伊藤忠商事副社長だった高柳浩二氏が就任 
18年夏頃    伊藤忠商事がユニー・ファミリーマートHDを子会社化 
11月頃     サークルKサンクスのファミリーマートへのブランド転換完了

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