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大手ゼネコン、下請け資金支援、鹿島も手形決済を短縮、人手不足解消狙う。

[ 2018年6月23日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 鹿島は7月から下請け建設会社や資材メーカーへの支払手形の決済期間を従来の100日から70日に短縮する。清水建設も4月から60日間短くした。建設業界は人手不足が深刻で、取引先の資金繰りを支え自社の工事に関わる技能労働者を確保する。大成建設、大林組も含めゼネコン(総合建設会社)は財務の改善を背景に、歩調をあわせ取引ルールの見直しを進めている。

 バブル崩壊後の建設需要の低迷で国内の建設従事者は大きく減ったところに、2020年の東京五輪に向けた大型工事が相次ぎ人材不足に拍車がかかっている。中小業者が採用費用などを確保できるよう、支払い条件の見直しは政府が主導しており昨春に建設業界へ要請。日本建設業連合会(東京・中央)を中心に下請け企業を支援する動きが広がっている。

 鹿島は年間の支払額の6割にあたる6500億円に手形を活用している。すべての取引先で年間の支払手形の8割を決済期間100日、2割を35日としてきた。7月からは100日の手形はすべて70日に短縮。さらに資本金10億円未満の企業を対象に、決済期間35日の手形の比率を3割に引き上げる。

 また全額現金で支払う取引についても、基準を1件100万円以下から500万円以下に引き上げる。ルールの見直しに伴って2019年3月期は営業キャッシュフロー(現金収支)が前期より500億円悪化する見込み。

 鹿島の今期は資材費や人件費の上昇で連結営業利益が1080億円と前期より32%減る見通し。ただこの数年は首都圏の再開発工事などを相次ぎ手がけ前期末の現金・同等物は約3900億円にのぼっている。

 建設業界では、清水建設も下請け企業への支払手形などの決済期間を90日としていたが4月に30日に短縮。大成建設や大林組も同様に期間を短くした。五洋建設は下請け工事や協力会社からの資材購入を昨年からすべて現金化している。

 大手ゼネコン各社の財務は1990年代から2000年代前半に大きく悪化したが、直近では急速に改善している。有利子負債が資本の何倍かを示す「デット・エクイティ・レシオ」は鹿島や大成建設が、00年代初めに4〜5倍台だった。直近ではそろって1倍を下回っている。下請け業者を資金面でサポートする余裕が生まれている。

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