日経メッセ > 建築・建材展 > ニュース > リンテック、米テコ入れ、粘着フィルム子会社30億円投資、新工場建設し生産集約。

日経の紙面から

リンテック、米テコ入れ、粘着フィルム子会社30億円投資、新工場建設し生産集約。

[ 2018年8月3日 / 日経産業新聞 ]

 粘着材料大手のリンテックは、米国で6年連続営業赤字の粘着フィルム製造子会社の再建に乗り出す。太陽電池向けで安価な中国製品が流入、採算難に陥っているためで、約30億円を投じて2工場を1工場に集約。2022年度に営業利益10億円を目指す。リンテックの連結業績は好調を維持しており、米国事業のテコ入れを急いで成長を加速させる。

 経営再建に乗り出すのは、全額出資子会社のマディコ(マサチューセッツ州)。窓ガラスに張り、割れた際の飛散防止や断熱性の向上に役立つ「ウインドーフィルム」を主力とし、こうした粘着フィルム製品を建材メーカーなど幅広い業種向けに製造・販売。マサチューセッツ州とフロリダ州の計2工場を持つ。

 再建計画では、マサチューセッツ工場を19年上期に閉鎖。採算が悪化していた太陽電池用劣化防止シートの生産は17年末に停止しており、同年初に約200人だった従業員は、18年7月までに約140人に削減した。

 フロリダ工場では約15億円を投じ、近隣に工場用地と建屋を取得。マサチューセッツ工場で生産している壁面防護用の機能性フィルムなどを、生産設備と共にフロリダ工場に移管・集約する。

 フロリダでは旧工場の設備も順次、新工場に移す。15億円を投じて設備の改造や移設作業を進め、19年半ばに新工場をフル稼働させる。旧工場は閉鎖・売却する。

 マディコでは10年、再生可能エネルギー市場の拡大をにらみ、太陽電池向けシートに参入。だが中国メーカーが割安な商品を大量供給したことで、太陽電池関連部材の価格が低下。12年度から6期連続の営業赤字に陥っていた。

 太陽電池向けの生産停止や工場再編でコスト構造を見直し、製品の多様化にシフト。リンテックの西尾弘之社長は「既存の窓用フィルムだけではだめ。将来を見据えて新たな機能性フィルムを伸ばしていく」と話す。

 機能性フィルムの新商品では、公共施設の屋根などの建材に使い、光を採り入れやすく断熱性も十分なフィルムを売り込む。電車や壁の落書き対策で貼るフィルムや航空機向けなど、米国特有の需要が堅調な商品も含め、顧客の開拓を急ぐ。

 マディコの営業損益は17年度が約8億円の赤字だったが、18年度は1億円の黒字に転換する見込み。一連の経営再建策により、22年に営業利益10億円、売上高100億円規模を目指す。

 リンテックの18年3月期の売上高は約2500億円、営業利益が200億円。スマートフォンなど電子機器の半導体製造工程向け粘着テープなどが好調。連結での業績は堅調だが、米国事業のテコ入れが課題だった。

(三宅雅之)

ニュースの最新記事

PAGE TOP