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前橋中心市街、スーパー跡地、田中仁財団主導で再開発、商業+宿泊の複合施設、企業家らに資金募る。

[ 2019年1月31日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 前橋市の中心市街地にあるスーパーマーケットの跡地に、新たなコンセプトによる商業・宿泊の複合施設を建設する再開発プロジェクトが動き出す。地元出身の起業家でジンズ社長の田中仁氏が設立した田中仁財団(前橋市)が中心になって企業家らの出資を募り、事業を進める。デザインを重視し、地域コミュニティーの核になるような機能を持たせることで、中心市街地の再活性化を狙う。年内の着工を目指す。

 対象になるのは飲食店や商店が集積する一帯にあり、美術館「アーツ前橋」など文化施設にも近い旧長崎屋前橋店跡地の1241平方メートル。1984年の閉店後は前橋市が買い取り、更地にして「Qのひろば」の名称でイベントスペースなどとして使われていた。市は昨年、財政健全化の一環として共同住宅を建設することを条件に大和ハウス工業に売却した。

 大和ハウスは当初、この土地に2棟の賃貸マンションを建設する計画だったが、市街地のにぎわい復活を目指す地元経済界の申し入れを受け、方針を変更した。田中仁財団などの計画に沿って大和ハウスが建設し、完成後に同財団や地元企業が出資して設立する新会社が買い取る形を取る。

 現在浮上しているのは3階建てのプランで、1階は「横町」や「市場」をコンセプトに飲食が楽しめるにぎわい空間を整備。書店や喫茶店の併設も検討する。2階はドミトリー(相部屋)方式の簡易宿泊施設を設け、ビジネス客のほか、車利用で飲食を楽しんだ人が運転代行を頼む代わりに宿泊する需要を見込む。

 また、3階は数週間から月単位の中長期滞在が可能な「マンスリーシェアハウス」とする構想だ。若手建築家らと組んで、デザイン性を重視した建物にしたいという。

 数億円を見込む事業費のうち、およそ半分を地元企業などからの出資でまかなう方針だ。まちづくり構想に賛同する企業家らを対象に1口数百万〜1000万円程度の出資を募り、事業の受け皿となる新会社を設立する。近く前橋商工会議所でプロジェクトの説明会を開く。

 「こうしたやり方は他で聞いたことはないが、地域の企業家の(街づくりに対する)思いが結集するきっかけになれば」と田中氏は話す。すでに賛同する企業から、出資に関する多くの問い合わせが寄せられているという。

 前橋市では、市中心部のスズラン百貨店周辺でも再開発準備組合が設立されるなど、市街地の再活性化を目指す動きが盛んになっている。

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