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三井物産、米で高齢者住宅5割増、420億円投じ、1200室取得。

[ 2018年5月31日 / 日経産業新聞 ]

 三井物産は米国で高齢者向けの住宅事業を拡大する。420億円を投じて約1200室を追加取得し、運営する部屋数を従来より5割増やす。米国でも高齢化が進展し、食事や健康管理などのサービスを提供できる高齢者向け住宅の需要拡大が見込まれている。サービスの改善を進めて施設の稼働率を高め、米国での不動産事業の柱に育てる。

 米不動産会社、ウエストリビング社(カリフォルニア州)が同州やワシントン州などで展開している高齢者向け住宅9物件(約1200室)を買収する。6月下旬に物件の引き渡しを受ける。年間の運用収益は2100万ドル(約23億円)を見込む。

 高齢者向け住宅では食事や掃除、健康管理などの各種サービスを提供する。三井物産は1990年に米国で同事業に参入した。物件の追加取得で、部屋数は46%多い約3800室に増える。

 米国の高齢者向け住宅はサービスの有無や種類によって複数の分類がある。三井物産は規制が厳しい医療や介護などのサービスは手掛けず、食事や掃除など家事を手伝うサービスを提供する物件に注力している。

 三井物産が保有する約2600室の既存物件も米国西部に立地している。買収した物件と既存物件の間で人員や備品の管理を共通にし、経営効率を高める。既存物件は1400人の従業員で運営しており、きめ細かなサービスが評価されている。稼働率は94・5%に達し、全米の業界平均の88・3%より高い。新たに取得する物件もサービスの改善や改修に取り組み、稼働率を9割超に高める。

 サービス付きの高齢者向け住宅の月額賃料は1人当たり平均4500ドルで、主に富裕層を対象にしている。部屋を貸すだけでなく、生活を支えるサービスも提供するため収益性が高い。

 米国は日本に比べると高齢者の割合は低いが、それでも65歳以上の人口が2014年の4600万人から、60年に9800万人に増えると予想され、市場拡大が見込まれる。

 三井物産は米国で通常の住宅開発や物流施設を手掛けるが、高齢者向け住宅を不動産分野の最重要事業と位置づける。同社は市況によって損益が増減しやすいエネルギーや金属など資源事業の比率が高い。不動産賃貸など安定収益が見込める非資源事業の強化を急いでいる。(村松洋兵)

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