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宅配ロッカー「戸別」広がる、マンション全室に、玄関と一体型、荷物受け取りやすく。

[ 2018年8月7日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 増え続けるインターネット通販の荷物を受け取りやすい住宅が広がっている。不在時に荷物を預かる宅配ロッカーを全戸の玄関前に備えたマンションを三菱地所が販売。戸建て住宅でもミサワホームが玄関ドアとの一体型ロッカーを開発した。不在が多い共働き世帯が増え、荷物の受け取りやすさも住宅の人気を左右しつつある。対応した住宅が増えれば社会問題化する再配達が減りそうだ。

 三菱地所子会社の三菱地所レジデンス(東京・千代田)は東京都文京区で2019年に引き渡す新築分譲マンションで全戸にロッカーを備える。

 全53戸の玄関横の壁に埋め込む形で戸別ロッカーを設置。提携するヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の宅配大手3社はICカードを使って建物内を出入りし、ロッカーを解錠して荷物を預ける。住民は部屋で荷物を待つ不便を解消できる。

 エントランスに共用ロッカーを設置するマンションはこれまでも多かった。国土交通省によると宅配便の取扱個数は16年度に40億個を超え10年間で4割近く増加。ロッカーが満杯になり配達員が持ち帰らざるを得ないケースが増えている。

 三菱地所レジデンスは宅配ロッカー大手のフルタイムシステム(同)とロッカーを開発した。横50センチメートル、高さ150センチメートル、奥行き60センチメートルで飲料水の段ボール箱のほか棚板を上げればゴルフバッグも入る。開閉履歴は電子メールで住人に伝える。

 3社以外の荷物は共用部のロッカーで預かる。17日のモデルルームオープンを前に、物件の問い合わせは1千件を超えた。ロッカーに関心を持つ人が多いという。

 全戸分のロッカーを備えたマンションは増えている。大京はフルタイムシステムと、郵便受けと一体にして省スペース化した戸別ロッカーを開発した。各戸の玄関ではなく共用部に設置するもので首都圏などの新築・中古物件で導入を進める。

 専用の仕分け・配送システムを持つ物件も登場する。三井不動産子会社の三井不動産レジデンシャル(東京・中央)は横浜市中区で20年に完成させるタワーマンション(1176戸)に集配場を設ける。委託した外部の担当者が常駐し、複数の宅配業者の荷物を仕分けして各戸に届ける。

 集配場には保冷宅配便サービスに対応する冷蔵庫も置く。共用の宅配ロッカーも設置して、不在であれば後から自分で受け取ってもらう仕組みと併用する。物件は昨秋発売し、この規模では早い約8カ月で完売した。

 宅配ロッカーの導入割合が1%未満といわれる戸建て住宅でも設置が広がる。ミサワホームは宅配ロッカーを組み込んだ玄関ドアを発売した。郵便受けのほか最大2つのロッカーを取り付けられる。住人はドアを開けずに荷物を出せ自動で受領印を押す機能も付けた。

 大和ハウス工業は郵便受け大手のナスタ(東京・港)と開発した宅配ロッカーの設置数が7月に累計約3千台に達した。門柱との一体型で、年間の販売目標500台を半年間で超えた。手続きすればロッカーからの集荷もしてもらえる。

 ネット通販は少量の荷物が多く、不在時の再配達を含め配送頻度が高くなる。人手不足もあり配達員に残業など重い負荷がかかり、送料引き上げにつながった。再配達率は2割程度に上るとされ政府も宅配ロッカーの活用を呼びかけている。

 ヤマト運輸はスーパーや駅構内などで顧客が自分で荷物を回収する宅配ロッカーを18年度末までに5千カ所に増やす。日本郵便も独自のロッカーを増やすが、自宅から離れていれば利用が敬遠される可能性もある。住宅への宅配ロッカーの普及が進めば再配達の抑制効果は大きい。消費者もスムーズに荷物を受け取りやすいメリットがある。

【表】再配達を減らすための宅配ロッカーなどが増えている  
マンション 三菱地所 
      全戸の玄関横に設置し、配達員はICカードで解錠(東京都文京区の物件) 

      三井不動産 
      集配場で仕分け、配達員がインターホンに電話し在宅確認。共用ロッカーも設置(横浜市内の物件) 

戸建て   ミサワホーム 
      玄関ドアと一体型を開発 

      パナソニック 
      ポスト一体型などを今春に拡充。販売数は2017年度に前年度の5倍 

      LIXIL 
      5万円以下で簡単に設置できる製品を今春発売

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