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東京建物、仙台駅近くにオフィスビル、空室率低下で、20年春完成めざす。

[ 2018年6月5日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 東京建物は仙台駅近くに9階建てのオフィスビルを建設する。完成は2020年春を見込む。仙台中心部ではこのところ新築ビルの着工がなく、不動産サービス大手のCBREによると、中型以上では17年4月に完成した野村不動産の新築ビル以来、約3年ぶりとなる。IT(情報技術)関連企業の進出などで空室率が低下していることが背景だが、今後の開発については慎重な見方もある。

 駐車場になっている場所に建設するビルは、敷地面積が約850平方メートルで1フロアは約500平方メートル。土地と建物を含めた総投資額は数十億円規模で、東京建物が現在保有するビルとしては09年にできた駅前のビル以来、2棟目の開発となる。

 JR仙台駅から信号無しに徒歩で5分程度。緑地に面した側をガラス張りにして開放感を高め、入居企業の社員同士で交流できるテラスの設置を検討している。仙台ではソフトウエア開発やコールセンターなどのオフィス需要が多い。オフィスにいる時間が長いこうした業種の社員が働きやすい環境を売り物にする。

 仙台中心部では08年のリーマン・ショック前後に大型ビルが多くできたが、空室率は一時期、20%台に達するなど供給過剰になっていた。その後は東日本大震災による復興需要などで空室率は低下していた。

 特に、ここ数年は首都圏に比べて人手を確保しやすいとしてIT関連企業などが相次ぎ進出。仙台市が助成金制度を設けて誘致に力を入れたこともあり、面積の広い物件や新しいビルは品薄状態が続いている。三鬼商事によると直近の空率率は6%台まで低下し、約20年ぶりの低水準という。

 市内ではJR東日本もオフィスビルの建設を検討し、駅前再開発の構想もある。ただ、復興需要が一服し、人口減少の影響が本格化するなかで、再び建設が相次ぐかは慎重な見方が少なくない。

 デベロッパーにとって、リーマン後に空室が埋まらなかった苦い経験があるほか開発余地のある更地も少なくなっている。CBREの稲毛敦士仙台支店長は「賃料は回復しているが建築費も上昇している。デベロッパーは確実に投資回収できるかを以前より緻密に精査している」としている。

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