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ゼネコン大手4社、今期新規受注高、6年連続で5兆円台に、国内工事旺盛、労働者確保に懸念。

[ 2018年5月21日 / 日経産業新聞 ]

 ゼネコン(総合建設会社)大手4社の2019年3月期業績の予想が15日出そろった。単体の新規受注高合計は6年連続で5兆円台を確保する見通しだ。国内の土木・建築工事が旺盛で利益率も改善。リニア中央新幹線工事の入札談合事件による官公庁工事の入札指名停止の影響はほぼ無い。一方で高齢化による技能労働者の不足感は強い。堅調な建設需要への受注能力と上昇する労務費の対応が課題だ。

 鹿島が同日発表した18年3月期の連結純利益は前の期比21%増の1268億円と過去最高を更新した。ゼネコン4社では大成建設も1200億円台の純利益を確保し、過去最高を記録。「労務費や資材の先高観はあるが、急激に業績は悪くならない」。鹿島の内田顕取締役常務執行役員は先行きの堅調さを強調する。

 大林組と清水建設を含めた建設大手4社の19年3月期の新規受注高(単体)は5兆2450億円になる。前の期比4%減だが、14年3月期からの5兆円台を維持する見通しだ。「東京オリンピックが開かれる20年以降は市況が急激に悪くなるとの予測もあったが、以降も都心部を中心に建て替え案件は一定数あり、受注規模の急減はないだろう」(内田氏)

 「能力を勘案し受注している。これ以上は大幅に受注を増やすのが難しい」。大林組の小寺康雄専務執行役員は言う。同社など4社はリニア新駅工事の入札談合事件による官公庁の入札指名停止措置が続いている。大林組や清水建設は前期に公正取引委員会からの課徴金を引当金として計上した。ただ、足元では「限界に近い施工能力を受注可能な案件に振り向けている。(入札指名停止による)業績への影響はない」(小寺氏)という。

 単体の完成工事利益率は大成建設と鹿島が前の期比2ポイント前後上昇の16%台、ほか2社も前年並みの13%台の水準を確保した。不採算が見込まれる工事に引き当てる工事損失引当金は4社合計で403億円。直近ピークの15年3月末時点に比べて7割も減った。工事案件が豊富で採算が見込めない工事を受注しなくてもよい環境になっている。

 課題は堅調な建設需要への対応能力だ。国土交通省によると、全国の建設技能労働者(8職種合計)の不足率は17年平均が1%で前の年に比べて0・3ポイント上昇した。足元で330万人いる技能労働者も高齢化が進み25年度には216万人まで落ち込むとの見方もある。

 人手不足から労務費の先高観も強く、18年3月に1日当たりの公共工事設計労務単価(全国全職種平均)は1万8632円で12年度に比べて43%増えた。業界団体の日本建設業連合会は現在、業界を挙げて建設現場で週休2日制の導入に取り組むが、休日増による工期延長を工事費に反映できなければ採算が悪化するリスクもある。

 「建設業界は合併のメリットがなかったが、今後はエンジニアや系列の協力会社を確保する再編も起きるかもしれない」。20年が最終年度の中期経営計画でM&A(合併・買収)も視野に入れた事業規模を掲げた大成建設の桜井滋之副社長は話す。(加藤宏一)

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