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飯田GHD、森林近くに建材新工場――国産スギ材でコスト減(賢築の技開発の妙)

[ 2018年5月15日 / 日経産業新聞 ]

 戸建て住宅最大手の飯田グループホールディングス(GHD)は戸建て向け新型建材の生産体制を強化する。森林近くに新工場を増設し、搬送コストを最小限に抑える。年間1万2000立方メートルの木質資材を量産する計画だ。輸入木材に比べ生産コストの低減につながることから、同社が販売する戸建ての屋根部分などに使用する。

 飯田GHDが製造を手がける木質建材「LVL材(単板積層材)」は住宅の構造く体に使われることが多い。丸太をかつらむきにしたうえで3〜4・5ミリメートルの薄い板状にし、接着剤で板同士を張り合わせる。厚さは45ミリメートルから60ミリメートル。

 青森県内の新工場「青森プライウッド」(六戸町)では、同じ地域内で伐採された木材を使ってLVL材を生産する。工場新設のための総投資額は93億円。2019年4月に完成し、6月ごろから稼働を始める予定。

 工場内には2本のアームで直径25センチメートルの丸太を挟み込む装置があり、2メートルの刃で表面を削って薄い板状にする。1本の丸太をむき終わるのにかかる時間は約8秒。年間戸建て2200棟分に使えるLVL材を生産する。

 4年前に建てられた東京ドーム4個分ほどの敷地内にある工場「ファーストプライウッド」の生産量と合わせると、年間4000棟分の住宅資材の供給が可能となる。

 新工場で生産されるLVL材の最大の特徴は国産スギ材を主原料としていることだ。国産スギ材は強度がないため、住宅建材に使うことに適しておらず、一般的には国産スギ材の倍近くの強度を持つロシア産マツ材をLVL材の材料として使うことが多い。ただ、ロシア産マツ材は国産材に比べ価格が高いため、使えば建築費が高くなる。

 飯田GHDは一定以上の強度が必要ない屋根裏の垂木などに国産スギ材を使ったLVL材を活用する取り組みを始めている。屋根板を支えるもや部分にLVL材を使えば、従来使われている米マツ材などに比べ、資材費は13%抑えられる。

 飯田GHDは生産する国産LVL材を他社に販売することも検討している。原則的には自社グループの施工各社に国産LVL材を販売していくが、生産余剰分を国内の工務店や住宅メーカーに提供していくという。

 戸建て住宅の建材には一般的に輸入木材が使われることが多いが、北米での建築ラッシュの影響で、国内に輸入される木材量は減っている。同社によると、輸入木材の価格は18年3月の時点で17年12月比で12%上がっているといい、「安定的に供給できる国産木材の需要は増している」(ファーストウッドの広瀬仁取締役)という。

 海外への輸出・販売も検討していく。18年8月からは中国で在来木軸工法を使った住宅の施工が可能になる法律が施行される見込みで、日本産木材のニーズが高まる見通し。(高木雄一郎)

主な概要
▽施 設 名  青森プライウッド
▽所 在 地  青森県六戸町
▽主な事業内容 国産LVL材(単板積層材)の生産
▽稼働開始時期 2019年6月ごろ
▽生産能力   戸建て住宅2200棟相当の木質資材を生産

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