日経メッセ > 建築・建材展 > ニュース > マンション、子育てが売り、英語教室や保育園の優先入園、郊外、共働き呼び込む。

日経の紙面から

マンション、子育てが売り、英語教室や保育園の優先入園、郊外、共働き呼び込む。

[ 2018年5月12日 / 日本経済新聞 大阪夕刊 ]

 住民の子供専用の英会話教室や優先的に入れる保育園など、子育てのための機能が充実したマンションやアパートが相次ぎ登場している。東京都心部や大阪中心部より通勤時間が長い郊外の物件が目立つ。共働きで仕事と子育てに忙しい世帯にとって、「育て勝手の良さ」が新居選びの鍵となりつつある。

 「英会話教室などの子育て支援施設が決め手になった」。購入者の3割がこう話すマンションがある。三菱地所レジデンスなどが販売中の「ザ・パークハウス国分寺四季の森」(東京都国分寺市)だ。

 3LDKで5千万円台前半が中心だ。JR国分寺駅から徒歩13分とやや遠いが、全494戸の5割超が契約済み。マンション全体が完成する8月を前に販売が進んでいる。

 学童保育施設の誘致など子育てのしやすさを前面に打ち出している。住民の子供専用の英会話教室もこの一環だ。ベネッセコーポレーションが運営し、共用施設のパーティールームを使う。受講費は通常の教室と同じ月5500円からだ。

 同様の教室は既存物件では野村不動産の「プラウドシティ浦和」(さいたま市)など少ない。マンション住民で児童2人を通わせる母親(39)は「外にある教室と違い、夕食の支度などで忙しい時間帯に子供だけで行かせられる」と喜ぶ。

 京阪電鉄不動産(大阪市)は2月に完成したマンション「ファインシティ枚方」(大阪府枚方市)などで子育てを助け合う「子育てシェア」サービスのアズママ(横浜市)と連携した。同社は専業主婦らを「ママサポーター」として育成。住民の子供を一時的に預かるほか、マンション住民の交流会も主催する。

 ファインシティ甲子園(兵庫県西宮市)に住む浦本千賀さん(30)は「顔見知り同士なら気軽に子供を預けたり預かったりできるので助かる」。同じマンションでママサポーターとして交流会を開く井川舞さん(28)は「住民の交流をもっと広げたい」と語る。

 子育て支援は分譲マンションにとどまらない。千葉県柏市の36階建ての賃貸タワーマンション「パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワーウエスト」。住民が優先的に子供を預けられる認可外保育園を低層階に設けた。

 保育園併設マンションは増えているが、住民に優先入園の権利がついたマンションはまだ珍しい。優先的に入れるのは最大70人。2月に入園者の募集を始め、既に10組程度の申し込みがあった。

 賃料は2LDKで月19万円前後が中心。柏市では高めだが「東京都内の子育て世代からの問い合わせが増えている」(三井不動産)。保育園と同じ階には学童保育施設や両親の帰りが遅いときに子供だけで使える食堂も併設。「子育てに必要な機能を1カ所に集めて利便性を高めた」(施設を運営するマザープラネット=柏市=の藪本敦弘社長)

 賃貸アパートにも動きは広がる。旭化成ホームズは首都圏で「ヘーベルメゾン母力(ぼりき)」を10件展開する。子供を遊ばせながら住民同士が交流できるよう敷地内に中庭を設けた。2月完成の「母力あさか」(埼玉県朝霞市)は最寄り駅まで徒歩16分。周辺物件より家賃も月5千円ほど高いが全6室が埋まった。子育てを支える物件は一段と増えそうだ。(蛭田和也)

ニュースの最新記事

PAGE TOP