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大建工業、壁材市場を開拓、住宅・家具メーカーと連携、提案奏功、需要掘り起こし。

[ 2018年6月4日 / 日経産業新聞 ]

 大建工業が今年度から力を入れている壁材事業が軌道に乗り始めた。イベントやショールームなどの場で、住宅メーカーや家具ブランドといった関係各社を巻きこんだ提案が共感を呼んでいる。屋内空間の多くを占める壁面で新しい暮らし方を提案し、「ニーズ」から「ウォンツ」の掘り起こしにシフトしはじめた。

 「自信作ができた」。4月中旬、東京都内の自社ショールームで新製品発表会を開いた億田正則社長は胸を張った。この日に発表した商品は住宅やホテルなどに使う意匠性の高い壁面パネル「グラビオ エッジ」だ。6月に発売する。

 従来、室内空間の壁面は真っ白なシートが全面に張られているケースが多かった。「白いだけの壁にはみな飽きている」(億田社長)と新しさを提案するため、石目や布地を編んだような模様など高級感を持たせた。

 新製品発表会は実は20年ぶり。木造住宅の下地などに使う内装材「ダイライト」を世界で初めて開発して以来の戦略商品で、売り上げを4年後には40億円にまで拡大しようとしている。1つの部屋でみた場合、壁は天井と床以外の4面を占めており、空間の印象を大きく変える潜在力があるとみる。

 こうした大建工業の気概に応えるように、取引先の住宅メーカーからは「採用に向けて検討したい」「照明とのセット販売ができそう」といった前向きな声が次々舞い込む。自社のショールームだけでなく、取引先のショールームでもさっそく展示を始めた。

 共感を示す住宅関連企業はほかにも広がりを見せている。戦略商品の勝負の年となる今年は数年に1度開かれる大規模フェア「TDYリモデルコレクション」の開催年でもある。今年は5月中旬に開いた。大建工業がTOTO、YKKAPと共同で開く住宅設備の商談会が主な趣旨だが、今年は植栽事業者や海外の家具ブランドなど過去最多の17社が協力した。

 コト提案と銘打ち、「アウトドア好きの50〜60代夫婦」など10のテーマにあわせた住空間の展示が奏功した。各社の商材を生かし、実際に人が暮らしているかのような家具や植物の配置をリアルに再現。雰囲気に合わせて大建工業も高級感やデザイン性を打ち出した壁面を設置した結果、来場者の共感を誘い、フェアは前回より約1割多い2万9500人を動員した。

 大建工業の2019年3月期の業績予想は上半期の純利益がマイナスとなるものの、下期で横ばい圏に持ち直す。6月に投入する壁材が下半期に利益貢献するとの算段だ。「不退転の覚悟で臨んだ」(同社)という壁材事業。拡大に向けた障壁は今のところないようだ。(川崎なつ美)

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