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パナソニック、民泊参入、施設建設から運営まで。

[ 2018年6月26日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 パナソニックは民泊事業に参入する。施設の設計・建設から運営まで一括して受託する。まず東京と大阪で10棟程度を建設し、1人当たり1泊5千円程度で貸し出す。外国人に人気の美容家電などをそろえ、使い心地を体験できる「ショールーム」としても活用する。民泊ビジネスが幅広い業種に広がってきた。

 15日に施行した住宅宿泊事業法(民泊新法)でルールが整備され、今後、市場が広がるとみて参入を決めた。住宅子会社のパナソニックホームズ(旧パナホーム)を通じ、まずは東京都と大阪府の中心部で始める。

 建設した施設はグループの不動産会社が原則として30年間、土地所有者から借り上げる。民泊運営の百戦錬磨(仙台市)、スクイーズ(東京・港)と提携、転貸方式で運営を2社に委託する。パナソニックは運営を監督する。

 同社はすでに介護施設など約100件で転貸運営の実績があり、土地活用を民泊にも持ち込む。民泊施設は需要に応じて、運用開始から10年後に賃貸物件に切り替えられるようにする。

 旅館業法で定める「簡易宿所」の許可を得て運営。40平方メートルほどの一部屋を4〜5人で利用し、1人当たり1泊5千円程度の宿泊代を想定する。パナソニックは土地所有者から施設の建設費のほか宿泊代の約1割を受け取る。初年度で10棟を建設、50億円の売り上げを見込む。

 施設内の家電や浴室などの住宅設備機器は基本的にすべてパナソニックブランドの製品でそろえる。訪日客に人気の高い最先端の美容家電などをそろえ、性能や使い心地を実際に体験してもらう。政府は2030年に17年比2倍強となる6000万人の訪日客を見込んでいる。民泊を通じて海外での家電の売り上げ拡大につなげる。

 パナソニックは17年10月にパナソニックホームズを完全子会社化した。企業向けシステムなどの営業を通じて、法人の土地活用に関する情報も入ってきており民泊の受注に生かす考えだ。

 民泊新法の施行に伴い、営業日数や安全設備の規制が厳しくなった。煩雑な手続きを嫌い民泊をやめるオーナーが出たほか、許認可のない施設を削除した結果、仲介最大手の米エアビーアンドビーの掲載件数は大きく目減りした。ただJTBやパナソニックなど企業の参入で、中長期的に施設数は増える見通しだ。

 ▼簡易宿所 旅館業法が定める宿泊施設の一形態。住居専用地域で営めないが、住宅宿泊事業法(民泊新法)のような営業日数の上限がないため、簡易宿所の許可を取って民泊を営む家主が増えている。これとは別に15日施行の民泊新法で届け出た施設や、国家戦略特区の認定を受けた民泊もある。

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