日経メッセ > 建築・建材展 > ニュース > 住宅の耐震、リフォームで、住友不やミサワ、新工法、制震装置、省スペース、工期3分の1に短縮。

日経の紙面から

住宅の耐震、リフォームで、住友不やミサワ、新工法、制震装置、省スペース、工期3分の1に短縮。

[ 2018年5月8日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 住宅大手が木造の戸建ての耐震・制震性能を高めるリフォームを強化する。東日本大震災や熊本地震で高まった耐震性向上工事のニーズを受け、従来より施工対象を広げ価格も抑える。住友不動産は狭いスペースでも制震装置を使える工法で、年間受注件数を3年で5倍に伸ばす。ミサワホームや住友林業も、古い木造家屋向けの新工法を投入し受注を増やす。

 住友不動産が2018年4月に開発した新工法は、既に耐震補強機能を持つ建物の地震に対する強さをさらに高めるのに使う。全長約45センチメートルの小型制震装置を設置し、揺れを4割抑える。同社のこれまでの装置に比べ7分の1の大きさで、窓の上やドアの上といった空きスペースにも取り付けられるのが特徴。特殊なゴムで揺れを吸収して建物の変形を防ぐ。

 現行の耐震基準を満たす建物は補強不要とされてきたが、16年の熊本地震では強度を保つ「耐力壁」を使って基準をクリアした建物も一部倒壊したことから、住友不動産は新技術の開発に着手した。新たな制震装置は小型のため耐力壁を設置済みの住宅でも使える。

 工事規模が小さいため費用も約50万円と、建築面積約100平方メートルの家屋で通常の耐震補強工事をする場合に比べ約半分に抑える。あらゆる建築年代に対応する耐震補強提案をそろえ、制震工事の受注を20年度に2500件まで増やす。

 ミサワホームは、現行の耐震基準を満たさない木造住宅の補強工事需要を狙う。このほど投入した新工法では、1階部分の面積が約66平方メートルの戸建ての場合で、従来の補強工事に比べ工期を約3分の1の6日と短くできる。費用も130万円前後と3分の2になる。

 コンクリートを地面全体に流し込んで基礎を固める従来工法と違い、柱と接する基礎のみ補強することで工期やコストを省く。基礎部分から建物を支える柱までを鉄製の金物でつなぎ、揺れで建物と地面が分離し倒壊する事態を防ぐ。同社の耐震工事の受注は過去5年横ばいで、新工法で件数増を目指す。

 住友林業も古民家など老朽化した木造住宅に照準を合わせる。耐震基準を定めた建築基準法の制定以前に建てられた戸建てを対象に、家屋を垂直に持ち上げて基礎部分を造り耐震性を高める新工法を子会社で開発中だ。19年度中の実用化を目指す。土壁のようなデザインの耐力壁など品ぞろえも広げ、耐震補強の受注高を18年度は約100億円と17年度比40%増やす。

 国土交通省によると16年度の戸建てリフォーム工事の受注件数は約438万件。耐震補強工事の割合は全体の約0・3%にすぎず、大半は受注金額が低い水回り工事などが占める。住宅各社は耐震・制震性向上のためのリフォームを提案することで、縮小傾向にある新築事業に代わる新たな収益源に育てたい考えだ。

ニュースの最新記事

PAGE TOP