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ガス小売り自由化1年、東邦ガス・中部電、競争過熱、リフォームを強化、ポイントでお得感。

[ 2018年4月7日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 家庭向けを含むガス小売りの全面自由化から4月で1年となった。中部では東邦ガスと中部電力が顧客獲得競争を繰り広げている。安定供給や品質の面では差をつけられないだけに、両社は料金の割引や付帯するサービスでしのぎを削る。東邦ガスがリフォーム事業を強化する一方、中部電力はポイントサービスの拡充で消費者を囲い込もうとしている。

 「屋根やバルコニーの修繕もお任せ下さい」。東邦ガスは従来の都市ガス会社のイメージからは想像できないようなリフォームプランをこのほどつくった。屋根やバルコニー、外壁やテラスの修繕や造り替えなども手掛ける。小規模なプランでは畳や障子、網戸、ふすまなどの張り替えも請け負う。

 価格は個別見積もりだが、中規模で100万円程度。小規模なら5000〜1万円程度になるとみられる。

 同社はリフォーム事業で25年以上の実績があるが、これまでは水回りなどが中心だった。台所や風呂場などのガス機器のメンテナンスで顧客と接し、信頼を得てきたネットワークは強い武器になる。

 リフォーム事業では、機器販売子会社の東邦ガスリビング(名古屋市)を中心に愛知、三重、岐阜の中部3県で保安・営業拠点150カ所に500人の販売部隊を抱える。ガス機器や水回りにとどまらない家庭全体の困り事というニーズを掘り起こす。

 リフォーム事業の売上高は東邦ガスリビングの卸売高を中心に2017年3月期で44億円だった。中小規模のリフォーム工事を加え、19年度には60億円の売り上げを目指す。

 一方の中部電力がフル活用するのは会員制ポイントサービス「カテエネ」だ。3月には毎月の電気料金を支払うだけでポイントがたまるように変更し、ポイントを集めやすくした。お得感を打ち出しやすいうえ、たまればたまるほど中部電から切り替えにくくなる「囲い込み効果」を狙う。

 百貨店の独自ポイントや共通ポイント「Tポイント」など提携先も増やしている。カテエネポイントを交換し、商品の購入時に使える。利便性を上げ、消費者に魅力を訴える。

 中部電は電気とのセット契約でガス料金を割り引いている。さらにガス販売の専門部隊を昨年4月より4倍弱の110人体制に増強した。今年3月末までにガス契約11万件(申し込みベース)を獲得。「順調な滑り出しだった」(勝野哲社長)と手応えを感じている。

 東邦ガスもセット契約で電気料金が割安になるメニューで対抗。電力では8万5000件の顧客を獲得したが「ガス契約切り替えのスピードは想定を超え、重く受け止めている」(冨成義郎社長)と押され気味だ。

 新規参入が相次いでいる電力小売りと違い、中部の有力なガス小売事業者は東邦ガスと中部電力の2社。真っ向勝負の陣取り合戦が過熱している。

(浅山亮)

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